虫干し映画MEMO

映画と本の備忘録みたいなものです
映画も本もクラシックが多いです

正しい保健体育 (みうらじゅん著/理論社)

2005年01月14日 | 
 理論者のヤングアダルト向け新書「よりみちパン!セ」の一月新刊。

「もともと男子は、金玉に支配されるようにできています。」
「本当は「やりてーぜ」「入れてーぜ」の二大テーゼがあれば人間の男は事足りるはずですが、そういう「本当のこと」だけを言わないために、義務教育を受けるものなのです」(8ページ)
とまあ、刺激的というか、ある意味期待通りの書き出しですが、内容は真面目に性と生を語るものです。人間の本業はエロなことを考えることであって、義務教育のみならず、それ以外のすべての知識は、社会生活がそれだけでは事足りない人間に金玉支配からの脱出を意味するものだ…本当ですね。

 書き方は結構おちゃらかしな感じはするけれど、妄想の飼いならし方、自分の自分自身での育て方、大切な人を持つ意味、親がしなくてはならないこと(子どもに限界設定くらいできなくては駄目だな)まで、まっとうにすがすがしいほどストレートに語るものでした。絵や図のセンスも効果も抜群。

私がはまったのはこれ。
「女子だけが体育館に集められて映画を見ていました。あれは一体何を見ていたのでしょう?」
「だいたいゴダールの映画ですね。ジャン・リュック・ゴダールか、ミケランジェロ・アントニオーニがほとんどです。だから女子は映画を見た後「子供だましよね」「なんか都合いい話」という言い方をし、「男ってこんな子供だましなのが好きなのね」と呆れているのです。」(83ページより要約)
 ぎゃははは。
 私、学校休むことが多くて家でイーストウッドとかフェリー二、アルドリッチ見てました。そうか、ゴダールだったのか。

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