虹色教室通信

遊びや工作を通して 子どもを伸ばす方法を紹介します。

分度器やコンパスを使わずに円を3等分する方法

2012-12-28 17:48:49 | 算数

勉強の面白さで集中する

の記事に、次のような質問をいただいていました。

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2つの円を使ってやる方法なら分かるのですが
(半分にずらして)
1枚の円でも可能でしょうか。
もしできるなら、後学のため、ぜひ教えてください。
大人でも面白いですよね。

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そこで、ブロック講座の合間に、子どもたちに円を三等分する方法にチャレンジしてもらいました。

 

まず、円の作り方。

 

皿など丸いもので型を取って切り抜きます。

 

次は、中心点の探し方。

半分に折って、さらに折って、折った線が交差する場所を見つけます。

 

本題の三等分の仕方です。

中心点に接するように折ります。

 

次に、先ほど折った部分の片方の端(えんぴつでしるしをつけています)

と中心の点に接するように折ります。

クレープを包む紙のような形になります。

最後に折った面の端部分と中心点に接するように折ります。

すると上のような正三角形ができあがります。

最後にこれを広げて、正三角形の頂点にあたる位置と中心をつなぐ線を引いて、

それをはさみで切ると

三等分することができます。

 

こうした折り紙遊びをしながら「なぜ三等分することができるのか」考えていると、

正三角形の角はどれも60度であることや、

「360度を三等分すると120度なので、

60度を半分にした角を2つと、120度を足すと三角形の内角の和である180度になるな~」など

さまざまな発見があります。

正三角形や二等辺三角形の性質についての気づきもたくさん生まれます。


ほんの一瞬の間に崩壊した 九九タワー 

2012-12-28 13:18:24 | レゴ デュプロ ブロック

前日、小学2年生の★くんが作ってくれていた九九タワー。

 

おそらく次のブロック講座が始まったら、

またたく間に壊されてしまうことは覚悟していたのですが、

せめて数名の子にでも九九タワーの全貌を見せてあげたくて

昨晩のうちにせっせと最後までブロックを積み上げました。

 

背後から見るとこんな感じです。

 

横から見ると、右から1ずつ増えていく階段、2ずつ増えていく階段、

3ずつ増えていく階段……9ずつ増えていく階段になっているのはわかりますか。

9の段はちゃんと×9まであります。

もし、内部が空洞でなく、ぎっしりブロックが詰まっているとすると、

ブロックの個数はわかりますか?

かなりの難問です。答えがわかった方はコメント欄に書きこんでくださいね。

 

ブロック講座の午前の部に集まった子たちは

それぞれ九九タワーと記念写真を撮りました。

その後、子どもたちと九九タワーを残した状態で、

残りのブロックで製作するか、

九九タワーを壊してダイナミックに製作するか話あいました。

全員一致で「壊したい!」とのこと。

「いっせいの~で」と構えて、タワーに飛びついた子どもたち。

あっけないほど、ほんの一瞬の間にガラガラとタワーは崩壊しました。


デュプロブロックで0~2歳児のおもちゃ作り

2012-12-28 08:53:35 | レゴ デュプロ ブロック
レゴ デュプロを買ったものの
まだ自分で何か作るのは難しい・・・という
0~2歳児のためのおもちゃのデザインを考えてみました。

写真の左に積み上げているのは

「いす」です。



0~2歳児は「いす」にお人形を座らせるのが
大好きです。
4色のはっきりした色が
子どもの色への理解力も 高めてくれますよ。
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レゴ デュプロ ブロックを写真のように
組みます。
ビニール袋をブロックではさんだら
「乾燥機」のできあがり♪

