虹色教室通信

遊びや工作を通して 子どもを伸ばす方法を紹介します。

絵カードコミュニケーション と 広汎性発達障害の子の個性に合わせた活動 1

2013-04-19 14:19:53 | 自閉症スペクトラム・学習が気がかりな子

言葉が出ない広汎性発達障害の子 1

言葉が出ない広汎性発達障害の子 2

自発言語がでてきた広汎性発達障害の子 

 

 でレッスンの様子を記事にさせてもらった★くんが

1ヶ月ぶりに虹色教室に来てくれました。

 

保育園での★くんは、クルクル回ったり、教室を脱走したり、新入園の子らの泣き声に耳をふさいだりする

困った行動が多くなっているそうです。

春の生活の変化がストレスになっているのかもしれません。

 

その一方で、おままごとやドールハウスで

簡単な遊びを楽しむようになってきて、

バナナを「ばああ」と言うなど物の名前の理解が進んでいるようです。

 

★くんのお母さんから、名古屋で行われた絵カード交換コミュニケーション

『PECS』の二日間のワークショップに参加してきた

というお話をうかがいました。

ワークショップを通して絵カードがもつ素晴らしい力、

何より受け身になりがちな自閉症の人が

自発できる素晴らしい方法が『絵カードを交換すること』だと学んだのだそうです。

 

虹色教室でバスのおもちゃに興味があるようだったので

似たような扉が開閉できるバスを購入し、フェーズ1を始めたところ、

お風呂の掃除をしているお母さんのもとへ、

★くんがバスの絵カードを持ってきて手渡したそうです。

 

その後、絵カードを使うことで、それまで嫌がって大変だった

お風呂や着替えがとてもスムーズになり驚いているとお聞きしました。

 

★くんは大きな音でも全く聞こえていないかのよう振舞う一方で、

小さな音でも聞こえていたり、

低い音嫌がったり、高い音程の音には興味を示したり、

騒がしい場で耳をふさいだりするなど聴覚に関して

気になる点がいろいろあります。

また口の中に敏感さや鈍感さを持っています。

 

耳と口という言葉の発達でとても大切な器官に

何らかの困り感を抱えているように見える★くん。

絵カードの『PECS』はとてもよいコミュニケーションツールになりそうです。

前置きが長くなりましたが、虹色教室でのレッスンの様子に戻ります。

 

★くんが教室に来るのは3回目。

 

教室に着いて、靴を脱いでいる最中に、★くんがくるっとわたしの方を振り返って、

にっこり笑顔を浮かべました。★くんが自発的にこちらの目を見て

ほほ笑む姿を見たのは初めてです。

 

★くんのお母さんがこんなことをおっしゃいました。

「外出する度に、手を振り払って走り出すので困っているですが、

虹色教室までの道は覚えていて見通しが立つから安心しているのか、

ずっと手をつないで歩いてきたのでびっくりしました」

 

教室での★くんは、先月までの★くんとは

別人のように落ち着いていていました。

 

最初に遊びたがったのは手作りの世界の建築物です。

★くん、初めて教室に来た日からこれが大のお気に入りなのです。

これを取って!とこちらに要求する★くんに

言葉で伝えようとして物の名前に近い音を口にしたり、わたしが「これ?ちょうだい」と

指さしや手でジェスチャーするのを真似ようとしたりする

姿がありました。

★くんが人とのコミュニケーションを楽しむようになってきているのがわかりました。

仕草のひとつひとつが、ちょっと甘えてみたり、首をかしげてみたりするなど、

何ともいえずかわいらしいものになっていました。

 

(↑初めて教室に来た日の★くん)

ねんど遊びや工作をする際に、人と関わる力が伸びてきているのを感じました。

 

 

 


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