傍観者の独り言

団塊世代で、民間企業で「チンタラ・グウタラ」に過ごした人間の手前勝手な気儘な戯言・放言。

NHKスペ「メイド・イン・ジャパン 逆襲のシナリオⅡ」・・・営業力が決め手(雑感)

2013-05-14 07:59:30 | ビジネス

11日、12日放送のNHKスペシャル「メイド・イン・ジャパン 逆襲のシナリオⅡ」(第1回 ニッポンの会社をこう変えろ第2回 新成長戦略 国家の攻防)は触発される内容で、要は、従来から言われていた技術(シーズ)、市場(ニーズ)に即応できるかどうかで、当方には営業力が鍵を握っていると思っています。
安倍政府は、アベノミクスのショック療法は時の運もあり円安・株高の時勢になっており、一方、負け戦をした民主党は自省もなく幼稚で高慢は不治の体質で失望の極めであり、アベノミクスの良くも悪くも功罪相半ばで日本社会が変容するのも事実でしょうね。

NHKでは、昨年10月27日、28日にNHKスペシャル【メイド・イン・ジャパン 逆襲のシナリオ】(第1回 岐路に立つ"日の丸家電”復活への新戦略)で、今年1月に、ドラマ「メイドインジャパン」で、今年5月11日、12日に、NHKスペシャル【メイド・イン・ジャパン 逆襲のシナリオⅡ】(第1回 ニッポンの会社をこう変えろ第2回 新成長戦略 国家の攻防)で、日本の製造業の再生を取り上げており、現役引退の当方には触発される内容でした。

昨年放送されたNHKスペシャル【メイド・イン・ジャパン 逆襲のシナリオ】、NHKドラマ「メイドインジャパン」については、本ブログ「湯之上 隆氏の「技術流出は防止できるか?」を読んで(雑感)」で、技術流出の側面で日本家電メーカーの大企業病を取り上げました。

この度のNHKスペシャル「メイド・イン・ジャパン 逆襲のシナリオⅡ」(第1回 ニッポンの会社をこう変えろ第2回 新成長戦略 国家の攻防)の【第1回 ニッポンの会社をこう変えろ】では、製造現場の組織の見直しで、マツダが組織の壁を崩し開発と製造の一括企画によるディーゼルエンジン搭載の多目的スポーツ車(CX-5)の創出、パナソニックが分業体制から組織を小さくする事業部制復活の契機になったパソコンの成功事例、京セラの全社員経営者意識のアメーバ経営を導入した模型の関水金属の活性事例を取り上げ、中堅中小企業の連合による「京都試作ネット」の設計段階から大企業に参画事例、ドーム型野菜工場のVB企業「グランバ」が基軸で大企業を連合事例、不動産企業の三菱地所がVB集合施設を用意しVBの起業事業化支援の事例をも取り上げ、製造現場の変容を紹介していました。

第2回 新成長戦略 国家の攻防】では、製造業への国策について、冒頭場面は政府の成長戦略の立案現場を紹介し、各国の国家の産業強化の攻防内容の提起でした。
冒頭は、3Dプリンターで、アメリカが3Dプリンターで製造業の復活の契機となるとし、ドイツは5年前に官民研究機関DMRCを創設し、日本は金型産業が強く3Dプリンターの取り組みが遅れている中で、3Dプリンターを実用化している電子部品メーカー(鋳物)を紹介し、日本は3Dプリンターの活用および3Dプリンター本体開発の支援策が急務と紹介していました。
また、中国が3D技術開発センターを各地に設置、南アフリカは宇宙産業向けにチタンの3Dプリンター開発を紹介し、国策の政策競争に突入していると。
番組では、日本の半導体産業が日米貿易摩擦で凋落し韓国(サムソン)、台湾勢力の躍進の背景に、官民ファンドで自動車向け半導体のルネサスエレクトロニクスへの再建を思惑を紹介。

日本の再建に、「市場を作る」「研究成果を市場に出せ」とし、「市場を作れ」では、介護支援ロボットが安全基準がなく販売できない実情は、技術進化のスピードに 法律・制度が進化のスピードに追いつかず打破には規制緩和より制度創造を、IPS細胞の研究機器が海外製品で占められている現状には規制緩和を提起。
「研究成果を市場に出せ」では、台湾の工業技術研究院(ITRI)の研究・技術発展・製品開発・事業化へ資金・経営支援をするスキームが必要と提起していました。
日本市場の縮小化に対しては、国際協力機構(JICA)が途上国に国内中小企業の製品を紹介している事例を、カンボジアへの精米機売り込み支援とし、日本は課題先進国で、都市問題(衛生 交通 エネルギー 農業 安全)を体験しており、オールジャパンの官民プラットフォームでODAのパイプを活用し、アジアの発展途上国に売り込みを提起していました。