色紙のお洋服を入れて
フーっと息を吹き入れると
洋服がくるくる回ります。

どうすれば よく回るのか
工夫してくださいね。

ブロック講座16日目 九九を具現化した九九タワー ・合体メカ ・屋根のあるお家 遊園地

2012-12-27 15:49:54 | レゴ デュプロ ブロック

小学2年生の★くんが作ってくれている九九タワー。

お家でお母さんと九九タワー作りにチャレンジし、途中で内部を空洞化したり、新しいブロックを

買い足したり、どうしてもブロックが足りなくてギブアップしそうになったりしながらも、

「もうちょっともうちょっと」「どうしても完成させたい!」とがんばりぬいて作ったそうです。

それにしても大量のブロック……。

「中学入試の立方体に断面図を推理する問題や

四方から見た図から体積や表面積を考える問題や規則性の問題などを

楽しく学ぶのに役立ちますよ」という話をすると、

「無駄になるかと思いました~」と★くんのお母さんはほっとした様子で

笑っておられました。

「すごいね~。教室のみんなにも見せてあげたいわ」という話をしていたら、

「いいよ、作ってあげるよ」と★くん。

といっても、ブロックがどの色も無限にあるのなら簡単に作れるのですが、

作り始める時点で、ブロックの数を最小限にとどめる方法を考えながら作っていかなくてはならないのです。

家ではブロックの箱がちょうど空洞部分にはまったそうですが

虹色教室にはそれらしい箱がありません。

 

しっかりした紙箱をカッターで適切なサイズに切って、

見える面の一部を赤いシールで覆ってカモフラージュして

作ることにしました。

★くんはこれまで虹色教室のワークショップに何度か参加してくれている子です。

幼稚園児の頃、初めて作った作品は、段ボール箱の内部をビー玉が滑っていくコースター。

その後も見えない部分を推理しながら作る工作が続いていました。

2年生の今、九九タワーを作りながら

数を最小に抑えるためにさまざまな方法を駆使して

根気よく作業していく★くんの知恵に

すごく感動してしまいました。

6歳の仲良しの女の子ふたり組の作品です。

どちらの子も2階、3階……とどんどん高くしていったり、

屋根などを階段状に作るのに一生懸命でした。

エレベーターも、「まだまだ、高さが足りない、まだまだ」と言いながら、

どんどん作って、はっとするほど立派にできあがっていました。

 

が、なぜかこのおふたりさん、すごい努力家で慎重にていねいに作品を作るのに、

移動する際は大雑把。

できたとたんにはしゃいで、ぴょんぴょん跳ねるように移動したため、

せっかく作ったばかりの作品が、半壊してしまいました。

 

その後も、大騒ぎしながらも、手抜きもせずにまたがんばって作りなおし、そして

再びはしゃいで、うろうろしては、自分たちのすてきな作品をガラガラと崩す……をエンドレスに繰り返し、

親御さんたちが参観に見えてからも、

それが続いていました。

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小学1年生の●くんはさまざまな種類の戦闘機のメカと

鳥の巣型の基地を作ってくれていたのですが、

写真を撮りそびれてしまいました。

そこで●くんがお家で作ってきてくれている合体メカの

変形過程の解説書を紹介しますね。

ひとつひとつ名前をつけているそうです。

 

パワーの数値や技についての説明がぎっしり書きこまれています。

年中さんの☆ちゃんとわたしの合作です。遊園地内の汽車は、途中で水の中をくぐっていきます。

車型のブランコは昨日

午後の部(まだ記事をアップできていないので近いうちにしますね)

の親御さんが3歳の子に作ってあげていたアイデアをまねさせていただきました。


ブロック講座 15日目 螺旋を滑る降りるコースが作りたい! ぼくの駅!飛行場のお仕事。

2012-12-26 21:26:26 | レゴ デュプロ ブロック

今回は年少さんの●くん、年中さんの☆くん、年長さんの★くんが

参加してくれました。

少し早く着いた★くん。線路を見つけて円形につなごうとしたのですが、いくつかの線路セットが

混ざっているセットだったので、なかなか丸くなりませんでした。

そこで、「だんだん高くなるようにらせん状に線路をつなげていって

車が滑り降りるようなコースターを作ったらどう?」とたずねると、

「作りたい作りたい」と大乗り気でした。

このすべり降りるコースターは、以前、お子さんのレッスンにいっしょにいらしていた

お母さん方が作ったことがあるのですが、

下まできれいにすべっていくように作るのは至難の技でした。

 

