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虹色教室通信

遊びや工作を通して 子どもを伸ばす方法を紹介します。

持っている能力をきちんと発揮することができない子 と の関わり 2

2014-04-07 15:02:18 | 子どもの個性と学習タイプ

前回の記事で、

「虹色教室で、これまで注意の向け方に問題がある子に効果的だったのは、

行動をコントロールするための言葉を教えていくことと、

内言の発達を助けるための援助をすること」だったと書きました。

 

それについて、『よみがえれ思考力』では、次のように取り上げられています。

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ロシアの心理学者ルリアは、注意の機能をつかさどる前頭葉は、

行動を統制する言葉を使うことでより発達すると考えている。

大人は脳が構築したこの「内言」を

問題解決や計画を練ることに利用する。

内言とは、文字どおり頭の中で自分自身に語りかけるものである。

幼い子どもでさえ活動とともに「独り言」をいうことで課題をよりうまく

解けるようになることが研究で解明されている。

たとえば、親は子どもが何をしているかを言葉で示してやり、

子ども自身が言葉を同時に使ったりするように仕向けることができる。

(たとえば「小麦粉をカップ半分測ろうと思うの。

カップ半分のしるしのところをみて。これくらいでいいかな」等)

    『よみがえれ思考力』 ジェーン・ハーリー 大修館書店 からの引用)

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教室でも、「子どもが何をしているかを言葉で示してあげること」で、

子どもがこちらが見せるお手本を理解しやすくなり、

自分のしている活動に集中して取り組むようになるのを実感しています。

(昨年、就学準備グループに参加してもらった発達の凹凸がある子たちのほとんどが、

年長の春のスタート時は席に着くのも難しかったのですが、1年後、

集中して学習に取り組むようになりました。

理解力も向上したため、親御さんたちにとても喜んでいただきました。)

 

ただ、子どもの内言の発達を助けるために、どんな言葉を添えたらいいのか

難しいと感じる親御さんも多いようで、伝える難しさを感じています。

実際に、子どもと関わっている姿を見ていただくようにしても、

子どもがフリーズしてしまう言葉やそわそわしだすような言葉をかける方が

とても多いのです。

うまく言葉にできるかわかりませんが、実際のレッスンの様子から、

教室で、どのように行動を統制する言葉をかけているのか、書かせていただきますね。

 

 春休みのレッスンに来てくれた、

新小学2年の★くん、☆くん、●くん。新小3の◎くん。

4人とも、それぞれ異なる困り感を抱えているようでした。

 

途中ですが、次回に続きます。

 


持っている能力をきちんと発揮することができない子 と の関わり 1

2014-04-06 09:26:41 | 子どもの個性と学習タイプ

何らかの困り感から、持っている能力を、学習やほかの子らとの活動の場面で

きちんと発揮することができない子がいます。

 

春休み中のレッスンでも、そうした小学生たちのこんな姿を見かけました。

 

機転のきく会話からは、利発な子だと思われるのに、

問題を見たとたん、見慣れないものだと「わからない」と、突っぱねる子。

 

がんばり屋でまじめなのに、

相手の話や問題を把握する前に、早とちりして取りかかり、

必死でがんばるものの、時間だけを浪費している子。

 

ブロックの作品作りには、よく考えながら最後まで取り組めるのに、

プリント上の問題だと、どこを見ればいいのかもわからなくなってしまう子。

 

一つでもわからないことにぶつかると、

たちまち気持ちが萎えて、何もかも投げ出してしまう子。

 

語彙からイメージするのが苦手で、言葉で指示されただけだと、

何をしたらいいのか戸惑ってしまう子。

 

発達障害の診断を受けている子も受けていない子もいるのですが、

診断のあるなしは脇に置いておいて、

子どもが何に困っているか見極めて、「適切な」対応を取ることが重要だと

感じています。

 

というのも、

表面上の問題にだけ目を留めて「適切ではない」対応を取り続けているため、

子どもの問題を深刻化させることが多々あるからです。

 

それでは、教室でどんな対応をしているのか、

できるだけ具体的に書いていくことにしますね。

 

持っている力をきちんと発揮できない子のほとんどが、

注意を調節する力にアンバランスを持っています。

 

自分のしている課題に上の空だったり、すぐに飽きてそわそわしたり、

手だけを動かして頭では少しも考えていなかったり、

さまざまな情報の中から何に焦点を当てたらいいのかわからなかったり、

入ってくるたくさんの刺激の中から課題に必要なもの以外を締め出すことが

できなかったりするのです。

 

