幼児期、“ある遊び”をした経験の量で、4年生以降の算数を解く力が全然違ってくるな~と感じています。
その遊び……しっかりしている子は、
小学校低学年であっても、高学年の問題も、自分でひらめいて解いていくことが多いです。
どんな遊び??
と気になりますよね。
ままごとの延長線上にある、分ける遊びです。
それも大人に教わりながら、分けるのでなく、
ただ皿があるから、あっちやりこっちやり、ジャラジャラ……
大玉ビーズや豆やどんぐりやビー玉を本能的に、感触を楽しんで分ける行為です。
外では砂や小石もいいですよね。
おやつの時間にはお菓子を分ける。
そこでも教えるというより、自分でいろいろやってみることが大事で、
何か大人が教えよう気づかせようとフォーカスすると、体感してわかることが減ってしまいます。
この「分ける」遊び、どのような先の学習に結びついているのか
小学校で習うことと、中学入試の問題から例をあげていきますね。
たとえば、「平均」を出す問題。
平均とはつまり、↓の写真のように、
皿にいくつかずつ入ってて、
いったん、ごちゃっと集めて、
もとの皿に同じ数ずつ分けなおす
という行為です。
それが、85点とか70点で計算するわけですから、
どんぐりが85個とか70個とか、い~っぱいあるというだけで、
あとは上と同じ作業をすればいいのです。
もちろん、教えるときに何十個もどんぐりは必要ないのですが、
それより、
「分ける」「集める」「分けなおす」
といった算数の大きな枠になる部分がピンとくるかどうか……は、幼児期の体感にかかっている気がするのです。
教室では、幼いうちから、計算プリントをしてきた子たちが、体感が抜けているために、中学の計算もできるのに、幼児がささっとわかることがいつまでもわからない~
新しい文章題になるたびに、公式の暗記で解いていくので、応用がきかない~
という問題にぶつかるのを良く見かけます。
この算数に必要な体感というのは、
たとえば、高いところから飛び降りたことがあるかどうか……の感覚に似ています。
目で見れば、あの高さならいける!
あの高さはひざにひびく~
あの高さは危険……ということが、体験がたくさんある人にはわかりますよね。
でも何センチが飛べて~とプリントで習うと、地面が傾いていて危険なところで飛んでしまったり、メジャーがないから飛べないと思ったりするのではないでしょうか?
今日は4歳児さんたちのグループレッスン。
女の子3人組さん、毎回、頬が緩みっぱなしのかわいらしさです。
このごろ、少しだけお菓子を持参しているので、いっしょにお菓子を分け合う時間は、すごく楽しくて大事な学習時間です。
3枚のおかしを「★ちゃん、☆ちゃん、私でわけるのよ」と○ちゃんが言ったので、
「4枚だったら、どうしよう?」とたずねると、
「★ちゃん、☆ちゃん、私、先生」と答えます。
「先生はいらないから、3つに割って★ちゃん、☆ちゃん、○ちゃんにあげるね。ひとり、1と3分の1ずつになるね」と言うと、
「そう、1つと、3つに割ったのの1個ずつ」とうなずきました。
お菓子を食べながら、それそれのお母さんやお父さんお留守番の赤ちゃんにも
みんなお菓子を配ったらいくつになるんだろう?」という話で盛り上がりました。
キャッキャと笑いながら計算してくれました。
平均算だけでなく、
算数のほとんどの文章題が、皿に分けるという感覚をベースにしているといっても過言ではありません。
割合の問題
1000円の3割は?
つまり、1000個のどんぐり(数)を10の並んだ皿に同じ数ずつ分ける
その3皿ですね。
1200円の40パーセントは?
つまり1200個のどんぐり(数)を100個並んだ皿に同じ数ずつ分ける、その40皿分ですね。
時速も同じ
時速5キロは 分速何キロメートル?
5キロをまず、5000メートルになおして……
5000個のどんぐりを1時間は60分だから、60個並んだ皿に分けた1つ分ですね。
兄は10歳 弟の2倍の年齢です。
弟は何歳?
兄は9歳 来年になると、弟の2倍の年になります。
今、弟は何歳?
といった文章題も、「分ける」感性で見てみると、写真↓の通り。
2倍の2皿側が10個なら、1皿はいくつ?
で解けますね。
下のものも、皿に1個ずつどんぐり増やすと、写真のような2倍の状態になったと考えられますね。
子どもにたっぷり遊ばせて、感性をにぶらせないことがとても大切です。
↑集合の問題は、こんな風に分けます。