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虹色教室通信

遊びや工作を通して 子どもを伸ばす方法を紹介します。

幼児期には最上位のフレームワークの要素に注目して教育することが大事! 2

2009-08-01 19:25:11 | 教育論 読者の方からのQ&A
前回の記事で、
『成長』とはある地点からさらに良い地点に移動すること。
成長という移動ができないときは、最上位の移動要因である

効率
判断
やる気

を改善すれば、たちまちうまくいきはじめる。

と書きました。それでは、この成長……つまり頭がよくなったり、潜在能力が発揮されたり、成績があがったりするためにもっとも大事なカギをにぎる3つの要因について幼児教育という面から説明していきますね。

船でいうと、

効率とはスピードのこと。

判断とは舵取りのこと。向かう方向の判断がまちがっていたら、いつまでたっても目的地に着きませんよね。

やる気はエネルギーのことです。

『なぜ人は情報を集めて失敗するのか? 目標達成論』によれば、この3つの中で最も重要なのは『やる気』なのだそうです。

文字が読める書ける幼稚園児があたり前となった時期から、
子どもの学力が下降線をたどっているのは、
ゆとり教育が問題なのではなくて、
子どものやる気を無視した大人がコントロールすることを目指した教育が
まかり通るようになったからじゃないかな?とも思えます。

幼児期には一生役に立つやる気の基盤を作るだけでも十分なのかもしれません。
やる気の基盤とはなにか……というと、幼児期に
遊びつくすことです。

遊びのアトリエのレオ先生もこの点を記事にされていました。

もうひとつやる気の基盤は、親から愛され認められることで身につきます。
それを十分経験してはじめて、
自分から一生懸命してみたい習い事を見つけてきて「お願いだから習わせて!」と言ったり、自ら努力して勉強がスポーツにはげむようになるのです。

判断とは?

良質な判断は、1000のおろかな行動(打ち手)に勝る

は数千年前からの常識なのだそうです。

単に考えて判断すればいいじゃんと考えている人と、
ものごとの長期的な成功のためには戦略が必要であると判断している人では
どちらが最善手を見つけやすいでしょう?

戦略とは、手持ちのエネルギーを、得たい結果を得るために集中させることです。
つまり捨てるものを決めること。
成功するには、オールを漕ぐのをやめて、
静かな考える時間を作ることも大事なのだそう。
毎日、どこへ進めば良いのかより正確な海図に書き換えられるからです。

私はこの『判断』という勉強ですばらしい結果を得たり、目標を達成したりするための要素は、

幼児期に親が自分の考えたレールに乗せないこと

つまり、自分で海図を書き換える基礎訓練をつめるようにしてあげること。
子どもが自分で考えたり失敗したり、やめたい捨てたいと思ったとき、いさぎよく
決断できるようにさせてあげることだと思います。

親の指示待ち人間してしまったら、いくら優秀な学校を卒業したとしても
どうなのでしょう?

判断を育てるには
工作や秘密基地作りなどで戦略を練ることに慣れさせることが大事です。

効率について

虹色教室に遊びに来ていただいた親御さんに
中学受験の入試問題や、高校受験の入試問題に目を通していただくことが
よくあります。
するとたいていの親御さんが、
最終的にこのようなことを求められているのか~なら今わが子に必要なことは……とはっと気づかれるのです。
現実の入試問題で最も良い成果をあげるには
計算を速くしておくことよりも
漢字をたくさん学んでおくことよりも
ひらがなやカタカナがきれいに書けるようになるよりも
重要なことがいっぱいあります。
ある程度成長して、現実に求められる能力から逆算していくと、今すべきことが見えてくるのです。

そのひとつは、積み木やブロックで遊んで空間認知能力を良くしておく事です。
それは幼児期だからこそ
脳そのものが、3Dのイメージが扱いやすい状態になっていくからです。
いっぱい手を使って遊ぶことは
将来の学習効率をすばらしく向上させます。

