算数が得意な年長の★くんが、
去年に続いて夏の算数クラブに参加してくれました。
★くんは、去年は将棋に、今年はボーリングに夢中になっている男の子。
★くんは、好きな将棋やボーリング以外では、
何をするにもやる気がなさそうに
むすっとした態度で「そんなの知ってるし」といって、だらだらする態度が目立ちました。
他の子が、「やりたい!」「私!私!」と手をあげるときも、
「どうせ~なんでしょ」と気のない態度。
そこで、お母さんたちに席をはずしていただいている間に、
「そんなの知っている、つまらないと思うのは、
知っていると思いこんでいるものに隠れているすごいものを、見つけようとしないからよ。それができるようになれば何だって面白いの!」とビシッと告げて、
少し難しい課題をいろいろ与えました。
すると、この子にちょうどいい頭を絞らなくてはならない課題や、
うまくいかなくて四苦八苦する場面にぶつかると、
だんだんと、
笑顔と真剣な表情が浮かんできて、
友だちと協力しあっていきいきと過ごすことができました。
先取り学習といっても、単に暗記しながら先に進んでいくばかりだと、
大人から与えられる課題は、簡単すぎて面白くなかった~
という思い込みにつながる場合があります。
ある程度、力のある子には、
知っている知識も、他の視点から眺めたり、
工作などに生かす新発見を見出したり、より深く考えていく方法を教えていってあげないと、勉強をバカにするようになってしまいます。
帰り際に、親御さんにそのことを伝えていると、
「九九を今から教えるべきでしょうか?」という相談をお受けしました。
★くんタイプの子は
ただ九九を暗唱させる、九九のワークをさせるという
先取り学習をさせるだけでは、
学校で学ぶ際に「そんなの知ってるし~」とだらけた態度を作ってしまうことは目に見えています。
九九をさせるなら、覚えた九九を活用して、
算数パズルを解いたり、
ゲームをしたり、九九によって、算数の概念の理解を広げて、
最小公倍数、最大公約数、鶴亀算数、割算などの問題を考えることを
楽しむなどしないと、
ただ暗記するだけでは★くんの性質なら飽きがくるだろうと思われました。
そうしたときに、
大事なのは、親御さんが、
★くんはどんなとき、いきいきしているのか、
どれくらいのレベルの問題を、どのくらいの量解くのが楽しいのか、
だんだん自立させていくには、親がどこで手を引いていけばいいのか、
★くんの能力がしっかり生かせる勉強以外の活動はないか
といったことを、★くんの姿から受信していく
★くんとの会話から学んでいく
ことなのです。
九九を覚えさせたら良いということにだけ
気持ちがいっていると、
せっかく知的能力の高い子を勉強嫌いにしてしまう
かもしれません。
それと、知力体力がしっかりさんタイプの子には、
機嫌を取るような態度で接するのでなく、
子どもの集団でのリーダー役をまかせたり、家の手伝いをさせたり、
自然でのキャンプを体験させたりして、
精神的な成長をうながす必要があると感じました。
でないと、おませ なのがアダになって、
生意気でダラダラした態度を身に付けてしまいがちだからです。
子育て本で、「子どもを受容して」とあると、とにかく
可愛がってしまう方もいるのですが、
子育て方針は、
子どもの性質や能力、態度などを見ながら、
常に微調節していくことが大事です。
つまり、最初に親のマニュアルを覚えて、それを繰り返すだけでは、
個性にも成長にも対応できないのです。
あれもこれも~と考えるとパニックになってしまいますから、
ひとつずつ少しずつ、子どもとのいい関係を作っていけたら
いいですよね。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
話が少しそれますが、
今、子どもが、経済的な儲けの対象になっていますから、
「子どもというのは、競争心があるものだから、
そうした性質を利用して
頑張る子を作りましょう!」
と、まるで動物の調教師を目指すような感性で、
親を煽る方々もいます。
子どもをコントロールしたり、自分の指定するゴールに向かわせるために、
「子どもの性質や関心を知って」利用するってどうなんでしょう?