虹色教室で、注意の向け方に問題がある子に最も効果的だったのは、

行動をコントロールするための言葉を教えていくことです。

また、活動や学習の場面で、繰り返し内言の発達を助けるための

援助をすることです。

(内言とは、思考の道具として自分自身の内面で使う言葉のことです。)

 

具体的な方法は、次回、書かせていただきますね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


ピタゴラスイッチ研究部 と フロー

2014-04-05 19:14:45 | 積み木  ピタゴラスイッチ

過去記事です。

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もう3年も前のことになりますが、

虹色教室では『ピタゴラスイッチ研究部』というクラブを作って、

自分で考えたアイデアを競いあうことをしていました。

競いあうといってもそれぞれの子の自分のアイデアですから、

その子の個性が強く出て、

電気やモーターを使った仕掛けに熱中する子、

音の出る仕掛けばかり作る子、ゴールに凝る子と興味の方向が異なります。

優劣決めがたい互いに切磋琢磨する面白い研究報告になりました。

私は基本的に、材料の調達と、『フロー状態』が起きやすいような

環境を作ること以外はあまり手を出さないようにしていました。

「そんなものを使うの?」という子どもならではの変なアイデアが、

すごい動きを生み出すこともよくありましたから。

また、そうした遊びの興奮のあるうちに、レッスンの後半は算数や

数学の学習に集中させるようにしていました。

「たくさん学んで、もっと高度なことができるようになりたい」

という気持を引き出したかったからです。

フローとは、人が時間も忘れて無我夢中になって何かに没頭しているとき

の精神状態をいいます、

心理学者のミハイ・チクセントミハイによって提唱されました。

やってることにのめりこみすぎて、行為と意識が溶けあうような感覚です。

子どもにフロー状態を体験させるには、管理しすぎず、

成果を求めず、それぞれの子が自然な状態で自分に自信が持てるよう

支えることが大事です。

また、友だちと協力しあって同じ目標に向かって努力するときも、

それぞれひとりひとりの子が、

自分自身の好奇心や探究心に突き動かされて取り組めるよう

支援します。



この当時、5歳だったピタゴラスイッチの研究部員さんたちは、

今小1生。

最も難しいレベルの小学2、3年生の文章題や4年生~の数学検定の

問題を難なく解きます。

この子たちは、勉強中もフローの状態を作り出すことができるように

成長してきています。

この研究部は、アイデアマンの主力メンバーが受験に突入したことと、

幼い子たちが『化学実験』ばかりやりたがる時期が続いたので、

半休部状態のまま今に至っています。

それが最近になって子どもたちの間に、

「面白い崩れ方をするドミノが作りたい」という気持ちが生まれて

きたので、ピタゴラスイッチ研究部、復活しそうな気配です。

ピタゴラスイッチ研究部の報告 無事にライトがつきました!

ピタゴラスイッチ研究部の報告 無事にライトがつきました!2

ピタゴラスイッチ研究部の報告 運動の向きを変える 1

ピタゴラスイッチ研究部の報告  運動の向きを変える 2

ピタゴラスイッチ研究部の報告 ビー球スライダー 1

ピタゴラスイッチ研究部の報告 ビー球スライダー 2

ピタゴラスイッチ研究部の報告 ゴール地点の工夫 3

ピタゴラスイッチ研究部の報告  ビー球がよくすべる波の形 

ピタゴラスイッチ研究部♪ 音の出る仕組み

ピタゴラスイッチのスタート部分♪

科学クラブでのピタゴラスイッチ研究 1

科学クラブでのピタゴラスイッチ研究 2

ピタゴラスイッチ作品のアイデアは、

これ以外にも面白いものがたくさんできたのですが、

きりがないのでこれくらいで……。




これは昨日の小1生たちがドミノで遊んでいる様子です。

最初に円の上にドミノを並べてみて面白かったので、

もうひとつ作って、8の字を一筆で書くように倒れるように

したいと思いました。

が、台にしている円形の板は周りが丸まっていて、

思うように交差しておくことができません。

そこで、8の交差する部分にあたるドミノを吊り下げる作戦に出ました。



よいアイデアではあったんだけど、これは失敗。

すると、ひとりの子が、この吊り下げたドミノを使ったゲームを

思いつきました。下にドミノを重ねておき、ひもをつけたドミノを

上から落としていくつドミノが崩れるか競うゲームです。

改良を加えて棒を1本足すと、カーブを描いてドミノが降りて来て

積んだドミノをはじくゲームが完成しました。

子どもたちが次々にアイデアを出しながら、

自分たちで工夫しながら遊ぶようにするには、

子どもたちのひとりひとりが『フロー状態』に入っていけるように

環境や大人と子どもの関係を整えることが大切です。



おまけ
100円グッズで、ピタゴラスイッチ作り♪ 
ピタゴラスイッチ研究部♪ 透明ホースの中を走る
ピタゴラスイッチ研究部員さんたちの研究発表です♪

 

