傍観者の独り言

団塊世代で、民間企業で「チンタラ・グウタラ」に過ごした人間の手前勝手な気儘な戯言・放言。

「平成の開国」とは、米国依存から巣立ちの「自立と共生」です・・・脱米国依存の好機に!

2011-01-25 11:57:12 | 国家の計

菅首相は、施政方針演説で「平成の開国」「最小不幸社会の実現」「不条理を正す政治」と国つくりの理念を表明し、「平成の開国」は、TPP(環太平洋パートナーシップ協定)を、米国を始めとする関係国と協議を続け、今年六月を目途に、交渉参加について結論を出しますと表明したが、、「平成の開国」と言うのであれば、米国依存からの巣立ちの「自立と共生」宣言です。

1月20日、帝国ホテルで、菅首相が「歴史の分水嶺に立つ日本外交」と外交に関する講演をしたが、日本の分水嶺とは、米国の隷属を継続するか、米国依存から巣立ちするかの脱米国依存の是非です。

菅首相の「平成の開国」とは、”「この十年、二国間や地域内の経済連携の急増という流れには、大きく乗り遅れてしまいました」”とし、TPP(環太平洋パートナーシップ協定)を、米国を始めとする関係国と協議を続け、今年六月を目途に、交渉参加について結論をだすということは、参画することであり、米国追随を継続するということですね。

一方、中国とは、
”「日中韓自由貿易協定の共同研究を進めます」”
”「来年の日中国交正常化四十周年を控え、改めて両国の長い交流の歴史を振り返り、幅広い分野での協力によって戦略的互恵関係を充実させることが重要です。同時に、中国には、国際社会の責任ある一員として建設的な役割を果たすよう求めます。」”
と、距離を置くと表明しておりますね。
要は、菅首相は、戦後の自民党主導の米国追随を継続し、より深耕することであり、「平成の開国」の表現は羊頭狗肉ですね。
マアー、敢えていえば、「農業の産業自立化」なり、「農業の自由化」でしょうね。

問題は、脱米国依存か続米国依存かの分水嶺に立つ日本はどうすべきかですね。
当方は、政権交代が実現した現下では、米国依存からの巣立ちの「自立と共生」の好機と考えますね。
長い物には巻かれろの適当な当方は、脱米国依存と誇張する必要性もなく、続米国依存しながら自立の道を模索すべきと思いますね。
よって、脱米国、親中国といった極論は控えたバランス感覚が肝要ですね。

「JBpress」に、英エコノミスト誌 2011年1月22日号の記事『米国から見た中国の存在中国は「第2のスプートニク」か?』を転載しています。
記事では、オバマ大統領が、演説に中国の台頭を「スプートニクの瞬間」を多用しているのは、中国の猛追を「スプートニク・ショック」と同じくらい米国を奮い立たせる効果を望んでいるようだが、米国にとっては不倶戴天の敵でなく、グローバル化で米中経済を緊密に結びつけ、それが両国に利益をもたらしていると。
新たなる「スプートニク・ショック」は米国民の考え方を変えるかもしれないが、米国民は、今、米国は中国モデルの成功に戸惑っており、自国が健全な状態を取り戻す(仮にそれが可能だとして)ための方策についても、意見が割れている。と、米国は中国の台頭に危機感をもつが、確たる方策を模索していると書いています。

菅首相は、日本の再生に更なる米国依存を決意したが、米国自身が中国の台頭に、国論が割れ、方策に難渋しており、日本が性急な更なる米国依存の決断は大いなる疑問ですね。
当方は、中国の中華思想、覇権主義には違和感をもち、中国の暴食が地球を破壊する危機感を持っていますが、大国の中国に敵愾心はありません。

NHKラジオの深夜放送で、『中国という難問』の著者の石川好氏のインタビュー番組に接して、中国という大国の現実の一端を再認識しました。
番組では、日中21世紀委員会委員の石川好氏が手掛けた「中国・南京大虐殺記念館で開催した戦争体験描いた日本漫画展」の苦労話が中心でした。

