goo blog サービス終了のお知らせ 

虹色教室通信

遊びや工作を通して 子どもを伸ばす方法を紹介します。

巨大なアイスクリームの自動販売機。 お持ち帰り……?

2013-04-19 15:46:09 | 通常レッスン

前回の続きは明日にでも書きますね。

 

年長さんの★くん作。巨大なアイスクリームの自動販売機。

「持って帰りたい~」という★くんに、★くんのお母さんのまさかのOK!?

こんな風に抱えて駐車場まで持って行っていました。

 

この大きな箱は、最初、年少さんと年長さんの子たちが自分たち流の

ジュースとポップコーンの自動販売機にしていた箱です。

そのグループの子のひとりも「持って帰りたーい!」と言い、

いくらなんでも大きすぎるから……と、貼りつけていたジュースやポップコーンを作る部分を

はがして持って帰りました。

 

その箱を見て、「ぼくも自動販売機が作りたい」と言った★くん。

几帳面で完璧主義の★くんは、

白い布テープを1本分と包装紙の裏面を使って

箱を覆いたい、と言いだしました。

 

 

ジュースとアイスで取りだし口を変えるという★くんならではの凝りようで

段ボールをくりぬいて、ティッシュ箱を取りつけました。

 

 

まっ白で統一するのかと思いきや、「きれいだから」という理由で

緑の星の柄の折り紙を貼る★くん。

 

今回のレッスンで★くんが一番はまっていたのはポケモンバトルチェス

といゲーム。

初めて遊んだのですが、

何回も何回もやりたがっていました。

磁石のおもちゃでも遊んでいました。

 

算数タイムの大きな数の読み方を、学校で使う道具の値段が載っている絵本で

学びました。

てつぼうや給食の道具などの値段、★くんに大受けでした。

学校の道具はちょっとしたものも一万円を超えるものがたくさんあります。

 

 

トップクラス問題集1年生の問題を自分で図や絵を描きながら

解いています。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

ひとしさんは シールを 5まい もって いて、

おねえさんが もっている シールの ちょうど はんぶんです。

また、おねえさんがもっている シールは おにいさんが もっている

シールのちょうどはんぶんです。 おにいさんは シールを

なんまい もっていますか。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

★くん、おねえさんのシールの数までは

すぐにわかりましたが、おにいさんの数で悩んでいました。

最後にチップを置いてみて、答えを確かめました。


絵カードコミュニケーション と 広汎性発達障害の子の個性に合わせた活動 1

2013-04-19 14:19:53 | 自閉症スペクトラム・学習が気がかりな子

言葉が出ない広汎性発達障害の子 1

言葉が出ない広汎性発達障害の子 2

自発言語がでてきた広汎性発達障害の子 

 

 でレッスンの様子を記事にさせてもらった★くんが

1ヶ月ぶりに虹色教室に来てくれました。

 

保育園での★くんは、クルクル回ったり、教室を脱走したり、新入園の子らの泣き声に耳をふさいだりする

困った行動が多くなっているそうです。

春の生活の変化がストレスになっているのかもしれません。

 

その一方で、おままごとやドールハウスで

簡単な遊びを楽しむようになってきて、

バナナを「ばああ」と言うなど物の名前の理解が進んでいるようです。

 

★くんのお母さんから、名古屋で行われた絵カード交換コミュニケーション

『PECS』の二日間のワークショップに参加してきた

というお話をうかがいました。

ワークショップを通して絵カードがもつ素晴らしい力、

何より受け身になりがちな自閉症の人が

自発できる素晴らしい方法が『絵カードを交換すること』だと学んだのだそうです。

 

虹色教室でバスのおもちゃに興味があるようだったので

似たような扉が開閉できるバスを購入し、フェーズ1を始めたところ、

お風呂の掃除をしているお母さんのもとへ、

★くんがバスの絵カードを持ってきて手渡したそうです。

 

その後、絵カードを使うことで、それまで嫌がって大変だった

お風呂や着替えがとてもスムーズになり驚いているとお聞きしました。

 

★くんは大きな音でも全く聞こえていないかのよう振舞う一方で、

小さな音でも聞こえていたり、

低い音嫌がったり、高い音程の音には興味を示したり、

騒がしい場で耳をふさいだりするなど聴覚に関して

気になる点がいろいろあります。

また口の中に敏感さや鈍感さを持っています。

 

耳と口という言葉の発達でとても大切な器官に

何らかの困り感を抱えているように見える★くん。

絵カードの『PECS』はとてもよいコミュニケーションツールになりそうです。

前置きが長くなりましたが、虹色教室でのレッスンの様子に戻ります。

 

