傍観者の独り言

団塊世代で、民間企業で「チンタラ・グウタラ」に過ごした人間の手前勝手な気儘な戯言・放言。

津波対策の高台移住の職住分離は安直・・・天災に安全値なし

2011-06-14 12:49:33 | 社会

NHKニュースの『国交省 津波対策の方針転換へ』で、国土交通省は、堤防などのハードの整備を優先してきたこれまでの方針を転換し、避難ルートを整備することで初めて利用が可能になる新たな土地利用規制の創設など、ハードとソフトを組み合わせた「まちづくり」を今後の津波対策の柱にする方針を決めましたと報道。

NHKニュースは、
”「これまでの国の津波対策は、海岸線に堤防を築いて津波を防ぐことに主眼が置かれ、避難に役立つルートの整備など、津波が堤防を乗り越えたあとの取り組みが不十分だったと指摘されています。
こうした反省から国土交通省は、ハードの整備に偏っていたこれまでの対策を転換し、ハードでは防ぎきれないことを前提に、災害に強い「まちづくり」を津波対策の柱にすることを決めました。具体的には、浸水の危険がある区域を地元自治体が指定し、津波避難ビルや高台への避難路など十分な避難対策を講じないと住宅や商業施設を建てられないようにする新たな土地利用規制の創設などを検討します。
国は、こうした取り組みを支援するほか、線路や道路をかさ上げして、2番目の堤防として活用するなど、従来のハードとソフトの垣根を越えて、被害を少なくするためのあらゆる方法を取り入れるとしています。国土交通省は、この方針に沿って、今後、具体的な土地の利用や建築規制の法制度を検討することにしています
。」”
と、ハード第一志向からの転換を報道。

本ブログ「東日本大震災:高台移住案、漁師ら反発相次ぐ…画一的より多様性」で、
”「安全な所に住みたいということは第一であるが、漁業を生業にしている人間にとっては、海の近くで住みたいと希望があり、防災か、生活かの二律背反の問題であり、更に、代々暮らしてきたという土着愛もあり、画一的に決められない問題ですね。
地震と津波で壊滅した奥尻島は、多くの住民は高台に移住し、漁民は海の近くに新たな盛土の高台を住居にし、津波の発生時に即非難できるように施設を作り、安心と安全と生活面で工夫しています
。」”
とし、
”『「週刊ポスト」(5.27)に、記事『それでも海辺の民は「津波の海」との共生を選んだ』は、三重県大紀町錦地区は、67年前、大津波で多くの死者を出した港町の「低地復興」という決断したと。』”
と「低地復興」した事例を紹介しました。

また、本ブログ「東日本大震災:津波防災教育の素直な感受性が最大の防災!」では、釜石市内の中学生が震災直後、自発的に集団で避難し、全員助かったことは、日頃の津波防災教育の賜物とし、一方、日本一の防潮堤を整備した宮古市田老区では、巨大な堤防に過信・慢心が被害を拡大させたのは、大人になるほど、防災訓練・津波警報にマンネリ化の慢心が、被災を拡大させたとか書きました。

「週刊朝日」(5/6・13号)に、吉岡忍氏の「津波防災の町」岩手県宮古市田老区の被災現場のルポ『人間が支配したつもりの自然=津波が町をのみこんだ』を紹介しました。
吉岡忍氏のルポは、「万里の長城」と呼ばれ、信頼されていた日本一の防潮堤を備えた宮古市田老区では、津波に対する絶対的な過信が被害を拡大させたと書いています。そして、

”「ただ、吉岡忍氏のルポを読み、田老区の先人が津波対策に築いた大堤防がチリ津波には守ったが、その後、大堤防の外側(海側)に、新たな防潮堤を築いたことが被害を拡大したと。
要は、先人が築いた大堤防(防浪提)は、「クの字」の逆字形で、津波のエネルギーを左右に分散する役割で、外海に新たなコンクリート壁の防潮堤は、「クの字」で、上から見れば、「Xの字」の形になる。
新たに築かれた防潮堤は、津波を「食い止める」考えで、津波を抱き込んで真正面から受け止めるとする形と。

一方、先人が築いた大堤防(防浪提)は、津波を完璧に食い止める考えでなく、津波がきたときには、人間は家も家財も捨てて、とにかく逃げるしかないという考えで、人間のできることは、津波のエネルギーを左右に分散させ減じさせる大堤防を築き、非難しやすい町づくりだったと。
大堤防の効用は、時間稼ぎと「引き波」の力を弱め大堤防の内側にいた住民は、「引き波」での被害がすくなかったと
。」”

と、先人の築いた大堤防(防浪提)は、津波を左右に分散させ、非難する時間的を稼ぎ役割であったが、その後、新たに築いた防潮堤は、津波をくい止める目的であり、東日本大震災の津波には脆くも破壊されたのです。

天災には安全値がなく、逃げるが勝ちであるが、人間の習性に「様子見」があり、警報が発せられても、どうなのかと様子を見に行き、災難に会うのは世の常ですね。
当方も、奇麗事言っても、「自分だけは大丈夫」という過信があり、警報・防災訓練などを軽視している心情がありますね。



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