「日本漫画展」については、共同通信が『戦争体験描いた日本漫画展 中国・南京大虐殺記念館で』で報道しておりますが、記事では、”「日本の漫画家が終戦前後の体験を描いた漫画などを展示した「私の八月十五日展」が終戦記念日の15日、中国江蘇省南京市の南京大虐殺記念館で始まった。」”と報道ですが、石川好氏が話しだと、当初予定は3ヶ月期間であったが好評で、11ヶ月?に期間延長し、延べ260万の来場者があり、その後、中国各地の抗日記念館で開催されました。

番組で、20年間、中国に接してきた石川好氏の話で印象的だったのは、中国の一般大衆には、日本の侵略で中国は一方的な戦争被害者意識があり、日本は無傷で経済発展したという認識だったと。
そういう環境で、日本も戦争被害者いたことを漫画で中国人に知らしめる日本漫画展を企画し、日本漫画展の先駆けの労苦を中国共産党の党中央機関紙「人民日報」が、日本漫画展の開催を応諾した南京大虐殺記念館長の見識には、新鮮な驚きでした。
また、石川好氏は、中国は大国であり、古代、中世、近代の考えの人間が雑多に存在しており、日本にとっては、歴史的には、過去は中国は日本の先生で手本にし、日清戦争の勝利で中国を軽視し、日本の敗戦・中国の台頭で、初めて台頭になったが、従来の固定的な考えは通用しないということです。
中国は少数他民族をチベット自治区などと自治区にしているが、最終的には、自治省に一元化し、「中国人」の国を100年の計で目指していると。
そして、中国は動漫(漫画・アニメ)が国策であり、中国が海外映画輸入枠は年間50本であり、ハリウッド製は20本であるが、日本製は2本であり、日本はソフトパワーの活用が必要ということです。

中国の動漫については、本ブログ「麻生首相、中国でアニメで感嘆も結構ですが?中国の動漫政策は国策ですよ」で、日経ビジネスに、【中国動漫新人類」はどこへ行くのか】で連載しておりました遠藤誉女史は、
”「「サブカルチャーが民主主義の基本」であるとし、中国の「動漫新人類」が中国の民主化に担い手になる期待もあります。」”
と発言しており、
”「中国人の中華思想の民族性と中国政府の覇権主義の流れに、遠藤誉女史の言われる「中国新動漫人類」が、民主的社会の形成へのパワーになえりえるか関心がありますね。」”
と書きました。

石川好氏の著書名「中国という難問 」ではないが、中国との付き合い方は難しいですね。
政府が、中国とは戦略的互恵関係で発言しているが、時代が激変した現下では、米国と付き合いかたこそ戦略的互恵関係として、米国追随から巣立ちを熟慮すべきです。

当方は、正直、石川好氏の名前程度は知っていたが、それ以上は無知でした。
石川好氏の略歴は、高校卒業後渡米、カリフォルニア州農園に4年間従事、慶應義塾大学法学部政治学科入学・卒業し、再渡米、庭園業を営み、帰国後、銀座のクラブのマネージャーに従事し、文筆生活に入る異色な経歴の持ち主ですね。
当方は、世の中、生成発展には新陳代謝が不可欠という考えであり、日本の再生は「破壊と創造」すべきと考えであり、旧人類(菅・与謝野)の常識論は通用する時代でなく、若い異色・異才に委ねるべきの考えで、本ブログ「日本の再生は、異才の人物に賭けるしかない(雑感)」で、財政破綻危機に陥った日本社会は、孫正義氏、原丈人氏、レアメタル・ビジネスの中村繁夫社長などの海外での遊学の体験をしており、固定観念がなく、挑戦的であり、革新的の人間に国家の再建を委ねたいと書きましたが、石川好氏も海外での遊学の体験があり、異才の1人でしょうね。

「付記」

① 石川好氏の苦労話については、「JBpress」に河野 通和氏が
南京「大虐殺記念館」に日本の漫画をインタビュー~作家・石川好氏(上』、
中国では危険な企画、だが日本の漫画の力を信じたインタビュー~作家・石川好氏(下
が記事にしています。


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