★くんが教室に来るのは3回目。

 

教室に着いて、靴を脱いでいる最中に、★くんがくるっとわたしの方を振り返って、

にっこり笑顔を浮かべました。★くんが自発的にこちらの目を見て

ほほ笑む姿を見たのは初めてです。

 

★くんのお母さんがこんなことをおっしゃいました。

「外出する度に、手を振り払って走り出すので困っているですが、

虹色教室までの道は覚えていて見通しが立つから安心しているのか、

ずっと手をつないで歩いてきたのでびっくりしました」

 

教室での★くんは、先月までの★くんとは

別人のように落ち着いていていました。

 

最初に遊びたがったのは手作りの世界の建築物です。

★くん、初めて教室に来た日からこれが大のお気に入りなのです。

これを取って!とこちらに要求する★くんに

言葉で伝えようとして物の名前に近い音を口にしたり、わたしが「これ?ちょうだい」と

指さしや手でジェスチャーするのを真似ようとしたりする

姿がありました。

★くんが人とのコミュニケーションを楽しむようになってきているのがわかりました。

仕草のひとつひとつが、ちょっと甘えてみたり、首をかしげてみたりするなど、

何ともいえずかわいらしいものになっていました。

 

(↑初めて教室に来た日の★くん)

ねんど遊びや工作をする際に、人と関わる力が伸びてきているのを感じました。

 

 

 


『東大人気教授が教える思考体力を鍛える』  

2013-04-19 09:34:26 | 教育論 読者の方からのQ&A



『東大人気教授が教える思考体力を鍛える』(西成活裕 あさ出版)を読んで、
とても共感しました。

幼児や小学生といっしょに過ごしている時、
私がいつも、著書で取り上げられている思考体力と呼ばれるものを
使う場面がたくさん生まれるように気を配っているのです。

それがしっかり鍛えられるための
遊びや体験の質にも工夫をこらすようにしています。

これまで、私はそれらをこの本とは別の言葉で捉えて意識していたのですが、
「自己駆動力」「多段思考力」「疑い力」「大局力」「場合分け力」
「ジャンプ力」という言葉でそれを見直してみるのも面白いなと感じ安した。



著者の西成活裕氏がおっしゃる「思考体力」とは
次の6つの力です。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

1 行動を促すエンジン部分       「自己駆動力」

2 思考の段階を上り続ける       「多段思考力」

3 立ち止り、思考のループを回し続ける 「疑い力」

4 時間と空間を見渡す         「大局力」

5 選択に迷ったら           「場合分け力」

6 これ以上勧めないときこそ      「ジャンプ力」

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

虹色教室でのレッスンでは、私は幼児が算数の世界を体感して学べるように
環境を整えています。

でもメインの活動は、工作だったり、
ごっこ遊びだったり、ゲームだったりするので、
それがどのように学習に結びつくのか、ピンとこないかもしれません。

親御さんたちの中には、そうした遊び中心のレッスンの合間に

手や小物を使って計算を学んだり、小学校受験問題を考えたりする時間が学習時間で、

それ以外は休憩時間のように感じている方もいるかもしれません。

でも、幼児にとっては、どちらかというとその逆で、
休憩時間のように見える活動でしっかり学んで、
学習時間のように見える活動で軽い柔軟体操をして頭をほぐしているとも
言えるのです。

といっても、ただ勝手に遊ばせるのではなく、

西成活裕氏がおっしゃる6つの「思考体力」がしっかり育つような

豊かな遊び方ができるように、

子どもを育んでいくことが大切だと感じています。

幼児期に安易に教えてできるようにしてしまうと、
考え抜く力が極端に弱いまま
みんなよりできるからと適当に学ぶ習慣がついてしまうことがあります。

ただ事前に教わって「できる」かどうかよりも、
地頭力と呼ばれるような
考えるベースとなる思考の体力のようなものこそ、
幼児期や小学生の時期に育てておかなくてはならないものなのです。

考えることを途中であきらめずに、
大きな視野に立ったり、
段階に分けて工夫して解いたり、
場合に分けて考えたりできるようになるには
どのような体験が大切なのでしょう?

どうしてもできない窮地に陥った時こそ
全力でそれを乗り越えていく力を発揮させるには、
どのように接していけばいいのでしょう?