工作がぱっぱとできたら、数学で線分図を描くのなんて簡単です。

またボードゲームなどで遊んで、頭の中で思考を追っていくのが簡単になれば、
文章題が複雑になってもよどみなく理解できるので効率的です。

『なぜ人は情報を集めて失敗するのか? 目標達成論』の中に

なぜ成功者の真似をしても成功しないのか?という理由が
書いてありました。
子ども2人を東大に行かせた親の話を聞いたりすると真似したら
うちの子も東大生?と思いますよね。
でもこれには盲点が……。
真似しても真似した相手と同じ結果が得られないのは、
だいたいが効率を引き上げる多くの要素のうち、一部を真似たにすぎなくなっているからなのだそうです。

東大に行かせた親を真似ると、お徳な情報を得れてちょっと効率的かもしれないです。
でも子どもがやる気がない子で、おまけに考えて決断するのは親頼りだと
そりゃ同じ結果を得るのは難しいですよね。

だったらシンプルに、

わが子のやる気を愛情や遊びで育てて、
日常生活で自分で判断する経験をさせて、

手を使ったり体を動かしながら脳が成長する幼児期には遊ばせて、
集中して訓練して能力が伸びる小学校になって訓練によって伸びるものを伸ばせば

良いのでは?と思うのですが……


↑の著者も結果を得るということを考えた場合は、表面的な成功事例よりも、
効率、判断、やる気の総合得点の方がはるかに重要!!と述べています。
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5 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
効率とは (アキコ)
2009-08-01 22:53:51
奥が深いお話で、何度も何度も読みました。
「やる気」
「判断」
の2要因はわかってきたのですが、「効率」という
考え方、今までの私には全くなかった視点なので
新鮮でした。
どうも「効率よく」は大人の世界では良くても子供の
世界では「要領がいい=悪いイメージ」だったので。

効率をよくする、というのは、先日のお話の、
「遊びと学びの中間ゾーン」に踏み込んでいくことで
鍛えられる、と考えていいのでしょうか。
返信する
Unknown (らん)
2009-08-01 22:59:01
いつも読ませてもらっています
共感するところが多くホントに勉強させてもらっています


『親の指示待ち人間してしまったら、いくら優秀な学校を卒業したとしても
どうなのでしょう?』

本当ですね

社会人になって働いても主婦になっても 一生自分で判断することってついてまわるものですよね

幼児期の今表面的にできることが多くても 長い目でみると 自分で判断できること 自分で考えられることはとても大事なんじゃないこと思いました

幼児期の今 愛情と遊びの経験から 木の根っこ=基盤をつくってあげたいと思いました 急がずゆっくりと・・・ 
幼児期ってとても大事な時期なんですね




返信する
Unknown (いけいけ)
2009-08-01 23:21:00
本質は分かっているつもりなんですが、実際はなかなか・・・
いつも勉強になります(礼)
いろんなジャンルの本を借りてきて、興味のある本があったらそれに類似した本を借りてくる作戦で、最近は時計にハマってます♪
教え込むつもりはありませんが、読めるようになってきたらそれはそれで親も嬉しかったりします。
ブロックが疎かになってきているので、これは遠回しに働きかけてみようかな(笑)
返信する
Unknown (ゆうなな)
2009-08-03 08:51:50
先月末はレッスンを有り難うございました。
レッスン後溢れる想いが止まらずとりとめもなく書いた長いメールを失礼致しました。

現在の私にとって心にとめておくべき大切な点をブログにしてくださって有り難うございます。

大切な幼児期の今
効率・判断・やる気を愛情と日常生活・遊びの中で育むことが大切なのですね。

子供が今やりたいこと・望んでいることに
もっと敏感になりたいと思います。
返信する
Unknown (3匹のハハ)
2009-08-03 22:37:21
早速この本、読みました。
これ、受験生向けなんですね。
書店のコーナー見て、びっくり。
見つけたのは偶然なんですけど。

内容、面白いですね~!!
普段先生の仰ってるお話と重なる部分があって、
興味深く読むことができました。
また良い本を教えてください。
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