就学前に何を学習したらよいか  心的パターンを創造するよう うながすには? 5

2014-04-04 14:49:17 | 幼児教育の基本

『よみがえれ思考力』にある、子どもが心的パターンを創る過程を援助するための

ガイドラインの続きを書きますね。

 

<就学前の豊かな環境>

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★ 黒板やぬり絵、粘土や砂、小麦粉粘土、フィンガーペインティング、水、折り紙、

糊、泥んこ等が、子どもの感覚受容系を構造化し、さらに精巧にさせる助けとなる

遊び素材である。

もし手足が汚れるということが気になったら、目を閉じて子どもの混沌とした頭の中で、

ニューロンの小さな樹状突起が枝を広げていくさまを思い浮かべてほしい。

 

★ 遊びの感覚的な側面は言葉でつなぎとめることができる。

「それはどんなに見え、聞こえ、嗅い、味がし、感じがするかな?」

これは語彙を増やすにはよい機会である(たとえば、手触りがよい、

でこぼこしている、鋭い、おいしい)。

 

★ 数や文字などの作業レベルの学習課題を「教える」ようなワークブック、

あるいはそれに類似した市販の「学習」教材は避けること。

 

★ 子どもが大きくなるにしたがって、週ごとの遊びのトピックスを選ぶ。

たとえば、拡大鏡を出したり、ビンを集めたり、箱を並べたり、自然観察のための

図鑑を出したりする。

子どもの興味にそうようにすること。

                     (『よみがえれ思考力』からの引用)

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 ママ友同士の情報では、実際に子どもの認知の発達を研究する人々が追跡調査もして

子どもの脳にとって良いと見なした環境と正反対のものが持てはやされがちです。

 

子どもの脳内を覗くことはできませんから、

短い一時期、他の子より先に何かできるか、できないか、に目を奪われてしまうのも

仕方ありません。

 

でも、幼児期は二度とこないのですから、周囲の流行の話題に流されず、

何が重要なのかよく考えて子どもと過ごすことが大切ですね。

 

周囲に同調するといえば、

話が少し脱線しますが……『物理と対称性』という本の中に、こんな話がありました。

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(原子間の相互作用の話題の後で)

人間集団の場合も、隣の人が右を向いたらそれに見習って右をむく、

隣人に「どうする?」と相談し、「あなたがそうなら私もそう決めよう」という光景を

見かけるだろう。

個人の行動が規制されていて、自由がない社会ほど、

隣と同意見の方が安全だからである。

もちろん、このようなコミュニケーションがあっても、個人の活動エネルギーが、

隣との相互作用より大きければ、やはり勝手な方向を向く。

意見が揃うのは、主体性がないとも見えるが、逆に、他人の意見も聞かず

自分勝手に行動するアナーキーな社会は、社会と呼ぶのにふさわしくない。

個々の構成子が他の構成子に何の影響も与えずてんでばらばらな集団は、

いつまでたってもてんでバラバラで、世論の形成も統制された行動も起こらない。

個性が尊重され、自己の判断で左右を選択できる自由が保障されており、

しかもコミュニケーションが盛んな社会もある。

そこでは、自分たちの方向を、コミュニケーションを通じて選択するので、

社会の発展・進化が可能になる。

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幼い子どもたちが過ごす場も、周囲と同調していないと安心できないような環境や、

それぞれが自分勝手にバラバラに振舞うような環境が増えているように

思います。

 

虹色教室でレッスンの流れを作るとき、いつも、先の文にあった

「個性が尊重され、自己の判断で左右を選択できる自由が保障されていて、

しかもコミュニケーションが盛んであること」

「自分たちの方向をコミュニケーションを通して選択するので、

個人としても集団としても発展と進化が可能になること」

の2点に気をつけています。

 

↑ 「今日、何がしたいのか」「いくつかの選択肢の中からどれがしてみたいか」

みんなで話しあいます。

わたしは、活動の中で、それぞれの個性がいかせるように、

適度に手助けしています。

 

 

今日のレッスンで、こんなことがありました。

 