そこで、遊びながら「思考体力」と呼ばれるようなものを身につけていくための
関わり方のコツについて
これから書いていくことにしますね。


東京大学で数理物理学者として教鞭をとっている西成活裕氏は、

様々な分野の方と仕事をするうち、いわゆる「成功する人」に共通点があることに気付いたそうです。

西成氏いわく、

成功している人たちにはみな、「思考体力」がある

のだそうです。

思考体力とは、簡単にいえば「考え続ける力」のことで、それさえあれば、
どんな困難も切りぬけられる力です。
思考体力は、年齢や環境にかかわらず、運動の体力と同じように、トレーニングによって
誰もが伸ばすことができる力なのだそうです。

『東大人気教授が教える思考体力を鍛える』(西成活裕 あさ出版)で紹介されている
「思考体力」とは次の6つ。


 1 「自己駆動力」
 2 「多段思考力」
 3 「疑い力」
 4 「大局力」
 5 「場合分け力」
 6 「ジャンプ力」

著書には、1の「自己駆動力」を、まず身につけるべきだと書いておられます。

--------------------------------------------

前者が熱中できないのは、人から命令されてやっている「他己駆動」だからです。
後者のように
自分から積極的に関わっている仕事、「自ら」の思考を
能動的に働かせる「自己駆動」がある仕事であれば、やりがいがあって、
熱中もできるのです。

(略)

外から来るものに対して、ただ従うのではなく、
自分から発し続け、動き続けるのが
「思考体力」の原点です。
「考え続けること」は「自ら発し続けていくこと」なのです。

(略)

能力に大きな差がなければ、主体性を持って「動ける人」のほうが大きな成果を
生み出せるのです。


   (『東大人気教授が教える思考体力を鍛える』西成活裕 あさ出版 P36)
----------------------------------------------


「自己駆動」で動くとは、つまり、内発的動機をもとにして
主体的に何かすることですよね。

↑の本は、「自分の暮らし方の指針に!」と読んでいたのですが、

「幼児や小学生と接するとき、どんな力を育んでいけばいいのか」という面でも
いろいろ考えさせられました。

子どもに「自己駆動」で動く力をつけていこうとしても、
子どもが自分でやりたいことを見つけて、それに主体的に関わっていくことができるような
場所も時間もどんどん失われつつあるのです。

「友だちといっしょに過ごす時間を作ってあげようと思うと、
習い事に行かせるくらいしか方法はありません」という声も聞きます。
習い事の場は、たいてい「他己駆動」で活動する場です。

もちろん、「他己駆動」でする活動でも、学ぶことも得るものも
あります。
でも、幼児期には、

自分で興味を持って、自分でやってみて、自分でいろんな感情を味わって、
自分でやめるときを決めて、自分を外に思いっきり発信してみて、
それに対して返ってくるフィードバックを受け取る

という体験を、
それこそ飽きるほどさせてあげたいと思うのです。

「しつけ」とか「教育」というのは、

世界に働きかけている「自分」という存在を

そうした活動を通して実感できるようになってはじめて、

外から少しずつ働きかけていくものではないでしょうか。

幼児にも関わらず、自己駆動で動く時間よりも
他己駆動で動く時間の方が長くなっているとすれば、
バランスの悪さを感じます。
大人の接し方や環境が
子どもの将来の生きる力をつぶしてしまわないように
気をつけないといけませんよね。

『東大人気教授が教える思考体力を鍛える』 では、
「思考体力」の2番目に、

「多段思考力」が挙げられていました。

多段思考力とは著者の西成氏によると、
「あきらめずに考え続ける力」なのだそうです。

思考体力の中で、もっとも継続して必要とされる力が、この「多段思考力」なのだとか。

一方、情報発信者が背景などを省略して短くまとめた結論を、
正しい情報として取り込んでしまうのを

「タブロイド思考」といい、思考体力を衰えさせる原因となるようです。
これは、単段思考とも言えるそうです。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
たいていの人は、「早く」「得して」「楽に」したいと
考えがちです。
でも、「多段」で考えていくには、先ほどの例のように、頭を柔軟にして

「遠回り」「損」「手間」を含めた幅広い発想をすることが大切です。

その中から、本当の最善策が生まれるからです。

(略)

人は元来、楽をしたい動物です。問題が生じても、

面倒くさいことは速く終わらせたいから、どこかで落としどころを

見つけて納得してしまおうとします。

多段思考は普通、したがらない。

しかし、多段思考をせずにいると、複雑なことが一切考えられなくなってしまいます。

     (『東大人気教授が教える思考体力を鍛える』西成活裕 あさ出版)
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


