虹色教室通信

遊びや工作を通して 子どもを伸ばす方法を紹介します。

「煮干しの解剖」実習セット と カルマンの渦 

2013-09-23 14:45:19 | 理科 科学クラブ

小学4年生たちの科学クラブの様子です。

 

科学クラブでは、最初の数分間に子どもたちと、

どんな実験がやりたいか話し合います。

話し合いでは、その日のためにわたしが準備しておいたいくつかの実験や科学遊びの道具が入った箱や

科学実験の本を参考にして、やりたいことを決めます。

 

科学クラブの子らはみんな実験が大好きなのですが、この日は、

夏の疲れのためか

いつになくダラダラしていて、「今日、どんな実験をするか話しあうわよ。

どんなことがしてみたい?好きなアイデアを出してね」と言うと、

「何もしたくない。寝てよ。寝てよ!」「そうだよ、マンガ読もう!」

と冗談半分に言いながら、お互いにケタケタ笑ってばかりでした。

 

「きちんと話し合って決めないなら、まずわたしが用意した実験をしてもらうわよ。自分たちがやりたいと思うことは、

それしながら考えて!」

と、 仮説社の「煮干しの解剖」実習セットを出すと、「わぁ~やりたくねぇ」「やだやだ、ぼくはいやだ」と

ぶつぶつこぼしながらも、

煮干しの解剖をはじめました。

 

煮干しは大きいサイズの質のいいものを使うようにしています。

↑解剖して取り出した

水晶体、耳石、背骨、えらとさいは、心臓、肝臓……などを貼る用紙。

最初のうちは、「胃なんてないよ。この煮干しは胃がないんだ、最初からないんだってさ!」と笑っていた子らも、

だんだんピンセットの扱いが上手になってきて、「心臓見つけた。これ、心臓だよ絶対。だって、写真通り、肝臓とか胃のより

頭に近いここんところにあるし、この形も毛みたいなのが生えているところも同じじゃん」

「これ、はまる。これ面白いよ。もう一匹やってもいい?」「もう一匹!」

と大はしゃぎで、それぞれ10ぴき近く解剖をしていました。

 

↑ 「心臓を見つけたよ」とのこと。

 

煮干しの解剖ですっかり調子づいた科学クラブの子どもたち。

21世紀子ども百科 『科学館』を参考に

カルマンの渦作りにも夢中なっていました。

牛乳パックをつないで細長いトレイを作り、墨を落とします。

直径3ミリほどの棒を、一定の速さでゆっくり動かしていくと

カルマンの渦ができます。

とても神秘的で美しいです。

 

この実験の後で、墨を流した水に

石鹸をつけた竹ぐしを入れて、

パアッと透明の円が広がる様子を楽しみました。

子どもたちは、大感激。何度も何度もやりたがっていました。

最後に音の振動でモールで作った人形がくるくる回る工作をしました。

 

実験の後で、いつも45分ほど算数の学習をしているのですが、

この日は理科の入試問題と線分図を使って考える算数の文章題をしました。

最初のダラダラムードはどこへやら、どの子も真剣に

学習に集中していました。

夢中になって取り組んだ実験の数々が

子どもたちの意欲を引き出したのかとうれしくなりました。

 


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