もちろん、今回のコースター作りの大変さも見た目以上でした。

作っても作っても、うまく車がすべってくれません。

とても粘り強くて

うまくいかなくなるほど一生懸命取り組みだす★くんは、

「先生、薄っぺらいブロックもっとないの?」「もっと!」と

レアパーツを探しては、線路の下の土台を組み続けていました。

うまくすべった時は大感動!……かと思いきや、完成するまで

休む間もなくがんばっている★くんですが、できあがり作品にはあっさり。

すぐさま、「動物園作りたい」

と新しい作品作りに飛びついていました。そこで、●くんがコースターに

車をすべらせては遊んでいました。

 

★くんがコースターを作っている間に

●くんが線路をどんどん伸ばしていってすてきな駅を作りました。

「飛行場を作りたい」と飛行機、トーイングトラクター、タラップしゃ、コンテナ、フードローダーなど

飛行場の図鑑を見ながら

さまざまなものを作っていた☆くん。写真を撮ろうとすると、

「まだ、まだできていないから、だめ。恥ずかしい」といって

撮らせてくれません。いろんな面白いものができていたのですが残念です。

 

飛行機が飛び立つ前のさまざまな流れを真剣に実演してくれます。

本気になってあんまり大きな声でエンジン音を真似るので、

●くんが、「声が大きいよ。飛行機はもっと小さい音だよ」と注意しました。

「そんなことない。飛行機はこんなに大きな音だった!」と☆くん。

そこでわたしが、●くんの飛行場は東京にあるやつだよね。

東京の飛行場は、騒音公害になったらだめだからちょっと小さな音にしているんじゃない?

☆くんの飛行場は九州にあるやつ?

九州でじゃそんなに大きな音で飛び立っていたの?」とたずねると、

その後も飛行機についてあれこれ言い合っていた●くんと☆くんですが、

そうした言い合いの中で、とてもすてきな解決案も出ました。

 

飛行機の車輪は飛び立つときに機内に隠れなくちゃならないし、

前方の車輪はふたつだけ、と言う☆くん。

でも、ブロックの車はどれも4輪なのです。

 

そこであきらめて、前も後ろも4輪の車を取り付けていると、

「前の車輪はそんなにたくさんないよ」と●くんが言いました。

「●くん、☆くんはね、それはわかっているんだけど、

ブロックの車輪がそれしかないから我慢してつけているのよ」と

わたしが説明すると、

「そうだ、それなら、つ、も、り、にすればいいんだ」と☆くんが言いました。

「車輪があるつもり、だよ。見立て、だよ。」と言いながら、

車輪を緑のブロックと取り換えたのです。

☆くんにも●くんにも

緑のブロックは飛行機の前方で回転する小さな車輪に見えたようです。


勉強の面白さで集中する

2012-12-26 21:07:48 | 工作 ワークショップ

今年の冬休みは連日、ブロックのワークショップで明け暮れているのですが、

1年前の今日は何をしていたのかというと……(毎日、グーメールの1年前のブログ記事が送られてくるので見てみると)

工作と勉強のワークショップをしていました。

懐かしいので再度、アップさせてくださいね。(忙しい方はスルーしてください)

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今日は小学生向けの工作のワークショップ♪

子どもたちの熱心さに旅行疲れも吹っ飛びました。

小学生限定の工作のワークショップだったため(数名の幼稚園児も参加)

「図形」と「分数」をテーマにした学習もたっぷりしたのですが、

どの子も前のめりになって夢中になって考えてくれて

うれしい限りでした。

 

↑ 分度器やコンパスを使わずに

円を3分の1に正確に切り分ける方法を考えているところです。

答えのお手本を見せると、

幼稚園の子らまで息もしていないほど

真剣に観察していました。

 