小学生の日帰りレッスンで子どもたちと接していると、

学校での成績はきちんと取れているしっかりした子たちの

思考を持続する力の弱さに驚くことがたびたびあります。

たとえば、一本のひもを用意して、「こっちのひもの方が、長くなるように切り分けることができる?」

とか、

10個のお菓子を用意して、「2人のうち一人の子が2個多くのるように分けることができる?」

とか、

「紙を切って、箱の形を作ることができる?」
といった質問をすると、

物を触りながら1分間、考え続けることができる子がほとんどいないのです。
すぐにでたらめな答えを言って、正しい答えを教えてもらいたがったり、
「こんなの学校でやったことがない」とむくれたりします。

お菓子を分けるだけ、ひもを切るだけのことでも、
「ああかな?」「こうかな?」と考え続けることができなくなっているのです。

小学校低学年は、読み書き計算とか、易しいものを繰り返しすると
学力がついてくると信じている方々は多いです。

でも、頭を一定時間、何かに集中させておく持続力を育てないまま
そうした訓練を積むと、
それこそ、「タブロイド思考」が身について、単段思考しかできなくなってしまうんじゃないかな?
と気がかりではあります。

私が幼児たちと工作をして、できるだけそれを発展させて仕掛けを作ったり、

モーターや磁石やライトを取りつけて、工作の中で問題を解決していく機会を与えているのは、

幼い子だって、そうした形なら、

多段思考力を磨いていくことができるからでもあるのです。

知識を与える前に、考えるための頭の体力のようなものを
鍛えるのに、創作活動はピッタリなのです。

アトリエなどで自由に自分を解放させるように造形活動をするのもすばらしいけれど、

頭の使い方を洗練させていくために

家庭で親子でおしゃべりしながら工作するのも、
とっても楽しいし、大切なことだと思っています。







-------------------------------------------------------

<算数クラブと科学クラブの様子です>





今日は夏休みの日帰りの科学クラブ(小学1、2年生)の日。
スライムで遊んだり、結晶作りをしたり、電子ブロックで遊んだりして盛り上がりました。
学習のテーマは、「水の質量の測定」と「単位の変換」と「線分図」と「物の分け方の工夫」でした。

実験をするとき、尿素やミョウバンなどの材料を使うたびに、箱や袋を指して、「何グラムでしょう?」と
量を当てるクイズを出していると、
袋や箱に書いてある表示を読んで、「○○グラム!」とすぐに答えるようになってきます。

そんな風に実物を見て、量を当てて遊んでいると、
「今日、使う固形の発泡材は40グラムだけど、それをふたつ分と、100グラムのミョウバンでは、
どちらがどれだけ多いの?」といった質問や、
「このシリンダーで測り取れるもっとも多い量は何ミリリットル?
試験管は30ミリリットルまで水を入れることができるから、そのシリンダーを使うときに、
注意することは、どんなところ?」
といった質問にも、たいていきちんと答えることができます。

実物に触れながら遊んで熱中しながら頭を使うのは、
本当に大切なことだと感じています。



11個のきびだんご(岡山から来てくれた子のおみやげです)を
分ける方法を考えています。

「一方の子がもう一方の子より、3個多くなるように分けるには?」という問題に
1、2年生たち、全員、苦戦していました。



最後に短い一人芝居をしてみせて、
「そうだ!3個、私の方が多いんだから先に3個取って隠しておこう。それから、お母さん、残りを分けて!って言って
分けて、ほら、私の方が3個多いように分けることができた!」と説明すると、
子どもたちは、「ずるいー!」「ずるー!」と大騒ぎしながらも、
分け方を即座にマスターしていました。

でも、こうして簡単に種明しをしてしまうと、できるようにはなっても、
ねばり強く考える力がつかないので、
注意が必要だなとも感じました。


まだ学校での学習がスタートしていない幼児期は特に、
先に進ませることよりも、
自分の頭で考える際の持久力をつけていくことが大事だと
感じています。


1歳児さんの工作遊び、知恵遊び

2013-04-18 12:18:25 | 0~2歳児のレッスン ベビーの発達

1歳6ヶ月~1歳11ヶ月の子たちのグループレッスンの様子です。

段ボール箱の穴から食べ物のおもちゃをやり取りして

上機嫌の1歳6ヶ月の★ちゃんと1歳11ヶ月の○ちゃん。

 

★ちゃんも○ちゃんも簡単なごっこ遊びが楽しくて仕方がない様子です。

「はいどうぞ」と渡しあうだけのお店屋さんごっこや

ドールハウスの扉をトントンして

人形を出入りさせたりして遊んでいます。

 

