傍観者の独り言

団塊世代で、民間企業で「チンタラ・グウタラ」に過ごした人間の手前勝手な気儘な戯言・放言。

日本再生には、挑戦する若者を応援することが賢策(1)

2013-06-02 11:28:48 | ビジネス

日本社会は、株高・円安に一喜一憂し、金利高に将来不安を懸念しており、安倍政権の日本再生への「3本の矢」を全面否定しないが、過去の常識(固定観念)に拘らない挑戦者を見守ることが再生への契機になるのでしょうね。

「JBpress」の6月1日の「週末版」に、川嶋 諭氏のコラム『日本の若者たちがフィリピンを愛するわけ電動バイク、テラモーターズの挑戦』で、電動バイクの新興VB「テラモーターズ」へ大手総合商社の内定を袖にし飛び込んだ慶大卒の24歳の関鉄平氏を取り上げでいます。

当方は、この川嶋 諭氏のコラムを一読し、関鉄平氏がテラモーターズに入社した動機・決断の背景は推察できました。
テラモーターズについて、当方が知ったのは、昨年10月28日放送したNHKスペシャル『メイド・イン・ジャパン 逆襲のシナリオ 第2回 復活への新戦略』で、電動バイク分野でのベンチャー企業として紹介されており、挑戦的、革新的なベンチャーで着眼と営業センスが良いと記憶にありました。

「JBpress」の川嶋 諭氏のコラムでは、フィリピン全体の市場開拓を担う関鉄平氏に、電動バイク分野について、

”『「電動バイクは既に中国メーカーが大量に製造販売しています。その数は年間で3000万台とも言われています。しかし、安かろう悪かろうでアフターサービスなんてまるで考えていない」

 「二輪車需要が非常に多いベトナムにも一時は大量に輸出しました。しかし、壊れても部品がない、交換用の電池も手に入らないで、結局、すぐに売れなくなってしまいました」
・・・・・・
「二輪車で圧倒的に高い設計技術、製造技術を持つ日本生まれだからこそ、本物の電動バイクが生まれる必然性があるのです。私たちが狙っているのは、品質が非常に高く、1回の充電で100キロは走れるバイクです
」』

と語り、日本の二輪車メーカーが電動バイク市場に本格参入については、

”「難しいと思います。何しろ、既に大きな市場を持っていて、電動バイクに本格的に参入するとしたら、その市場を自分自身で破壊しなければなりませんから」”

と、実績・技術力のある二輪車メーカーが電動バイク市場は自己否定となると語っている内容を紹介し、川嶋 諭氏は、

”『同社(テラモーターズ)はフィリピンに製造拠点を作る考えで、工場の場所選びからフィリピン政府との交渉などほとんどすべてを今年24歳の関さんに任せている。関さんにとっては毎日の生活がすべて自分の血となり肉となる。

 成熟して変化を嫌うようになった社会では、若い人のチャレンジ心とエネルギーを吸収できる場がどんどん少なくなっている。それがさらに組織の老化を加速させる。日本や欧州が陥ってしまっている悪循環だ
。』

と、親日的な東南アジアの各国に、日本の若い人たちにとって格好のチャレンジの場となっていることは、日本の未来にとって極めて有難いと結んでいます。

当方は、関鉄平氏については若いさの良さの印象を持ちましたが、挑戦的な関鉄平氏が魅力を感じた「テラモーターズ社 徳重徹社長」に関心がありました。
前述のNHKスペシャルで、徳重徹社長については、損保会社に退職後、MBAを取得し、アメリカンドリームに刺激を受け、アジアの大気汚染の解決に電動バイクの事業化を取り組みを紹介していました。

番組では、徳重徹社長はフィリピン政府とアジア開発銀行が電動三輪バイクを10万台導入のフィリピン電動三輪バイクプロジェクトをターゲットにアジアネットワークを活用した魅力的な電動バイク開発する生産体制の確立を構想し、
・設計・試作は、日本で元トヨタ自動車のデザイナーだった企業に依頼
・組み立ては、現地のフィリピンで日本車組み立て経験のある企業に委託
 品質確保に、元スズキ自動車で海外工場の立ち上げ経験あるのベテラン技術者を採用
・取引先への信用は、福武総一郎ベネッセホールディング会長 、元ソニー会長の出井伸之クオンタムリーブ代表に出資を要請
・部品調達は、日本、韓国、中国をターゲットし、特に、台湾メーカーとの連携を重視し、台湾の工業技術研究院に接触
らを紹介し、電動バイクの心臓部となる電池の調達に日本メーカーと韓国サムソングループとの交渉過程で、日本大手メーカーはリスクがあり冷却期間をおいて結論先延ばしに対し、サムソンは、まずは先行の1000台のPO(注文書)があればグループを動かせる(プロジェクト化)との受注交渉を紹介していました。