↑四角柱や五角柱の形や展開図を絵にしています。

お菓子の箱を切り開いて答え合わせをすると、

子どもたちの心に強くヒットした模様でした。

学習タイムが終わっても図を練習し続ける子が何人かいました。

 

↑ 立方体をふたつに切り分けた図を見て、

展開図に切り込み部分の線を入れているところです。

この展開図はこんがらがるような折り方になるので

かなり難しいのです。

子どもたちはいつの間にかぞろぞろ集まってきて

われこそは……と解いていました。

実際に自分の答えを試してみるための

折り紙で作った展開図を配ると、「わたしもいる」「ぼくもいる」と

どの子も手を出して、自分で試していました。

↑小学2、3年生の子たちも初めて学んだ

時速や体積の問題を、はりきって解いていました。

↑みんなで手作りした分数ゲームとさいころです。

さまざまな形のサイコロ……

各面の出る確率が異なるサイコロ、六角柱のサイコロ、一度に2つの面が出せて

足し算して目の数にするサイコロなどオリジナリティーあふれる作品が

たくさん作られていました。

↑ 正確な立方体のさいころを作るのに

真剣です。

↑幼稚園児の弟くんはプラモデルを制作中。

 

今日は『中学入試用の暗記物クイズ大会』の日でした。

子どもたちはとにかくやる気満々でした。間違えることを気にせず

よく知らない問いにもどんどん手をあげていました。

それだけ真剣に取り組んでいたおかげで、

どの問題もしっかりマスターした様子。

 

最初にしたのは天体や星に関するクイズ。

冬の大三角や夏の大三角の星の名前やその星が含まれる星座の名前、

太陽系の惑星の名前などを当てていきます。

今日は天体マニアの子らの参加が多かったので、

天体についての問題を出したい子が続出し、

かなり難しいうんちくもしっかり頭に入りました。

ボランティアのお姉さんと漢字クイズ。

それぞれの子が6年生までの漢字辞典から

最高に難しいと思う漢字を選んでホワイトボードに書きます。

それから2秒後に画用紙で隠し、

瞬間で記憶する力を競いました。

子どもたちはこの遊びを通して、

どんなに難しい問題を出そうとしても

たいてい2秒で覚えられることを実感していました。

次は『自分のコレクションしているもの』について

作文のように話す時間。

 

自分が集めているもの(好きな物)についての説明。

集め出したきっかけ。

具体的にどのようなものがあるか。

なぜ好きなのか。

みんなに教えたい面白いところ。

など……。

 

この時間は思った以上の人気でほぼ全員が話したがりました。

また自分の番には、他の子の表現方法を取り入れて、

さらに磨きをかけて話していて感心しました。

↑の写真は、時刻表と切符のコレクションを見せてもらいながら、

お友だちが作文を作るように話すのを聞いているところです。

 

歴史のクイズは、

縄文時代や弥生時代、江戸時代などの絵本を見ながら、「縄文時代がなぜじょうもん時代と呼ばれているのか?」

「高床式倉庫が何に使われていたのか?」とか、「江戸時代の漢字を2秒で覚えて書く」などで

盛り上がりました。

他にも理科や社会のクイズをいろいろ楽しみました。

 

特に子どもたちが喜んでいたのは、

てんびんの重り当てクイズ。

最初は意味がさっぱりわからなかった子らも、

他の子らが解答するうちに

直観的に解き方を理解していました。

 


勉強でつまずく小学生 「できるようになりたい」と思わない子

2012-12-25 20:21:05 | 初めてお越しの方

勉強につまずいている小学生が
「できるようになりたい!」という向上心を持っている場合、
指導の仕方を工夫すれば、きちんとできるようになっていくことでしょう。


でも、子どもが「できるようになりたい」と思っていない場合、
できるようにするのは、一筋縄ではいかない難題です。


子どもが「できるようになりたい」と思わない理由はさまざまです。

「できるようにならない」ことで自分に注目を集めたり、
親への間接的な不満を「できない」ことで表現したりして、
大人をコントロールする子たちがいます。


また、自分のことなのに、自分のことのように思えなくて、「こうなりたい」という欲求が生まれてくる自分の核となるものがないように見える子もいます。

いつも子どものことを親御さんが決めていて、
子どもの自我がきちんと成長していない場合そうなりがちです。
最近は、子育てが、ママ友とのお付き合いの付属のオプションのようになっていて、
親の「(子どもが)こうであってほしい」と、子どもの「こうなりたい」の境界線が、
親にも子にも見えなくなってしまうケースを見聞きします。