「これなあに?」「えんぴつ」といった知恵遊びをしています

1歳8ヶ月の●くんが、バスのおもちゃのタイヤを触っていたので、

「修理、修理。カチャカチャ」と手でドライバーをねじる真似をすると、

同じく1歳8ヶ月の☆ちゃんも●くんといっしょに、修理の真似をして遊んでいました。

 

工作タイムにおにぎりを作って遊びました。

ティッシュを丸めて、のりに見立てた

黒い紙を貼るとできあがり。

 

グループの4人とも、丸める、はさみで切る、テープで貼るといった

作業のどれかに夢中になっていました。

新幹線やパンダのおにぎりやお弁当箱を作ってあげる際は、

この月齢の子たちにも

作り方が見てわかるレベルのものにしました。

 


『ゴムの発射台=ゴムカタパルト』の作り方

2013-04-17 20:13:55 | 理科 科学クラブ

小2の★くんと、『ライト兄弟はなぜ飛べたのか』紙飛行機で知る成功の仕組み (土佐幸子著 さえら書房)

に載っている実験を試すために

広場に行きました。

 

ゴムの発射台で飛ばした飛行機は、上の写真の通り

気持ちいいほど高く飛び上がりました。

ゴムの発射台の作り方は、次の通りです。

輪ゴムを3つつないで、割り箸にとめたらできあがり。(写真は★くんが作ったので、ゴムを4つ

つないでいます)

紙飛行機に次のようなひっかける部分を作ります。

写真のようにひっかけて、ゴムを十分伸ばして

手を離すと飛びます。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

『ライト兄弟はなぜ飛べたのか』の実験は、科学クラブの子どもたちとも

試してみました。

 

ついでに春の野草も摘んで帰りました。

飛行機の飛んだ距離を測りました。(↑土に描いた表)

風が強かったので、紙飛行機の実験結果は

かなりでたらめなものになりました。

一番よく飛んだのは、飛行機というより槍のような●くんオリジナルの飛行機でした。

 

 


「これはできる!」という自信や遊びの発展につながるレパートリーがたくさんあること 2

2013-04-17 18:19:37 | 幼児教育の基本

 

ジュースの見本とボタンを貼りつけて、自動販売機を作っているところです。

ストローを吹くと、ポップコーンに見立てた

発泡スチロールの玉がぽんぽんはじける仕掛けもつけました。

ジュースを作っています。

箱の中に入って、手動でジュースを出します。

 

幼児期に

「これはできる!」という自信や遊びの発展につながるレパートリーを

たくさん作っておいてあげることが

大切だと思っています。

 

「これはできる!」ということをたくさん作るには、子どもができるだけいろいろなことを

やってみたいと思うような環境を作ることが大事です。

 

たとえば、何をするのも自信がなさそうだった○くんが、熱心に工作をするようになり、

複雑なルールのゲームにもしっかりと取り組めるように導いたのは、

○くんのお母さんという人的環境です。

○くんのお母さんは、○くんがごくごく簡単なゲームを

何度も何度もしつこく繰り返したがった時期に、

いつも気持ちよく付き合ってあげていました。

いそいで、次のレベルに進むことを求めたり、テストしたりせずに、

ただ○くんの楽しい気持ちを大事にしてあげたのです。

そうするうちに、ゲームをすることが大好きになった○くんは、

少し難しそうなルールのものにも

チャレンジしていくようになったのです。

 

発達の凹凸がある子なので、興味の範囲が狭く、

新しいことに取り組むのを避けて、同じことばかりやりたがるところがあったのですが、

今では、○くんの中に育ってきた「これはできる!」という自信が、

外の世界への興味の広がりを支えています。

 

急いでできるようにならなくても、何度も失敗しても、

それでも「やってみたい」という気持ちがしぼんでしまわないように

大人の「できるようにさせたい」という気持ちは控えるようにすることが大切です。

 

大人が「できるようにさせたい」という気持ちを控えれば控えるほど、

子どもの「できるようになりたい」という意欲が

高まることはよくあります。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

算数タイムの様子です。


「これはできる!」という自信や遊びの発展につながるレパートリーがたくさんあること 1 

2013-04-17 13:11:41 | 幼児教育の基本

この春、年少さんになった★くん、年中さんになった●くん、○くんのレッスンの様子です。

 

 ブロック遊びでは、「こういう物が作りたい」「こんな風にしたい」

というイメージを抱いて、根気よく作品を作り続けていく力がついています。

 

そうした作る作業に、自分が体験したことや

図鑑や絵本などで得た知識を取り入れるように

すると、

作る楽しみが増してきます。

 

