傍観者の独り言

団塊世代で、民間企業で「チンタラ・グウタラ」に過ごした人間の手前勝手な気儘な戯言・放言。

週刊ダイヤモンド:老人ホーム VS サービス付き高齢者住宅・・・認知症の高齢者?

2013-04-24 08:59:25 | 社会

「週刊ダイヤモンド」(4/27・5/4合併特大合)の特集記事『親子で選ぶ「老後の住まい」 老人ホーム VS サービス付き高齢者住宅』を、ダイヤモンド・オンラインが「有料老人ホームの対抗馬で急増するサービス付き高齢者住宅を大解剖! 本邦初で全国1218物件をランキング」で、有料老人ホームとサービス付き高齢者住宅(サ高住)を特徴・費用らを比較検討し、全国のサービス付き高齢者住宅をコメントしランキングの特集記事を紹介しています。
当方は、病院で延命治療中の老母を自宅で看取りを検討した経緯があり、自分の老後に関心を持つようになり週刊ダイヤモンドを購読し、健常者にはサービス付き高齢者住宅(サ高住)も良いが、認知症の高齢者には厳しいと思っています。

ダイヤモンド・オンラインの記事『有料老人ホームの対抗馬で急増するサービス付き高齢者住宅を大解剖! 本邦初で全国1218物件をランキング』は、本誌の特集記事の「プロローグ」の「高齢者住宅市場に”新顔”登場」の大部分を引用し、後半部のみ特集記事全般を解説しており、老後の住まいを考察するのに参考になりますが、高齢者の将来不安の一つである「認知症」に関する記述は少ないのが残念ですね。

本記事のプロローグの冒頭に、「あなたや家族に向いている住まい・介護は??」の問いから、フローチャートで該当する住まいと介護について選択ごとに記事(ページ)になっています。
フローチャートのスタートは、”あなたや家族に向いている住まい・介護は?”の問いに
[1] 介護が必要になった
[2] 今は元気だが、将来が不安
でフローは分かれます。

[1] 介護が必要になった(介護保険を申請)・・・を選択すると、
[1]-1 自宅での介護が可能⇒YES 
      【在宅サービス】
        ・小規模多機能居宅介護
        ・複合型サービス
        ・通所介護(ディサービス)
        ・通所リハビリテーション(ディケア)
        ・短期入所生活介護(ショートスティ)
        ・短期入所療養介護(医療型ショートスティ)
        ・訪問介護
        ・訪問看護 
        ・訪問入浴介護
        ・・・・・・・・・・・・
        ・・・・・・・・・・・・         
[1]ー2 自宅での介護が可能⇒NO
      【比較的低価格ば施設】
        ・サービス付き高齢者向け住宅 
        ・グループホーム(認知症対応型共同生活介護)
        ・ケアハウス(軽費老人ホーム)
        ・介護老人福祉施設(特別擁護老人ホーム)
        ・介護老人保健施設(老健):長期入居NG
        ・介護療養型医療施設(療養病床):2017年廃止
      *介護付き有料老人ホーム
      *在宅型有料老人ホーム

[2] 今は元気だが、将来が不安(住み替え)・・・を選択すると、
      【比較的低価格ば施設】
        ・サービス付き高齢者向け住宅 
        ・ケアハウス(軽費老人ホーム)
        ・公営高齢者向け賃貸住宅(シルバーハウジング)
      *介護付き有料老人ホーム
      *住宅型有料老人ホーム
      *健康型有料老人ホーム
      *シニア向けマンション

と大別し、各々解説しています。

要は、介護療養型医療施設(療養病床)の社会的入院の削減による高齢者医療難民の受け皿として、公共型の介護老人福祉施設(特別擁護老人ホーム)の不足を、従来の民間型の介護付き有料老人ホームでは経済的に庶民は受容できず、苦肉の策として2011年の法改正で従来の高齢者向けの賃貸住宅を入居金が安価な「賃貸借契約のサービス付き高齢者向け住宅」(サ高住)の登録制度が創設され、補助金や税制で優遇を受けられため急増し、2013年2月には10万戸(登録ベース)で突破したのです。
元を辿れば、介護療養型医療施設(療養病床)の社会的入院の削減、医療費の削減が出発点で、富裕層向けの介護付き有料老人ホームに対し庶民向けの「サービス付き高齢者向け住宅」(サ高住)が登場したということですね。

当方は、5年前、認知症の老母が通所介護(ディサービス)のお世話になることで、初めて、介護保険制度の仕組みを知り、老母の終末期をどうするかで高齢者の終末が関心事になり、老母の終末医療に直面し、老母の話だけでなく、我が身の話と思った次第です。

本ブログ「高齢者の終末・・・長生きは社会のお荷物?(NO 1)」(2013-02-12)で、

”「本ブログ「「高齢者医療難民」の著者に聞く・・・・内容に身震いします。」(2009-04-03)で、高齢者医療は、”「結局は経済的な”金”次第の問題になり、貯えの無い当方は、身震いしました。」”と書き、本ブログ「医療・介護難民の戦犯は?」(2009-04-03)で、元財務省課長補佐で、医療制度改革に携わった村上正泰氏が「文藝春秋」へ寄稿した「医療費削減の戦犯はだれだ」をとりあげ、「財政の健全化」を「錦の御旗」にした医療療養病床の削減、介護療養病床の全廃の施策は、医療難民が生まれる反対意見を紹介し、”「医療・介護を受けられる施設の絶対的不足のままで、家族に遠慮気味に生きている高齢者の「長生きはするもんではない」という「ため息」が蔓延しているのが日本の社会の問題ですね。」”と書きました。」”