そうして親子で一心同体のまま、二重に心を重ねた状態で、ある年齢までいってしまうと、
子どもの自立したいという思いは、
親の「こんな子に成長してほしい」という気持ちに反抗する形で、
あらわれてくるかもしれません。

子どもは自分の成長を犠牲にしてでも、
自立をしなくてはならない危機に陥っているのです。


「できるようになりたい」と思わないのには、
他にも、さまざまな理由があるでしょうが、
「できるようになりたい」と思わない子を、できるようにさせようとして、
手を変え品を変えして教えたり、
学校の先生の教え方に不満を持ったり、
塾に入れたりするだけでは、おそらくうまくいかないはずです。

たとえ、一時期、成績が伸びても、
少しすると、もっと大きく膨らんだ学習上の問題にぶつかることでしょう。
根本的な問題を先送りすることになるからです。

「できるようになりたい」と思わないのは、
良い成績を取れないからで、
易しい問題から繰り返し訓練して自信をつければ、「もっとできるようになりたい」と思うはずだと考える方は多いでしょう。
確かにそういう子もいます。

でも、それは大人の都合の良い解釈で、
そうした「子どもはこんなもの」という大人の気持ちの押し付けの連続が、
「できるようになりたい」という気持ちを奪っていることもよくあるのです。


「できるようになりたい」と思わない子が
「できるようになりたい」と思わない理由のもとは、幼児期の過し方にあるように思います。
幼い子たちは、あちこち探索していたずらしたり、自分で食べようとして食事をぐちゃぐちゃにしたりしがります。

砂遊びやねんど遊び、水遊び等も好みます。
そのように
大人には理解しにくい
「こんなことをしてみたい」「あんなことをしてみたい」という
子どもなりのやりたいことがあります。

でも、その時期に、おしゃれをさせて、
お母さんのしてほしい遊びを子どもがするのを望んだり、
習い事やサークルに連れて行って、
お母さんの過してほしい時間の使い方をさせたりしていると、
本当に子どもがやりたいことを、少しもしていなくても
お母さんも子どもも気づけなくなってきます。

でも、意欲ややる気や意志は、その時期、その時期の子が、
自分の内側からの衝動で、
「面白そう」「やってみたい」と思ったことを、
とことんやりつくすうちに育ってくるものなのです。

石ころを水の中に入れ続けるとか、水たまりで遊ぶとか、
ままごとばかり四六時中するとか、
親ではなくて、その子自身のアンテナに引っかかったことを存分にするからこそ、生まれてくるのです。

親が子どもにやらせたいことをして、ごほうびをあげて喜ばせても、
何かができるようになったとしても、
子どもの中に本当の意味での充足感や達成感は生まれません。


自分がやりたいと思ったことを、疲れるまでやりつくしたときに
「もっともっと成長したい」と願う強いエネルギーが湧き上がってくるものだからです。

話は変わりますが、
教室の3、4年生の子たちが、「学校でホラーマンガが流行っているよ。」「いろいろあるよ。みんな読んでいるよ」と言うので、私も見せてもらったところ、
「いじめ」や「殺人」や「自殺」がエンドレスで繰り返し登場する心をざわざわさせる内容でした。
まさか低学年の子らは読まないだろうと思っていたら、2年生の女の子たちのグループも口をそろえて、「学校で流行っている、流行っている」と言うので驚いてしまいました。
小学校低学年くらいから、何度も何度もいじめと死のシーンが繰り返されるストーリーが流行るなんて……
小学生たちに蔓延する不安やイライラした気持ちの深刻さを感じました。