●くんがお母さんといっしょに作っていたのは

恐竜の世界。

恐竜の絵本を持ってくると、熱心に眺めながら

恐竜を並べていました。

水辺の基礎板を使っていたので、大昔の海の生き物のフィギュアを出してきて

あげましたが、●くんは気に入らなかったようです。サイズが小さすぎるし、大昔の海の生き物は

恐竜のイメージとつながらなかったのかもしれません。

 

●くん、フィギュアと絵カードをマッチングさせていました。

 

 

フィギュアの中には恐竜の骨もあります。

そこで、ブロックの中に恐竜の骨を埋めて

発掘する遊びに誘うと、とても喜んでいました。

★くんもやってきて、自分で発掘用の道具をブロックで作って、

遊びに参加していました。

 

こうした遊びのアイデアを提案すると、次には子どもたちが

それを発展させていく姿があります。

 

ブロックで火山を作って、その中に恐竜の骨を埋めていきました。

すると、○くんもやってきて、

山作りに参加しました。

すると★くんが、「落とし穴が作りたい」と言いました。

写真は、何も知らないで歩いている動物が落とし穴に落ちてしまうシーンで

遊んでいるところです。

 

数に敏感になっている★くんは、「10ずつ集めたい」と言いながら、

動物たちの群れを作っていました。

○くんは1年前、病院で発達の凹凸を指摘されて、

虹色教室に通うようになった子です。

最初のうちは、何をするのも自信がなくて、

身体をくたっとさせてお母さんに寄りかかっていました。

この1年、「これはできる!」という自信や遊びの発展につながるレパートリーをたくさん持たせることを

課題にして、物作りやゲームに取り組んできました。

すると、工作とゲームが大好きになりました。

ひとつひとつの遊びを完全にマスターするまで、

何度も何度もやりたがる●くん。

ボードゲームには自信がついてきたのか、今日は

『ポケモンバトルチェス』というかなり年上の子ら向けのゲームを

やりたがりました。

将棋に似たルールです。

得点計算をお母さんに手伝ってもらいながら

2度も対戦していました。

将棋の王将にあたるカードは4枚重ねで守られています。

攻撃を受けると、上から卵が少しずつ割れてきます。

攻撃されたらすぐに負けてしまうのでなく、

何度もリベンジできるので、負けるのが大嫌いな子たちも

安心して楽しめます。

●くんが、自己流の恐竜の絵の描き方を披露してくれました。

恐竜の人形で枠を描いて、目を描いて、

色を塗ってできあがり。

●くん、いいこと思いつきましたね。

 

それぞれが自由に自分の選んだ活動をする時間の後に、

みんなでいっしょにひとつの課題に取り組む時間を設けています。

 

いただいたばかりの大きな段ボールを前にして、

「何をしようか?」と相談していると、「ジュースの自動販売機」という意見が出ました。

次回に続きます。

 

 

 

 


困った行動が癖になっている軽度発達障害のある子と接する時 6

2013-04-16 22:51:16 | 自閉症スペクトラム・学習が気がかりな子

この記事の最初に、★くん、☆くん、●くんのそれぞれが、異なる理由で困った行動を取る場面がありました、

といったことを書きました。

が、年長さんの★くんについては、「困った行動」と言うより、

「少し気をつけておく点」といった表現くらいがちょうどいいのかもしれません。

 

★くんはとても真面目な子で、「工作をしますよ」と言えば、

即座に席について、こちらの指示に真剣な表情で耳を傾けていますし、

算数の問題を出せば、わかるものもわからないものも

一生懸命考えて答えようとするし、お友だちが質問されている間も

1問も聞きのがすまいとしていました。

工作でも算数でも、途中でどうすればいいかわからなくなって戸惑うことがあったのですが、

あきらめたり、放りだしたりせずに、

最後までがんばってやり遂げていました。

大人に対する態度は素直で従順ですし、

お友だちに対する態度は穏やかで友好的です。

 

★くんに問題があるとしたら、ちょっと良い子過ぎるところくらいなのです。

 

この「良い子過ぎる」という問題、

大人にとっては何ら問題を感じないだけに、

「がんばり過ぎない大切さ」や「疲れやストレスを感じたら、周囲に伝えられるようになること」や

「嘘をつかれたり、騙されたりしても気づかずに、人の言葉を100パーセント信じて

自分の身を危険にさらすことがないように教えていくこと」は軽く扱われがちです。

 

でも、過剰なほどに周囲に合わせようとする子や、

人への警戒心が皆無で、何でも相手の言いなりになってしまう子の場合、

その子の良い性質や人への信頼感を損なわないようにしながら、

ストレスや危険から自分を守る術をゆっくり身につけさせていくことは

とても大事なんじゃないかな、と思っています。

 

