虫干し映画MEMO

映画と本の備忘録みたいなものです
映画も本もクラシックが多いです

ライナー・チムニクに会いに

2005年01月10日 | 
 図書館へ行ってきた。「熊とにんげん」を借りた。
 チムニクは「クレーン男」や「セーヌの釣り人ヨナス」は復刊されたが、やっぱり図書館へ行かないとどうしても読めない本もある。だから定期的に借り出して、そして
「なくなるんじゃないぞ、盗られるんじゃないぞ、処分されるんじゃないぞ」
と念をかけてこなくてはならない。
 チムニクはポーランドの作家・画家で、その絵は黒の線画が基調で、ちょっと古い漫画的な書き込みを思わせるような絵。デフォルメと省略の効いた構図が印象的。そして物語は絵と共に独特の詩的な雰囲気があります。波長が合ってしまったら、もう忘れられないタイプの作家。
 児童書のコーナーにあることが多いので、興味のある方は、そちらも見てくださいね。

 それから、「未来のイヴ」をとても楽しく読んでいた。「女どうしは本質的に競争相手なので友情は成立しない」って、キルケゴール、ロマン・ロランばかりか、リラダン伯爵あなたもですか!
 それに触発されて、これから買う本のチェックの為にいわゆるL文学関連を当たってきた。
 (今更ですが、L文学とは書き手読み手共に、主に女性で「女流文学」というより女の子的感性に合うもの)
 私は恩田陸より姫野カオルコ買いたい。この意地の悪さは酒井順子の上を行き、かなり猛々しさもある文章、好きだわ。
 嶽本野ばらは「下妻物語」原作と、「ミシン」「鱗姫」くらいは押さえておかないといけませんね~ 今までゴスロリ雑誌でしかお目にかかってなくて、本を読んでいなくてほんとに済まなかった、と思っております。

 もうこうなったら、勢いつけてハーレクイン・ロマンス系まで行っちゃろか、と思うのも、「下妻」の影響なのでした。もしかしたら拾いものがあるかもしれない。

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暴力描写と「健全性」

2005年01月10日 | 日記・雑記
2005年01月07日(金) のニュースでこういうのがあった。
「ヒーローものゲーム、子供の攻撃性増加の可能性」
http://news.goo.ne.jp/news/yomiuri/shakai/20050107/20050107i101-yol.html
  お茶の水女子大の坂元章教授らのグループ研究から。

 坂元教授らは2001年11月から12月にかけて、神奈川県や新潟県などの小学5年生を対象に、よく遊ぶテレビゲームと攻撃性に関するアンケートを実施、1年後に同じ児童に追跡調査を行い、周囲の人への敵対心を表す「敵意」など、攻撃性に関する5つの指標について、その変化を調べた。

 6校の児童592人についての調査結果を分析すると、知的だったり、見た目がかっこよかったり、魅力的な特徴を持つ主人公が登場し、攻撃するゲームでよく遊んでいた児童は、1年後に「敵意」が上昇していた。

 「ひどいことをした悪者に報復する」という、暴力を正当化するゲームでよく遊んでいた児童も同様に「敵意」が高くなっていた。

 これに対して、攻撃回数が多い、たくさんの人を攻撃するなど、暴力描写の程度が高いゲームで遊んでいる児童の場合は、研究チームの予想とは反対に、むしろ攻撃性が低下していた。

 この結果を坂元教授は「かっこいい正義の味方だと、プレーヤーが自己同一視しやすいため」と分析している。


 悪者が暴れまわるゲームより、かっこいいヒーローが敵を倒すゲームの方が、むしろ子どもの攻撃性を高める可能性があるという結果になったよう。(可能性、といってるけど)

「カンフー・ハッスル」では、結構足や首やらが飛んで、ちょっと苦手な私は思わず目つぶっちゃったのだが、やっぱり話の展開からすると、悪者が「当然の報い」を受けるってのがないとカタルシスにはならないし。
 それにあの映画では、実際に殺すのは「ワルモノ」で、正義の味方は実際には「やっつける」だけで殺してない。このニュースで、やっぱりそれなりに考えて作ってあるのかな~と思った。 でもやっぱり「映像表現と現実は別物」を理解するには、ある程度の年齢と経験を要するので、あの宣伝だと、幼児から見そうでそれがちょっとどうかなとも思う。

 童話の「首を切った」「(人間を)煮て食べた」みたいな耳から入るお話もまた別。映像ではいるものと、耳から入って自分でイメージ作るものではまったく影響が異なってくると思う。だから、「ほんとは怖い~童話」というようなのは媒体の違いを無視してるから同意できない。

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