番組の主旨は、先手必勝であり、最後は、宇宙航空研究開発機構(JAXA)と協力企業が3Dプリンターによる一体成型の部品についての打ち合わせ場面でした。

当方は、番組内容には触発されましたが、究極は営業力と思いましたね。
番組で取り上げた3Dプリンターについては、本ブログ「3Dプリンター技術も成長戦略の中核に!(雑感)」(2013-04-20)で取り上げ、
”「世の中の生成発展には、産業の新陳代謝があり、技術のブレークスルーが不可欠な要素であり、3Dプリンターは産業構造を変革させる要因を秘めていると思っています。」”
と書きました。
番組では、政府は、3Dプリンター本体の開発支援の必要性をも紹介していましたが、国内の3Dプリンターメーカーは撤退し、唯一、個人で安価な3Dプリンターの製造販売している程度であり、3Dプリンターの活用も不可避ですが本体開発は急務ですね。

番組で、パナソニックが事業部制復活を取り上げていましたが、本ブログ「パナソニックの活路・・・事業部制復活も良いが特機営業強化も(雑感)」(2013-02-23)で、
”「苦境に陥っているパナソニックが製品の開発から販売まで責任を負う事業部制を復活させるとの報道に接したが、パナソニックの強みは伝統的に販売力であり、開発営業の強化が活路と思いますね。」”
とし、
”「そういう(事業部弊害)の環境下で新規顧客を獲得してゆくには、現場営業が事業部を説得できるだけの資質(将来動向)を持つことが不可欠なので、リストラ、スリム化した現下に人材が手薄になっているのではないかと危惧しますね。」”
と、地域責任・顧客(商談)開発の責務の地域現場の営業が製品責任を負う事業部を説得できる人材が不安要素と書きました。

NHK番組では、パナソニックの事業部復活の起因の一つに、モバイルパソコン(レッツノート)の業務用特化仕様の製品を紹介していました。
また、「週刊ダイヤモンド」(5/18号)の特集記事『パナソニック 最後の掻け』では、航空機向けアビオニクス事業部を紹介しています。
レッツノートの業務用モバイルパソコン、堅牢なモバイルパソコン(タフブック)は後発パソコン事業の起死回生に業務用に特化し、アビオニクス事業部の製品は死活に直面したラジオ事業部の営業現場からの顧客仕様対応で創出された製品であり、どちらも事業部も消滅の運命に現場営業が新規商談を発掘し全力で製品化した経緯があり、営業力の賜物と聞いています。

パナソニックがBtoBで成長してきたが、BtoBの原動力は技術(シーズ)ではなく顧客(ニーズ)対応であり、プロダクトアウトからマーケットインですね。
本ブログ「パナソニックの活路?(3)(雑感)」(2012-11-05)で、パナソニックには特機営業の歴史があり、何でもありの特機営業部門の機能強化が早道とし、
”「パナソニックの活路には、生活サービスのビジネス化と外部企業をビジネスパートナーとし新規市場開発の営業の拡充ではないかと思いますね。
マアー、大坪前社長は、経営革新後もTVをコア事業に位置づけする表明は、売上確保の事情は理解できるが変身できず、パナソニックの再生は津賀一宏・新社長の手腕にかかっていますね。
ただ、懸念は特機営業ができる人材がリストラで手薄になっていることです
。」”
と書きました。

パナソニックの事業部復活は、地域責任の営業部門と事業責任の事業部営業との一心同体の組織体制であれば効用は想像できるが、事業部の枠をこえたパナソニック経営資源をもって新規商談開発する特機営業体質をも不可欠でしょうね。
要は、事業部の限界を打破する特機営業気質が事業化のネタ(種)を見つける責務があるのです。

NHKスペシャルが提起した「政府主導の市場を創る」「研究成果を市場に出せ」「規制緩和」「中小企業の海外進出支援」らは、従来から現場担当レベルは問題意識を持っていたが前例主義、信用不安、既得権、販売見込みらで実現できなかったのです。
よって、社内の研究成果を市場に問うことも、顧客ニーズを掌握することも、社外VBの技術をウオッチするのも、顧客の要件仕様を社内外の技術で具現化するのも営業力であり、日本再建には営業力が鍵になるでしょうね。

異次元のアベノミクスは功罪半ばで、本来なら野党第一党の民主党が建設的批判勢力になるべきであるが、民主党の公開大反省会の菅直人元総理の自己弁明・責任転嫁の発言や、敗戦の主犯の野田佳彦前総理はプロレスラー小橋建太引退記念試合に笑顔で出席しており、民主党に失望されるだけですね。



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