★くんは、「先生の言うことは絶対!」と信じています。

こちらが何か言ったり、問いかけたりすると、

こちらがひとこと発する度に、身を乗り出して、

それに対して正しい応答をしようとしています。

他の子に質問している時も、他の子に注意をしている時も、

自分に言われているように緊張した表情で見つめています。

ただ、相手の声に集中して、それに返答することにだけ集中するあまり、

問われている内容の理解はおろそかになっているようでもあります。

 

算数タイムの時も、言葉だけに反応して、

間違った答えをくり返すので、

目で確かめられるものを提示しながら、言葉と物の操作がきちんとつながるように

していたら、

次第に、正しい答えを言えるようになっていきました。

 

★くんのように、大人の言葉を真剣な表情で聞いている子は、

きちんと物を目で観察する力が育っていなかったり、

目で見ているものを論理的に理解していく力が弱くても

気づかれにくいのです。

「ちゃんと聞いているから」と、説明するだけで終わりとせずに、

言葉の意味理解を助けるような

「目で見て、手で触れて、わかる」という機会を

たくさん作ってあげるといいのかもしれません。

 

 

 


困った行動が癖になっている軽度発達障害のある子と接する時 5

2013-04-16 13:19:52 | 自閉症スペクトラム・学習が気がかりな子

●くんのお母さんは子ども思いの気持ちの優しい快活な印象の方で、

●くんに対する接し方は

厳しすぎることもなく甘すぎることもなく

ちょうどいいように見えました。

 

ただ、●くんは外界からの刺激に反応しやすい子なので、

そんな何ひとつ問題がないようにみえるお母さんの対応にも

ところどころに改善の必要を感じました。

 

先の記事にも書いたのですが、

●くんが、注意を向ける対象をコロコロ変えていく時に、

●くんのお母さんが、●くんのおしゃべりに相槌を打ったり、楽しそうに耳を傾けてよい反応を返したりすると、

そうした反応が新たな刺激になって、

●くんの気の散りやすさや混乱を加速させているように見えたことが何度かあったのです。

 

●くんのお母さんは、●くんに対して、

いつも愛情のいっぱいこもった明るい口調で返事を返していました。

 

もちろん、それはとても良いことなのです。

でも、その口調に含まれた感情の動きが、

人の感情に対して過敏に反応しがちな●くんを刺激して、

さらに気持ちが移り変わるきっかけになったり、

問題行動へのごほうびになったりしていたのが気にかかりました。

 

●くんが興奮しがちで気が散っている時は、大人は静かに落ち着いた声で、

「今、~していたんだよね」

「今、この話していたよね」と指摘して、

●くんが冷静に自分の活動に戻れるように

大人の返答で刺激しないようにするのが大事なのかもしれません。

 

●くんに対する大人の態度として大事なのは、

何かした後ではなく

何かする前に、●くんといっしょにこれからするべき行動の見通しを立ててあげて、

小さなことでいいので成功させてあげることだと感じました。

 

わたしが帰宅する直前に、「●くん、工作道具の入ったかばんがとても重いのよ。

玄関まで運ぶのを手伝ってちょうだい」と頼むと、●くんはいきなりかばんの取っ手をつかむと

走りだそうとし、危うく転びかけました。

「●くん、いっしょに。ひとりで持っていったら転ぶし、乱暴に運ぶと

床を傷つけてしまうわ。いっしょに、取っ手を持って」と言うと、

それでも、ひとりで引っぱっていきかけたのですが、

少し気持ちを落ち着かせて、わたしといっしょに取っ手をにぎりました。

「よいしょよいしょ」と一生懸命、かばんを運び終えた●くんは

ひとつのことをやり遂げた喜びで輝いていました。

こんなささやかな成功でも、

●くんにとったら、自己肯定感を高めてくれる

大事な体験なのでしょうね。

 


世界一知能が高い IQ230の女性の知能上達法と創造力

2013-04-16 09:27:17 | 教育論 読者の方からのQ&A
(過去記事です)