と、「老いては子に従う」では子供に負担を掛けることにもなり、年とっての「姥捨て山」に行くのも嫌だし、自ら治癒力が無くなったと覚悟したら、寿命と悟り、「ピンピンコロリ」願望するようになりましたね。

「ピンピンコロリ」願望を意識するようになった要因には、「認知症」がありますね。
ダイヤモンドの記事は、健常な状態で、高齢・老衰になった場合での介護・医療・看護の問題を踏まえた「老人ホーム VS サービス付き高齢者住宅」の比較記事で、認知症については、
”「軽度の認知症の人には、グループホームという専用施設がある。認知症の人が共同生活をする施設だが、入居費用は介護付き有料老人ホームより安いことが多い。最近、数も増えているので、あくまでも認知症の介護が目的であるならば、検討してみてもよいだろう。」”
と記述されているが、介護老人福祉施設(特別擁護老人ホーム)では入居可能とあるが認知症の入居者への現場負担大きく、現実は認知症は「ご遠慮いただく」であり、在宅介護では家族の犠牲的負担になり、グループホームに入所できるのは幸運でしょうね。

本ブログ「高齢者の終末・・・長生きは社会のお荷物?(NO 2)」(2013-02-12)で、

”「2012年11月22日(クローズアップ現代)放送の『”帰れない”認知症高齢者 急増する精神科入院』の番組紹介は、

”「介護が必要な認知症の高齢者が300万人を超える中、精神科病院への入院が急増している。その数は全国で5万2000人、12年前の2倍近くになっている。暴力や暴言、妄想などの症状が悪化し、家族や介護施設のスタッフが対応し切れなくなった上での選択だが、症状が改善した後も、家族や施設側が受け入れることができず、入院が長期化、社会的入院が広がっているのだ。
さらに、刺激のない入院生活が長く続く中で、認知機能や身体機能が低下するなど、様々な問題が起きている。こうした中、精神科病院が早い段階から本人と家族を支援することで、入院そのものを減らそうという模索が始まっている。増え続ける認知症高齢者をどう支えるのか考える。」”

で、全文テキストで、認知症高齢者の暴力・暴言・徘徊・妄想のBPSD(行動・心理症状)が悪化し精神科入院が急増現場を紹介し、症状の改善後も家族・施設が受け入れが難航し長期社会的入院が増加している現実を取り上げていました。
」”

で、認知症高齢者は精神科入院が急増し、病院も対応に消化不良気味と報道していました。

2013年3月 1日のNHK「特報首都圏の『「漂流 認知症高齢者~ある精神科病院の4か月」~』の番組紹介を転載すると、

”「自宅でも介護施設でも暮らせず、精神科病院に入院する高齢者が相次いでいる。
高齢者3000万人時代-増え続ける認知症が大きな要因だ。
番組では、東京都内のある精神科病院で、4ヵ月にわたる密着取材を許された。
病院には常に、入院させてほしいという申し込みが殺到していた。
がん手術で入院した後、どこも行く所がなくなった…
独り暮らしができず、住み慣れた我が家ではもう暮らせない…
弟夫婦が奔走したが、介護施設がまったく見つからない… 
行き場所のない認知症高齢者の“最後の砦”のように受け入れ先となる精神科病院。
いったん入院すると長期化し、終の住処となる人も。
認知症高齢者は、いま、どんな状況におかれているのか。
精神科病院の密着取材から、課題を見つめていく
。」”

で、重度の認知症高齢者は、介護施設では受け入れは事実上困難で、精神科病院にお願いするしかない現実を報道していました。

世の中、アベノミクスを好感しているが、医療・介護難民に看取り難民を生んだ起因は、小泉改革以降による「歳出削減」の圧力による社会保障費削減であり、自民党主導の政治が元凶なのです。
安倍首相は、「成長戦略スピーチ」で、「健康長寿社会」に向けた成長戦略を発表しましたが、成長戦略の前に、高齢者の看取りぐらいは安心させろと言いたいですね。

世の中、アベノミクスでデフレ脱却できると高揚しておりますが、金融緩和、財政出動できるのは「社会保障と税の一体改革」で社会保障への恒常的安定財源の確保の名目で消費税増税を決定したことで、社会保障の改革はどうなっているのでしょうね。
高齢者の将来不安の貯えを吐き出させ、マスメディアは安倍政権の「日本を取り戻す」を呼応する報道には違和感を覚えますね。

マアー、当方は、「ピンピンコロリ」願望であり、自らの治癒力が無くなれば寿命と悟る「イイカッコシー」ですが、認知症を患えば、自意識なく、社会の「お荷物」なるのでないかと不安になる昨今です。



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