子どもたちから、「自分」というものや「自分らしさ」が
奪われていないか、気にかかりました。


大人の期待する通りに、
「もっと勉強ができるようになりたい」とはりきって勉強する子だけが
良い子で、正しい子で、「できるようになりたい」と思わない子には
問題がある……
と言いたいわけではないのです。

「できるようになりたい」と思わないという態度からは、
子どもからのSOSやメッセージ、
隠れた問題を表面化させて改善しようとする意志が含まれているように感じられることが多々あるということをお伝えしたかったのです。


たとえば、
外からは見えにくいハンディーキャップが原因で、
読み書きの障害や推理力や一般化する力に苦手があって、
本人は周りの子と同じように努力しているつもりでも
いっこうにできるようにならないとします。

そんなときに、ハンディーキャップを軽減するような学習方法を工夫せずに、
勉強量を増やすとか、お友だちのママに聞いて良さそうな塾に入れるとか、
安易な解決法を繰り返すとどうなるでしょうか?

がんばってもがんばっても努力が報われないので、
勉強に対するあきらめの気持ちや劣等感が強くなって、
「できるようになりたい」と思うことに抵抗を感じるようになるかもしれません。

「怠け者」とか「勉強嫌い」という表現は、そうした子たちにあいません。
「できるようになりたい」と思っては、何度も何度も挫折した時の古傷がうずくので、
「できるようになりたい」という気持ちに蓋をして感じないように
しているだけなのです。

そうした子たちには、ただただみんなと同じ勉強を押し付けるのではなくて、
できない理由をていねいに見極めて、
本人が「できそうだ」と見通しを立てられるような
方法を示してあげなくてはなりません。

努力をすれば、努力がきちんと報われるという実感を
感じさせてあげる必要があるのです。

一度、深く傷ついてしまうと、傷は簡単には癒えません。
勉強をさせるだけではなく、学習する際に負ったトラウマを長い期間をかけて
癒してあげることが大切だと感じています。

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ごく一般的な子の場合、
「できるようになりたい」と思わないという態度は、
自分のことをあまり大切にしないという態度と
つながっていることがあります。

「できるようになりたい」という気持ちは、
「認められたい」「大人になりたい」「自立したい」「もっと自分を表現したい」「目標や目的を持ちたい」という思いでもあります。

これまでの経験で得た達成感や自分への信頼感、次にできそうなことがわかっている安心感などの土台の上に
生まれる気持ちです。

ですから、子どもにあまりにも「できるようになりたい」という気持ちが
見られない場合、
「勉強なんて、どの子も嫌いなものよね」と安易に捉えずに、
ストレスが溜まっていないか、
心の中に不満や言いたいことを溜めていないか、
強い劣等感を抱いていないかといったことを、よく見てあげる必要があると思っています。

ささいな口げんかもしないような仲良し親子の場合、
子どもは親に言いたいことを
きちんと言葉にできていないかもしれません。

「子どもの願いを何でも聞いてあげる優しすぎるお母さん」は、
子どもから反抗期を奪ってしまいがちです。
すると、子どもの側は、
親離れできないイライラが原因で、
「子どものまま、がんばらないまま
いつまでも成長しないでいよう」という態度に執着することがあるのです。


小学生の子が勉強につまずくとき、
あわてて他所の子と同じ対応をするのではなくて、
わが子をきちんと見たり、
わが子と親の関係を見直したりすると、
問題は深いところから解決しはじめるかもしれません。

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余談ですが、この「できるようになりたい」と思わない……という気持ちは、
私の小学生時代を振り返ると思い当たる感情なのです。

私は非常に母と仲が良くて、今でいう友だち親子のような間柄でした。
反抗期もありませんでした。
私や妹の習い事を選んだり、手作りの服でおしゃれをさせたり、私や妹の友だちのお母さんとお付き合いをするのが母の楽しみでした。