昨日の子どもたちの作品・清水寺(↑写真)を飾っていたので、

それを見た☆ちゃんが、「わたしも世界遺産の建物が作りたい」と言いました。

図鑑を見て、「ピサの斜塔」を選んだ☆ちゃんに、レンガ積み木で作っては?と

アドバイスをしたのですが、清水寺と同じようにブロックで作りたいとのこと。

「でも、ピサの斜塔は、丸い形を作らないといけないでしょ?ブロックだときれいに

できるかな?」と相談に乗っていると、

以前、教室でブロックで曲線を作る方法を教えた時のことを覚えていたらしく、

「こういうふうにつないで、曲げるといい」と答えました。

 

 

子どもたちが何を使って、どんな活動をするのか、

最初からお膳立てされている環境では、自分の個性を表現しにくいし、

自分でアイデアを出したり、問題を解決したりする機会が限られます。

といっても、自由すぎる場では、言葉で話しあいながら自分の考えを整理したり、

模倣したり、教わったり、それらを発展させたりすることができません。

 

集団の場で、一人ひとりの個性や意見が大切に扱いながら、

同時にお互いから学び合い、進歩していく状態を作るのには、

さまざまなコツがあります。

 

初めて集まった子たちが大勢いる場で工夫しているのは、こんなことです。

 

子どもの能力が伸びる場の決め手は、『循環』 1

子どもの能力が伸びる場の決め手は、『循環』 2

子どもの能力が伸びる場の決め手は、『循環』 3

子どもの能力が伸びる場の決め手は、『循環』 4

子どもの能力が伸びる場の決め手は、『循環』 5

子どもの能力が伸びる場の決め手は、『循環』 6

 

遊びの話し合いと発展の例

ジュース屋さんごっこ、レストランで実験遊び

 

子どもたちのやる気がないとき

「煮干しの解剖」実習セット と カルマンの渦

 

 

ほかの子らも手伝って、製作中。

 

 

最後に斜めにできるように、ブロックの基礎板を裏返して

 

土台にしています。



 


清水の舞台と立体図形。 ポップアップ絵本作り。図形と文章題の学習。

2014-04-03 15:14:43 | レゴ デュプロ ブロック

 

春休みの算数クラブでの一コマ。

9~11歳の子らが集まってくれました。

 

今日、何をしたいかの話しあいで、世界遺産のひとつをブロックで作りたい子らと

ポップアップ絵本を作りたい子らの2チームに分かれました。

仏像好きの★くん

(★くんいわく、学校で仏像好きなんて趣味が変わっていると言われるそうです。

でも友だちは多いんだよ、とのこと)の提案で、清水寺を作ることになりました。

 

☆くんは清水寺の土台を作り、★くんは寺を作ることになりました。

妹さんといっしょに来ていた中学生のお兄ちゃんも製作を手伝ってくれました。

 

重ねたときにピッタリ合うように、土台と寺の面積を同じにするのは難しいです。

 

土台部分はこんな感じ。

中をくり抜いた立体の体積を学ぶ前に、

ブロックで形を作ってみて、くり抜き部分のブロックの個数を推理すると

立体図形の問題がイメージしやすくなります。

 

持ち上げて、合わせてみます。

 

 

図鑑には載ってなかったのですが、清水寺に行ったことがある★くんが

門も作りました。

 

ハニカムペーパーを作ってポップアップ絵本作り。

算数タイムに図形(面積の問題)と文章題の学習をしました。

小学生の算数学習については、次の機会に、整理して記事にさせていただきますね。

 


就学前に何を学習したらよいか  心的パターンを創造するよう うながすには? 4

2014-04-02 19:16:33 | 幼児教育の基本

前回の記事で、

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

親御さんから、

「他人の話を聞きません」

「みんなが集まっているときに、一人だけ自分勝手に振舞っています」という

相談を受けるとき、子どもの様子には何の心配も感じられないけれど、

その子を見守る親御さんの言動が気になる、ということは結構あります。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

と書きました。

 

子どもが相手の話に熱心に耳を傾けるようになるには、

自分の話に、親愛を込めて、熱心に、耳を傾けてもらった経験が

たくさん必要です。

 

0~3歳の脳を形づくる環境がわかるスケール

という記事でも取り上げたのですが、

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① 世話をする人の情熱的、言語的な反応の仕方

子どもが声を出したときに、反応しないとか、単に動作を真似するという

レベルではなく、親愛を込めて、心のこもった言葉で応えているか。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

