傍観者の独り言

団塊世代で、民間企業で「チンタラ・グウタラ」に過ごした人間の手前勝手な気儘な戯言・放言。

NHKスペシャル「追跡!世界キティ旋風のナゾ」・・・知価社会!?(雑感)

2012-05-16 05:23:00 | ビジネス

5月12日、NHKスペシャル『追跡!世界キティ旋風のナゾ』を視聴し、サンリオのキャラクター・ブランド「ハローキティ」のグローバル展開の成功の要因に、感性の拘りと柔軟性と思いましたね。
感性だけではビジネスは限界になるが、先進的なビジネス感覚の感受性が生成発展への進化と思い、堺屋太一氏が提言してた「知価革命」ではないかと思いましたね。

NHKスペシャル『追跡!世界キティ旋風のナゾ』(再放送:5月19日(土)午前1時30分~午前2時43分)の番組案内は、

”「製造業に替わる『新・ニッポンブランド』として期待される日本のコンテンツビジネス。しかし、ゲームやファッションなど「文化」は注目されても「商売」には結びつかず、コンテンツ産業の海外輸出額は、国内市場の5%にとどまっている。
そんな中で、世界を相手に躍進を続けているのが、キャラクター・ブランド「ハローキティ」。
社会主義国家やイスラム国家、軍事政権下の国まで含め、創業からわずか一代で進出した国と地域は「109」。ライセンスによるビジネスで、営業利益150億円を稼ぎ出している。その成功の秘けつは、戦後日本の消費行動が生んだキャラクターならではの「自由さ」を売りにしたことだった。
さまざまな世界の「壁」に苦しみながら、挑戦を続ける日本コンテンツ産業。「ハローキティ」をはじめ、さまざまな企業の苦闘の様子を追い、『新・ニッポンブランド』が世界で生き残っていくために必要なモノは何かを探っていく
。」”

と紹介しております。

番組は、世界中にキャラクター・ブランド「ハローキティ」のライセンス・アイテムを紹介し、4年前 サンリオは、当時34歳の外部登用者の意見を採用し、ハローキティの物販からライセンス・ビジネスに経営方針を転換し、4年前、2007年は、売上高 966億 2011年は、766億で売上高が減額に関わらず、営業利益は、2007年 62億で、2011年 149億に増額で、営業利益の内訳は、国内は赤字15億で、海外ビジネスで稼いでいることを紹介。

海外ビジネスは、外部登用者を責任者とし、イタリアのミラノにミラノ・オフイスを開設し、19名の現地採用し、物販からキャラクター・ブランド「ハローキティ」のライセンス・ビジネスに経営転換し、世界中に、現地ニーズに順応したキャラクター・ブランド「ハローキティ」の商品化が加速する。

この物販からライセンスビジネスへの転換や、現地順応で成功事例は、特別に珍しくありませんが、当方が興味をもったのは、キャラクター・ブランド「ハローキティ」の価値を堅持しながらビジネスを進化させてきた柔軟性です。
ライセンス・ビジネスは知財管理の問題で、法務部門の守備範囲で、キャラクター・ブランド「ハローキティ」を顧客志向で商品を進化させる柔軟性に関心がありました。

番組では、何故、ハローキティが世界中で愛されるかと商品力を取り上げて、ハローキティには、
(1) ピンクだから可愛い
(2) 何でもあう適応力

の要因があると紹介し、それを創出してきたハローキティ3代目の山口裕子デザイン室長の苦闘を紹介しています。

34年間、ハローキティのデザインを担ってきた山口裕子デザイン室長は、新人時代は、評判の良くないキャラクターのハローキティを担当し、現場や顧客の意見を聞き、女子高校生は、ピンク色が好む指向を掴み、「大人ぽい、ピンク・キルト小物シリーズ」を社内の慎重な意見に屈せず商品化し新たな顧客層を開発し、大幅販売増に貢献。

また、先輩からハローキティの顔は変えてはいけないという伝統的な不文律に、輪郭(太枠の線)を消す顔のデザインを変えることに挑戦し、そのことでキャラクターのハローキティの自由度が増し、何でも合う商品開発の契機になったことです。
山口裕子デザイン室長の信念と感性がハローキティを進化させたことです。

番組では、ミラノ・オフイスがロックバンド「KISS」と提携に、「KISS」の特徴の「長い舌」をハローキティに貼り付けるかどうかデザイナーの苦悶を紹介していました。
当方も、ハローキティには、口は書かない不文律があることが知っていましたが、イタリアの女性デザイナーは、苦悩の末、首覚悟で、「長い舌」を貼り付けたハローキティのデザインを山口裕子デザイン室長に許可願を提出し、山口裕子デザイン室長は、「長い舌」を貼り付けたハローキティのデザインを、口を書いていない「長い舌」を貼り付けただけと容認した場面を紹介していました。
山口裕子デザイン室長の柔軟性がハローキティを進化させてきたと思いましたね。

番組では、日本のアニメが海外輸出に不適合や、日本流で成功事例、日本流と現地順応での成功事例をも紹介していましたが、諸々を触発される内容でした。
団塊世代の当方は、重厚長大から軽薄短小への変容を体験し、これからは堺屋太一氏が提言してた知価革命・知価社会に触発されましたが、正直、知価社会の実感はありませんでしたが、番組を視聴し、サンリオのキャラクター・ブランド「ハローキティ」のライセンス・ビジネスを垣間見し、これが知価革命かなと思いましたね。

サンリオの成功は、物販からライセンス・ビジネスへの転換は、知財ビジネスであり「知性」による「知価」であるが、現場の「感性」があって「知価」と思いましたね。
現場力を活かすには、「知性」であり、経営者は、過去を絶対視せずに、常に変化を求めることが肝要と思いましたね。

世の中、感性を重視する傾向があるが、独りよがりの側面もあり、感性だけのビジネスは限界であり、クールな知性が付加しビジネスは成功すると思うが、感性と知性の融合一体化ほど口で言うほど易しくなく、それを仕切れる人間力のある人間は皆無であり、日本のコンテンツビジネスが不調な根源なのでしょうね。



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