古墳:探訪

全国の前方後円墳を中心に訊ね歩いています。

奈良県御所市・掖上鑵子塚古墳

2015-09-12 08:03:32 | Weblog
奈良県御所市柏原鑵子山903の丘陵上にあります。
御所市東部の国見山から北に延びている丘陵の谷間です。
丘陵の端部を切断して造られています。
「わきがみかんすづか」と読みます。

全長149m、 後円部径102m・高さ17.5m、 前方部幅88m・高さ12m 前方部二段・後円部三段構築の前方後円墳です。
後円部の径に対し前方部の長さが約2分の1しかなく、前方後円墳と帆立貝式古墳の中間に位置する古墳です。
南葛城地域では「室宮山古墳・・・2011.3.19紹介済」に次ぐ大きさです。
全国でも71番目の大きさを誇る巨大古墳です。
前方部を南西方向に向けています。


                        (後円部)






                        (くびれ部)


                        (前方部)

墳丘の周りには幅15~30mの馬蹄形をした周濠があります。
ただ前方部南側に円墳(陪塚?)があるため、そのところはやや広くゆがんでいます。



周濠の外側には外堤があります。
墳丘には葺石が施されていたようです。
円筒埴輪や鰭付円筒埴輪、朝顔形埴輪、盾形埴輪、草摺形埴輪、水鳥形埴輪・家形埴輪 などが採取されていて、墳丘に埴輪の配列がなされていました。

後円部にある埋葬施設は未調査につき不明ですが、古い時代に盗掘を受けていたようです。
江戸時代の文献には長持型石棺の存在が記されているそうです。
墳頂部に板石が散乱していることから竪穴式石室の可能性があるそうです。
金銅製透彫帯金具、小型心葉形垂飾、鉄地金銅張挂甲小札、鉄鏃、琴柱形石製品 などが出土しています。
なお前方部にも埋葬施設があるようです。

古墳時代中期・5世紀中頃の築造と推定されています。

国の史跡に指定されています。

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