傍観者の独り言

団塊世代で、民間企業で「チンタラ・グウタラ」に過ごした人間の手前勝手な気儘な戯言・放言。

「文藝春秋」の藤原正彦氏論文の酷評ブログに接して

2010-06-30 06:52:05 | ビジネス

城繁幸氏がブログ「Joe's Labe」のエントリー『痴呆化する保守』 で、藤原正彦氏(お茶の水女子大学名誉教授)が『文藝春秋』に寄稿した「一学究の救国論 日本国民に告ぐ」を酷評し、藤原正彦氏を”「断筆し、社会に発言は、老害に過ぎないから」と存在自体を社会悪と批判しています。
当方も、藤原正彦氏論文を読み、歴史観には違和感を感じましたが、「体質の劣化」の現社会の再生には、日本文化の持つ普遍的価値の回復は一考と思いましたね。

当方は、城繁幸氏(コンサルタント、著述家。株式会社ジョーズ・ラボ代表取締役)については、本ブログでも登場したが、未知なる人物であり、論評できないが、人事・労務分野で、現役で活動しているのはないかと推察します。

藤原正彦氏の『文藝春秋』に寄稿した「一学究の救国論 日本国民に告ぐ」については、当方は、本ブログらで引用し、先鋭的で違和感はありますが、”「日本の直面する諸課題は、戦後政治・教育の功罪と資本主義の歪で、日本文化が持つ普遍的価値が希薄になった」”という言及には一理あると思いましたね。

藤原正彦氏は、政治・経済の崩壊からはじまりモラル、教育、家族、社会の崩壊と、今、日本は全面的な崩壊に瀕しているのは、表層・局所症状でなく、全身症状の「体質の劣化」とし、部分解はなく、全体を貫く何か一つの原理が時代や状況にそぐわなくなったとし、この原理を変えることで、諸問題が一気に解決するとし、日本人・日本文化の再考を提起していました。
城繁幸氏が藤沢正彦氏の存在自体を社会悪との酷評するほどとは思いませんでしたね。

一方で、城繁幸氏は、『文藝春秋』(2010.07)のパナソニック大坪文雄社長の「わが打倒サムスンの秘策」については、「興味深い内容なので一読をおススメする。」と購読を奨励しています。
城繁幸氏は、ブログ「祝・新卒バブルの崩壊 」で、パナソニックの「自国企業がより優秀でグローバルな人材を採ります」と言ってくれているわけだから、とっても合理的な経営判断だと言わざるを得ない。」とパナソニックの人材確保策は妥当性ありと述べています。

城繁幸氏は、本ブログ「J-CAST:パナソニック採用の8割外国人 大学生就職深刻になる一方だ・・・企業も死活問題?」でも登場するが、大坪文雄社長の「わが打倒サムスンの秘策」は、製造業体質のパナソニックで、打倒韓国勢力には、生活密着(現地密着)指向、システム・ソリューションビジネス指向を掲げていますが、当方は、懐疑的です。

大坪文雄社長は、「価格競争より技術で勝つ」を述べていますが、当方は、パナソニックの強さは、技術力でなく、土着性と思っています。
パナソニック(松下電器産業)は、「二番手商売」「技術より販売」で、今日の基盤を築いてきましたが、「商売の神様」といわれた松下幸之助氏の「素直の心」理念がパナソニックの精神的バックボーンで、何回かの苦境を乗り越えてきました。
果たして、外国人社員に、パナソニックの強さである「土着性」「共存共栄」風土が身に染まるかどうかでしょうね。

当方が懐疑的と思うことは、パナソニックの土着性は、パナソニックの風土であり、生活密着指向は理解できるが、問題は、システム・ソリューションビジネス指向でしょうね。
完成品の製造業のパナソニックは、システムソリューション文化は希薄であり、リストラ後に、ソリューションビジネスをできる人材がいるのかどうか課題でしょうね。
また、製造メーカーには、自社技術に拘りを持ち、他社技術、特に、VB技術を排他する風土があり、パナソニックもしかりで、システムソリューションビジネス指向がパナソニックの弱点でしょうね。

財部誠一氏は日経BPサイトのコラム「パナソニックの「打倒サムスン」は実現可能か」で、「日本企業には韓国勢の背中がはるか彼方に霞んでいた。巻き返しは不可能だろう」とし、パナソニックが全社をあげて韓国勢からアジア市場を奪還しにかかることへの勝算があるのか懐疑的なコメントしていますね。

AV・家電分野は、経営革新で、韓国勢力に駆逐されている現下に、日本人であろうと外国人であろうと、洗練さは欠けるが、土着性(共存共栄)を発揮し、パナソニックに、韓国勢力に一矢を報いてもらいたいですね。

城繁幸氏は、藤原正彦氏を論文を「老害」と酷評していますが、当方には、パナソニックの土着性は、藤原正彦氏が言うところの「日本文化の普遍的価値」の要素と相通じる部分があると思いますね。
逆に、「日本文化の普遍的価値」の精神論の鼓舞でしか、韓国勢力に勝てないのも否定できない部分がありますね。
どちらにしても、城繁幸氏のいう「中国や韓国の若者たちに負けないように一生懸命努力する、ただこれだけだ。」は正解ですが???。

「参考」

① ブログ「中小企業診断士えんさんの視点!」様のエントリー「城繁幸氏の限界




2 コメント

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Unknown ( )
2011-11-05 21:53:36
あんま詳しくないが藤原は官僚や経済界をかなり批判してるから別に権力を迎合してるとは思えんが…
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「国柄」とは? (yukichi)
2011-08-10 00:12:04
「国柄」とは?

「国柄を大切に」という人がいる
「強大化」とともに、権力はその正当化と「国民だまし」をはじめる

氷河期、日本が大陸と地続きの時代、大型動物を追って、人びとがやってくる
指導者はいたが、支配者はいなかった

半島を含む大陸での権力の暴力から逃れて来た人々もやってくる ・・・
稲作・土器・青銅・鉄器・文字の技術も伝えられる

やがて「豪族」が「王」となり、「王」が「大王」となり「大王」が「天皇」となる ・・・
権力は、「神が降り立ち、その子孫が天皇である」と書かせた ・・・

最古の「歴史」書・「古事記」は、権力闘争の勝者「天皇家」合理化の書である
漢字が読めるようになったそのときから、権力は歴史をゆがめ、人びとをだます

支配者・戦力・高級官僚が権力の全体を形作る
権力は、人々を押さえつけ、人々をだまして、自分たちのメシを確保する ・・・

支配者は、権力・武器・情報・生産手段を独占し、利益社会を守りつづける
明治維新から1945年を経て、21世紀の現在まで、その本質は変わらない

御用学者は、その「国柄」を擁護して、メシをたべることを「恥」としない
まさに、彼は真の意味でその「国柄」を守っている

「権力による抑圧とだまし」を「恥」とする文化を作ろうではないか!
国民を支配し、だます社会を「国民が主人公の社会」とすることが大切である
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