『「頭がよい」って何だろう』植島啓司  集英社新書

1985年のギネスブックでIQ230で
もっとも知能指数の高い人物として登録されている
マリリンという女性の話題が載っていました。

マリリン自身が語る
彼女の知的上達法は、次のとおり。

物事を書き留めたり、計算機を使ったりせず、頭の中で処理せよ。

なんでも断定せず、柔軟な心を保とう。
断定することは、学ぶことをやめることを意味する。
成就したいことがあれば、すべて自分で行動せよ」

というものでした。

子ども時代の柔軟な思考のあり方が、知的上達にいかに大切か
わかりますね。
著者の植島氏は、子どもには、身近なものに対する考え方を教えるべきだと書いておられます。

★ 必ずしも解答はひとつでないこと。
★ 違った道順で同じ結論に至ること。
★ 創造性は間違いの中にも潜んでいること。

などを、子ども時代にしっかり身に付けることこそ、
できるだけ最短距離を通って問題の核心に切り込めるようになる元となると。

幼児期から問いとひとつの答えを結びつける訓練をして、
学ばせることが、
子どもの頭を、大人のようにガチガチの固い状態にして、
先ほど紹介した3つの知的活動に不可欠な感性を
鈍らせないように気をつけなくてはなりませんね。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
それにしても、
★ 創造性は間違いの中にも潜んでいること。

とは具体的にどういう事をさして言うのでしょうか?

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
アラン・チューリングという数学者が、

デジタル・コンピュータという機械が原理的に思考しうること(思考する存在として振舞えること)を探求していくときに、

「簡単な問題をしばらく考えてから間違った答えを出す」というコンピューターについて考えていました。

天才的な数学者アラン・チューリングは、
「間違える」ということを、とてもプラスイメージで捉えているのです。

えっ?

と疑問に感じるかもしれませんが、

A=Bといつでも、
問いから正しい答えに直結するような考え方は、
テストでは良い点に結びつくでしょうが、

柔軟性や、応用力は乏しいものです。
あまり創造的ともいえない。

大学のテストは、あっという間に全て満点の解答をはじきだせる
コンピューターは、作ることができるでしょうし、今も存在するのでしょうが、
それが何万台あっても、経済の問題も、環境問題も
解決しないものですよね。
そうした未知の問題を解決するには、不完全だけど、柔軟で、応用力があって、創造的な
人間の頭脳が必要となってくるのでしょう。

『「頭がよい」って何だろう』
には、
次のような一文があります。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
一般的に、コンピューターは高速で計算処理ができるようにつくられており、
論理的な問題処理能力にはすぐれているが、柔軟性がなく、
応用力に乏しい。

それに対して、人間はあれこれ気をとられたりして、
なかなかひとつのことに集中できないし、
また、多くの過ちを犯すだろうが、
それによって、また新たな発見につながるようなプロセスを見出すことが
できるのである。

そう人間にとっては、間違えることこそ、
あらゆる創造力の源泉があるともいえる。
(『「頭がよい」って何だろう』植島啓司  集英社新書より引用)
--------------------------------------------------------------
間違えることこそ、
あらゆる創造力の源泉があるって、何だか不思議な表現ですね。

さまざまな創造力について書いてある本を読んでいると、創造力にとって、
「間違える」だけでなく、「忘れる」ということも、
大事なようです。

お茶の水女子大学で教鞭をとっておられる外山滋比古氏が、『知的創造のヒント』という著書の中で、次のように書いておられました。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

これまで学校教育が記憶だけ教えて、忘却を教えなかったのは、たいへんな手落ちである。上水道をつくって、下水道をつくらず、たれ流しにまかせておくようなものである。
知識の異常な詰め込みが行われている現代である。正常な自然の忘却機能だけに頼っているのが危険なことはわかりきっている。
それに気づかないでいるとは、いったいどうしたことであろうか。

……ものを考えるのは、ものを覚えるのとはちがうけれども、頭の中にいろいろごちゃごちゃ詰まっている状態が望ましくないのは共通している。
たとえ有用な知識であっても、頭がいっぱい詰まっていれば、そのあとおもしろいことを考える余地もない。
ちょうど一面に書き込まれている黒板のようなものである。新たに何か書こうと思えば、まず、書き込める場所をこしらえなくてはならない。
黒板をふくのである。
それが忘却である。

……心は白紙状態、文字を消してある黒板のようになる。
思考が始まるのはそれからである。自由な考えが生まれるのは、じゃまがあってはいけない。
(『知的創造のヒント』外山滋比古著 ちくま学芸文庫より引用)
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

こうした話を読むと、子どもたちを、いつでもどこでも「何となく忙しい」「あれもこれもしなきゃ」「わすれないようにしなきゃ」「失敗しないようにしなくちゃ」という強迫観念から解放してあげなくてはならないと感じます。

「やるときは、自発的に集中してやる。
遊ぶときは、全てを忘れてのびのび遊ぶ。」

そうしたサイクルが可能になるよう、生活を整えてあげたいですね。