自分のことは脇において、わが子の成績が伸びることや、ピアノが上達すること、絵や作文で表彰されることだけを生きがいのようにしていた母を
嫌だとは思わなかったし、母の喜びが自分の喜びでもあったものの、
私はいつも自分にブレーキをかけていました。

何かできるようになって、注目を浴びると、さらに次の期待をかけられる……どんどん「自分のこと」が、「自分のこと」じゃなくなっていくような気がする……。

と、自分が成長していくイメージに対して、
それに覆いかぶさり侵入してくるような親のイメージが、いつもつきまとっていたのです。

そうしたもやもやとした不安を抱いていても、私は母の提案に「イヤ」と言うことはできませんでした。
いつも母が喜ぶような答えを先回りして言うので、
母の願望は、そのまま私の願望であるように伝わっていました。

ですから、外から見える私は、やる気があって素直で優しい良い子でした。
がんばってもできないのはご愛嬌。

でも、心の中の私は、一歩踏み出すことにいつも躊躇していました。
全力でがんばることを出し惜しみしていました。
そのどちらも、一時期、母を喜ばしはしても、自分のプラスにならないと感じていたからです。

それと、自分で意識できない部分では、私という人間を自分の私物のように扱う母に、
「成長しない」ことで仕返ししていたのです。

私と母が、そんな不健康な依存しあう関係に陥っていたのには、
母が、乱暴な父や、
言うことを聞かない妹との関係で悩み苦しんでいたからです。

それで私は、母の不幸を埋め合わせるのは自分の役目であるように感じて、
心理的に母子べったりな関係から抜け出せずにいたのです。

そして、母の過保護で過干渉な態度をすべて受け入れ、
母の期待を、まるで自分の願望であるように見せかけてもいました。

でも、どんなに周囲に微笑ましいく映っても、
親と子がささいなぶつかりあいもできないような関係は
息苦しくて、
成長を蝕みます。

子どもにすばらしい人生を用意しようと親が努力するほど、
親の用意した道を歩む子の足取りは重くなるものです。

母が私のことに夢中になるほど、私は自分の能力を高めることに投げやりになっていました。

といっても母を喜ばせるために、表面上はがんばってはいるのです。でも、常に、心ここにあらずで、いつも自分にブレーキをかけながら
上達することに怒りすら感じていたのです。

なぜ、怒りまで感じていたのかというと、
何かができるようになって親を喜ばせることは、
親離れできず親のおもちゃになっている自分に直面することでもあったのです。心の中で、それを恥ずかしく思いながら、気持ちに蓋をしていたのです。


そんな子どもの頃のことを思い出すと、
「子どもに過剰な負担をかけないために、
親は自分から少しずつ子離れする努力をしなくてはいけないな」と感じています。
親がしがみついていたら、子どもは親に遠慮して
親離れできないものですから。

親と子の間にきちんと境界線が引かれて、
子どもは子ども、親は親として幸せに自分の人生を生きていくならば、
子どもは、親離れ子離れを遅らせるために無駄なマイナスの方向のエネルギーを使う必要はなくなります。

すると、子どもは自分の成功を勝ち取るために、
自分を最大限に成長させることに集中できるようになることでしょう。



ブロック講座 14日目 午後の部  車が入る時に上にスライドする扉がある船、ロケット、動物の森と飛行機 

2012-12-25 17:57:20 | レゴ デュプロ ブロック

 

午後のブロック講座には、4歳の☆くん、5歳の★くん、●くんの3人が参加してくれました。

 

船を作っていた★くん。

感覚が優れている子のようで、赤、青、黄色と配色にもこだわって

ていねいに船の壁を作っていました。

★くんが参考にしていた図鑑には、船の後ろの部分が開いて

車が乗り込む様子が載っていました。

 

「こんな風に、上に上がるように作りたい」と★くん。

ストローやゴムで、はねあがる仕掛けなどを見せましたが、

「そういうのじゃなくて、上に手で上げるんじゃなくて上がっていくようにしたい」とのこと。

そこで、★くんとさんざん試行錯誤を繰り返したあげく、

横にひもを引っ張ると、船の背後の板が上にあがっていく仕組みを作りました。

 