当方が番組で印象的であったのは、徳重徹社長の着眼力営業力でした。
番組では、徳重徹社長の活動紹介の冒頭部は、政財界と太いパイプをもつフィリピンのコファンコ財閥との連携場面からで、当方は徳重徹社長の営業力に注目しました。
クリーンテクノロジーの電動バイクを着眼し、台湾の工業技術研究院に接触や著名な経営者に出資要請する営業力が印象的でした。

本ブログ「NHKスペ「メイド・イン・ジャパン 逆襲のシナリオⅡ」・・・営業力が決め手(雑感)」で、

”「NHKスペシャルが提起した「政府主導の市場を創る」「研究成果を市場に出せ」「規制緩和」「中小企業の海外進出支援」らは、従来から現場担当レベルは問題意識を持っていたが前例主義、信用不安、既得権、販売見込みらで実現できなかったのです。
よって、社内の研究成果を市場に問うことも、顧客ニーズを掌握することも、社外VBの技術をウオッチするのも、顧客の要件仕様を社内外の技術で具現化するのも営業力であり、日本再建には営業力が鍵になるでしょうね
。」”

と、事業化であろうが再建であろうが営業力が決め手と書きました。

当方は、製造メーカーで新規事業開発に従事し、社内外で新規事業化(起業)は、3角形を転がす事と同じと痛感しましたね。
社内外から新事業の芽を探し、起業目論見書を作成し、社内プレゼンをし事業化の可否になります。
事業化とは難題の障害物あるステージで3角形を転がすことに同じで、転がす度に三角形は大きくなり、初回は何とか転がしことができても、2回目、3回目には大きくなった三角形は動くが力尽き転がせず挫折するのが世の常です。
新規事業化(起業)には、モノになるかの先見性、大きく成長するかの将来性・発展性、リスクをどう回避できるかの戦略性、事業成就までもつかの資金調達など総合力が問われ、要は着眼は良くても資金調達で挫折すること往々にあります。

当方も10年前の現役時代に、市中VBの急速充電技術を精査したことがあり、ツテで台湾における電動バイク市場を調査し、来日中の工業技術研究院のメンバーに意見を聞いたことがあります。
日本はアシスト自転車が普及していたが台湾らの東南アジアは電動バイクが普及時期であり、電動バイクは一大市場になると思い、電池能力の次は急速充電技術の優劣と思い、社内に技術・事業評価を要請したがNHK番組と同様に社内には、リスクがあり、外部技術に抵抗感があり様子見が無難となり精査を中止したことがありました。

NHK番組では、英知を集めるプロデューサーとして徳重徹社長を紹介していましたが、当方は徳重徹社長の着眼・営業力と行動力の凄さと思いましたね。
NHK番組を視聴後、徳重徹社長をネットで調べ、起業の魅力と現実を伝えることをコンセプトにした、起業家インタビューサイトReLife(リライフ)で徳重徹社長のインタビュー記事に接して徳重徹社長の人物像を知り、徳重社長の戦略的思考(ロジック)と起業家精神(パッション)を持ち合わせること大事という考えに共感でき、事業が成就できればと思いましたね。

また、日本再建は、やはり、人材育成と思いましたね。
本ブログ「TBS「夢の扉」:日本の底力を再認識・・・日本再生は、やはり「人」」(2010-10-26)で、

”「当方は、日本の将来不安を痛感しているが、ただ、経済成長ありき論調には疑問をもっており、本ブログで、再三、当方の「国家の計」を、

”「国民が安心・安全で暮らせる社会は、まずは、第一次産業が国の基幹と思っております。温暖化で環境破壊が進行しても、石油が枯渇するエネルギー問題が深刻化しても、食糧危機が最悪の事態になろうとも、自給自足で最低の生活ができることことが第一で、第二は、社会保障制度の充実での安心さで、その上での自由競争社会という国造りが必要で、人材育成が肝要と思っております。」”

と書き、日本の再生には現下の社会の「破壊と創造」が不可欠であり、「人材育成」が肝要と思っています
。」”

とし、ミドリムシに取り組む(株)ユーグレナの出雲充社長を取り上げ、本ブログ「日本の再生は、異才の人物に賭けるしかない(雑感)」(2010-09-21)で、
”『海外での遊学の体験をしており、固定観念がなく、挑戦的であり、革新的の人間に国家の再建を委ねたいですね。』”
と、海外での遊学の体験が挑戦的な人材を育むと書きました。

徳重徹社長、関鉄平氏も海外での遊学体験があり、ミドリムシの出雲充社長も遊学体験者であり、川嶋 諭氏の「若さ」は、怖いもの知らずの一途さが特権とあると書いており、若い人には井戸の中の蛙にならないためにも海外遊学を推奨しますね。

それに、起業での難題は資金調達であり、NHK番組で、元ソニー会長の出井伸之クオンタムリーブ代表が、

”「信用を小さな企業に供与してあげれば、その企業は育つじゃないですか?
それは日本の大企業がそれをもっとやって欲しいのですよ
。」”

と語っていたが、日本の大企業は自前主義を拘らず外部企業との連携の自由度が必要でしょうね。
挑戦的な起業者が信用供与を得るのも、やはり、営業力でしょね。



コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。