私はそういうの気分が悪いです~
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「教えすぎ」「構いすぎ」が人を潰す わが子に、社会で生き抜く真の力を持せたいなら、親は「育てない」を肝に銘じろ!
と言う「伝説の雀鬼」と呼ばれた桜井章一氏が、
『「育てない」から上手くいく』桜井章一著 講談社刊の中で
次のように語っています。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
大人が大事とする考えを一方的に押し付けるのではなく、
大事な考えや教えを間に挟んで大人と子どもが関係を絶え間なく調整しながら
五分五分のつきあいをする。
それが教育のあるべき姿ではないでしょうか。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
この五分五分の関係……を保つために、
子どもをよく知ること、子どもの思いをしっかり受信すること、
少しずつ手を放して、自分で歩み出すのを見守ることが大事なのですね
web拍手を送る)
去年に続いて夏の算数クラブに参加してくれました。
★くんは、去年は将棋に、今年はボーリングに夢中になっている男の子。
★くんは、好きな将棋やボーリング以外では、
何をするにもやる気がなさそうに
むすっとした態度で「そんなの知ってるし」といって、だらだらする態度が目立ちました。
他の子が、「やりたい!」「私!私!」と手をあげるときも、
「どうせ~なんでしょ」と気のない態度。
そこで、お母さんたちに席をはずしていただいている間に、
「そんなの知っている、つまらないと思うのは、
知っていると思いこんでいるものに隠れているすごいものを、見つけようとしないからよ。それができるようになれば何だって面白いの!」とビシッと告げて、
少し難しい課題をいろいろ与えました。
すると、この子にちょうどいい頭を絞らなくてはならない課題や、
うまくいかなくて四苦八苦する場面にぶつかると、
だんだんと、
笑顔と真剣な表情が浮かんできて、
友だちと協力しあっていきいきと過ごすことができました。
先取り学習といっても、単に暗記しながら先に進んでいくばかりだと、
大人から与えられる課題は、簡単すぎて面白くなかった~
という思い込みにつながる場合があります。
ある程度、力のある子には、
知っている知識も、他の視点から眺めたり、
工作などに生かす新発見を見出したり、より深く考えていく方法を教えていってあげないと、勉強をバカにするようになってしまいます。
帰り際に、親御さんにそのことを伝えていると、
「九九を今から教えるべきでしょうか?」という相談をお受けしました。
★くんタイプの子は
ただ九九を暗唱させる、九九のワークをさせるという
先取り学習をさせるだけでは、
学校で学ぶ際に「そんなの知ってるし~」とだらけた態度を作ってしまうことは目に見えています。
九九をさせるなら、覚えた九九を活用して、
算数パズルを解いたり、
ゲームをしたり、九九によって、算数の概念の理解を広げて、
最小公倍数、最大公約数、鶴亀算数、割算などの問題を考えることを
楽しむなどしないと、
ただ暗記するだけでは★くんの性質なら飽きがくるだろうと思われました。
そうしたときに、
大事なのは、親御さんが、
★くんはどんなとき、いきいきしているのか、
どれくらいのレベルの問題を、どのくらいの量解くのが楽しいのか、
だんだん自立させていくには、親がどこで手を引いていけばいいのか、
★くんの能力がしっかり生かせる勉強以外の活動はないか
といったことを、★くんの姿から受信していく
★くんとの会話から学んでいく
ことなのです。
九九を覚えさせたら良いということにだけ
気持ちがいっていると、
せっかく知的能力の高い子を勉強嫌いにしてしまう
かもしれません。
それと、知力体力がしっかりさんタイプの子には、
機嫌を取るような態度で接するのでなく、
子どもの集団でのリーダー役をまかせたり、家の手伝いをさせたり、
自然でのキャンプを体験させたりして、
精神的な成長をうながす必要があると感じました。
でないと、おませ なのがアダになって、
生意気でダラダラした態度を身に付けてしまいがちだからです。
子育て本で、「子どもを受容して」とあると、とにかく
可愛がってしまう方もいるのですが、
子育て方針は、
子どもの性質や能力、態度などを見ながら、
常に微調節していくことが大事です。
つまり、最初に親のマニュアルを覚えて、それを繰り返すだけでは、
個性にも成長にも対応できないのです。
あれもこれも~と考えるとパニックになってしまいますから、
ひとつずつ少しずつ、子どもとのいい関係を作っていけたら
いいですよね。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
話が少しそれますが、
今、子どもが、経済的な儲けの対象になっていますから、
「子どもというのは、競争心があるものだから、
そうした性質を利用して
頑張る子を作りましょう!」
と、まるで動物の調教師を目指すような感性で、
親を煽る方々もいます。
子どもをコントロールしたり、自分の指定するゴールに向かわせるために、
「子どもの性質や関心を知って」利用するってどうなんでしょう?