教室にひもを引っ張るとぴょこんと動物が上に飛び出す

びっくり箱風の仕掛け見本があるのですが、

それの応用です。

 

●くんは、ブロックの基板を何枚も何枚もつないで長い船を作っていました。

その最中に、わたしと☆くんがいっしょに作っていたロケットに

足を引っかけて壊してしまいました。

 

責任を感じた様子の●くん。

「ぼくが作りなおすよ」とせっせと最初からブロックを組み上げていきました。

こんな立派なロケットができあがりました。

最初にロケットを作っていた☆くんは、もう次に興味が移っていたので、

「もうロケットはいい」という話でした。

その後、☆くんは、すてきな飛行機やヘリコプターを何台か作っていたのですが

写真を撮る前にさっさと壊してしまいました。

新しいことをどんどんやりたがるエネルギッシュな子の一方、

作ったものには、ほとんど未練がない様子……。(写真を撮りそびれて残念……)

唯一写真に収められたのは、作り始めで時間切れとなった未完成の「動物の森」です。

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お手本通りブロックを組んでいけるか、チャレンジ中。

間違えた後で、どれがどんな風に間違えているのか、

考えています。

輪ゴムを使って、ブロックが自動的に動く仕掛け作りを学んでいるところです。

 

 


事務Kより連絡 【メール連絡について】

2012-12-25 17:53:52 | 連絡事項

こんばんは、クリスマスですね~

今年は不思議なサンタを見ました。

背中はサンタなのにお顔を見に行くとトナカイという2面のクリスマス衣装のお姉さん。

不思議な気持ちでした…前がサンタなら可愛かっただろうに。

 

さてと、本題です。

現在、少しお休みを勝手に頂きましてメール連絡が遅くなっております。

また個別にお詫びを申し上げますが、一旦ブログにて…

 

年内に出来る限りを処理したいと思いますので、申し訳御座いませんがもう暫くお待ち下さい。

 

次に、此方の方が大事なのですが、携帯電話で私のYahooメールとやりとりしておられました方で

特にドコモユーザーさま。

ドコモの迷惑メールフィルターが大活躍しておりまして届かない状態で此方に返送されています。

 

迷惑メールのフィルターを解除するのは、私も賛成ではないので個別に受信許可を設定して頂く

または

此方とのやり取りをPCメールに変更する(この場合はコメント欄にご記入下さい)

 

PCメールでもやはり相性があるようで上手く連絡がいかないケースも御座います。

不安だという方はその旨、ご記載下されば此方からメールの送受信の確認をさせて頂きます。

 

送信は3日以内でいこうかな…と考えています。

スマホからYahooメールアプリで送ります。

 

欠席連絡につきましては、Yahooメールでもコメント欄でもどちらでも対応出来ますのでお好きな方に書き込みをお願い致します。

 

今からざっくりとご連絡していきますので、迷惑メールフォルダー等もチェックお願い致します。

 

 

以上、年内はこれでブログへの登場は無い予定ですので…

皆様が良いお年をお迎え出来ますよう心からお祈り申し上げます。

 

来年も宜しくお願い致しますm(_ _)m


ブロック講座 14日目  将来は、歴女?地理女?さんたちの作品   那智の滝 と青岸渡寺の三重の塔

2012-12-25 12:53:30 | レゴ デュプロ ブロック

↑ 那智の滝 と青岸渡寺の三重の塔

今回のブロック講座に集まった年長~小2の女の子3人は、

何を作りたいかの最初の話し合いの時間から一貫して「寺院が作りたい!」という

お寺好きの子たち。(みんな初対面です。)

将来は「歴女」とか「地理女」とか呼ばれるような

マニアックな趣味につっぱしっていくのでしょうか?

 

真剣に黙々と作り続けてくれました。

 

インドのタージ・マハル(お墓です)