が、子どもの脳の発達に大きな影響を与えることが指摘されています。


「他人の話を聞かない」という子とお母さんの関わりを見ていると、

お母さんが子どもの話に相槌を打ったり、

うれしそうな表情で子どもが興味持っていることに共感を示したり、

子どもが始めた話で盛り上がったりする姿が少ないように見えることがよくあります。


その一方で、子どもの振舞いを心配そうに見つめたり、

「きちんと聞きなさい」と注意したり、

子どもが笑いながら話しかけるのに、さらっとした反応を返したり、

大人の説明に飽きて、半分腰を浮かしている子にくどくどと言って聞かせたりすることは

多いようです。

 

性格上、「情熱的」に相手の話を聞くのが苦手な方もいらっしゃるでしょうが、

幼い子にとって、親の自分に対する反応の質がいかに大切か、

どうか心に留めておいてくださいね。

 

↑ 大きな数を体感するための手作り教具です。




 

 

 


就学前に何を学習したらよいか  心的パターンを創造するよう うながすには? 3

2014-04-01 06:11:45 | 幼児教育の基本

『よみがえれ思考力』から、子どもが心的パターンを創る過程を援助するための

ガイドラインの続きです。

 

本にある順序は変えてあります。

なぜかというと、親御さんの多くが、「パズルや市販されている教材」とか

「何度も繰り返し練習」いったお金で購入できるものや、

子どもに強いることができるものを目にすると、それに気を取られるあまり、

もっと重要で基本的なことを無視してしまいがちだからです。

 

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★ 自分で遊ぶ時間を子どもに与えること。子どもにつきまとう母親は、自分自身で

心的パターンを形成するという能力の成長を邪魔している。


★ パズルや市販されている教材が視覚のパターン化に役立つだろう。

寄せ木細工のブロックやドミノ、万華鏡もよいだろう。

「この絵はどこがおかしいんだろう?」といった質問は認知の技能を結びつける

ことになる。

                    (『よみがえれ思考力』からの引用)

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

一方で、不必要に子どもにつきまといながら、

他方で必要とされる教具を用意しても、

自ら意欲的にさまざまなものを吸収していこうとする態度につながりません。

 

とはいえ、「つきまとうのがよくない」と字義通りに解釈して放任しすぎたり、

孤独を感じさせるほど一人遊びを強いたりするのも問題です。

 

子どもが、就学後の学習に核となるような

心的パターンを形成するのを援助するには、

大人がちょうどよいバランス感覚を身につける必要があります。

 

            ↑ ポケモンチップで対戦中 

 

子どもが学習の基盤となる心的なパターンを形成していく上で、

それを援助し高めるのも、邪魔して押さえつけるのも、

身近にいる親の「感じ方」とのつながりを感じています。

 

春休み向けの算数クラブで、親御さんから、

「他人の話を聞きません」

「みんなが集まっているときに、一人だけ自分勝手に振舞っています」という

相談を受けることが何度かありました。

実際、算数をテーマにした遊びやクイズをするとき、子どもたちを呼び集めても、

席に着こうとしない子は何人かいます。

「これやってみたい子!作り方を教えて欲しい子はいる?」とたずねると、

「はい!」「はい!」と元気に手があがる中で、一人遊びに興じている子もいます。

お母さんが何かたずねたり、教えたりしているときに、今にもその場を逃げ出し

そうな雰囲気で気もそぞろになって、話を聞いている子もいます。

 

わたしは、そうした姿があるから、即、集団活動が苦手で他人の話を聞くのが

苦手な子だとは思いません。

わたしなりに、「この子は気がかりな子」「あまり心配はいらない子」という

判断の基準があるからです。

 

たとえば、こちらの目を見てよくニコニコ笑う子が

照れたり、恥ずかしがったり、少し我を張ったりして、

ほかの子らと一緒にする活動に参加しなかったり、こちらの話をきちんと聞かずに

うろうろする場合、あまり心配はいらないと思っています。

何度かレッスンに通ってもらえば、みんなでする活動を楽しむようになり、

大人の話に集中して耳を傾けるようになるはずですから。

表情、目の合い方、暗黙の了解の理解度、遊び方、おしゃべりする内容、

親子の関わり方の様子などから、気になる子もいます。

 

親御さんから、

「他人の話を聞きません」

「みんなが集まっているときに、一人だけ自分勝手に振舞っています」という相談を

受けるとき、子どもの様子には何の心配も感じられないけれど、

その子を見守る親御さんの言動が気になる、ということは結構あります。

 

次回に続きます。