私はそういうの気分が悪いです~
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「教えすぎ」「構いすぎ」が人を潰す わが子に、社会で生き抜く真の力を持せたいなら、親は「育てない」を肝に銘じろ!
と言う「伝説の雀鬼」と呼ばれた桜井章一氏が、
『「育てない」から上手くいく』桜井章一著 講談社刊の中で
次のように語っています。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
大人が大事とする考えを一方的に押し付けるのではなく、
大事な考えや教えを間に挟んで大人と子どもが関係を絶え間なく調整しながら
五分五分のつきあいをする。
それが教育のあるべき姿ではないでしょうか。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
この五分五分の関係……を保つために、
子どもをよく知ること、子どもの思いをしっかり受信すること、
少しずつ手を放して、自分で歩み出すのを見守ることが大事なのですね
web拍手を送る)
入学してから、勉強に対する態度が
ダラダラモードになって
本当に困りました。
そうです、幼稚園時代にワークを
本人がやりたいまま自由にさせていたら
そうなってしまいました。
結局、一度仕切り直しをして
ワークから遠ざけ、
外遊びを中心に遊びを充実させてきたら
又、工作を作るようになり
学習意欲も少しづつですが戻ってきました。
「いい、かげん」って本当に難しいですね。
記事にしていただき、ありがとうございました。先生の文章から、息子を客観的にみることができます。
息子は最初はそんな様子だったんですね・・・。
私がなんとなく気になっていた息子の姿勢を、奈緒美先生からずばっと指摘していただき、やっぱりそうだったのか・・・と思いました。
息子のそういう態度って、「これは個性だ」と勝手に理解して、腫れものを触るような感じに叱らない子育てをしてきました。自分が叱られてばかりで育ったので、なおさらでした。でも迷っていました。
先生のお言葉は、私の迷った気持をしっかりと
立て直してくださいました。ありがとうございます。
子どもと向き合うことを避けていたんだと思います。
精神的な成長、ということも、今後考えていこうと思います。だれかに頼りにされたりすると、急にたくましく行動するようになることがあります。
算数の感性がある、なんて思ってもいなかったことで、それを指摘していただいて、いつもなら舞い上がってしまうところですが、先生のおっしゃるとおり、フローの状態をたくさん作ってあげるような、能力の向上の仕方を目指してみます。
たくさんの、接し方のポイントを教えていただきありがとうございました。
ホント、子どもによって、こんなにも育て方は違ってくるのですね・・・。
また、算数の感性を育てるヒントのようなものもブログで紹介いただけるとうれしいです。
先生には感謝してもしつくせません。
授業のあとも時間をたくさん割いて、お話をしてくださり、本当にありがとうございました。夏休みの楽しい思い出になりました。また先生の教室にうかがわせてください。
まだまだ暑い日が続きますが、どうか奈緒美先生、お身体にはお気をつけて。