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虹色教室通信

遊びや工作を通して 子どもを伸ばす方法を紹介します。

学ぶことの面白さと不思議さ   息子とおしゃべり 2

2011-12-02 21:16:13 | 番外(自分 家族 幼少期のことなど)

娘がバイト先に来ていた人材派遣の会社をしている方と話す機会があって、

「たくさんの若者に会ってきたけど、何千人としゃべってもあんたみたいにしっかりしたのはおらん。

起業に向いてる、社長になり!」と言われたそう……。

わたしも娘が小学生の頃から

「この子は起業家になる資質があるな~起業家マインド持ってる。どこに勤めたとしても、終いには

自分で事業起こすんじゃないかな」とずっと思っていたんですよ。

かなり親バカな視点なんでしょうけど……

わが子が褒められるのはうれしいもんですね。

子どもって生まれながらにその子らしさや個性的な資質を持っていますから

親は自己肯定感は育てたとしても、子どもを自分色に染めたらだめなんだと感じています。

その子らしさが輝くときは、それが何であってもまぶしいです。

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息子とのおしゃべりの続き。だらだらと10分ほどしゃべっていた会話も

活字にすると長くなりますね。

 

息子 「勉強しているのは、他人に評価されるためでも、

作りたいものがあるから仕事のためってわけでも、

自己顕示欲にためでもなくてさ。

なら、何のためにって、突き詰めると

勉強って不思議なもので、本気でやることによって、

生きる意味がわかってくるような面があるなってこの頃、思うんだ。

ハイデガーの言ってた『思考の祝祭』のなかで生じてくる陶酔感のようなものが、

学ぶ上での本質的な面白さと近いんだろうな」

 

母 「そういう本当の勉強の面白さっているのは、

塾や予備校に管理されて、させられる勉強を続けていると

実感しにくいんじゃないかな?」

 

息子  「うーん、塾は、それはそれで良い面もあるだろうし、自己管理は早く身につきやすいのかも。

でもやりたいことを持っていて、自分で調べてやりたいことを実現してて、

塾へは通ってないけど成績はいいって友だち連中の方が、自分と近い感性を持ってて

いっしょにいると楽しいけどね。

ある面、塾や予備校に行ってると、安心だし楽な面があるんじゃないかな。

でも、楽して賢くなったところで、それだけの代償をどこかで払っている気もするよ。

思いつくこともやることもつまんないやつっていて、

しゃべってても遊んでいても、周りもすぐに退屈してくるんだけど、

聞いたら塾にばかり通ってて、

小学生くらいのころに遊びらしい遊びをしたことがないって場合が多い。

そういう勉強ばかりしてる連中はたいてい成績もよくないよ」

 

母 「教育のあり方を一朝一夕に変えることは難しいんでしょうけど、

今の主流のやり方、つまり大人が教えて練習させて、できるようにさせていくっていう形

はどこかで行き詰ってくるように見えるわ。

何が足りないんだと思う? 何が必要?」

 

息子 「これはこうこうだから覚えるように~

こうやったらできるようになるから練習しなさい~

といった情報をどんどん与えていくことだけが、スタート地点の

教育だという思い込みをいったん脇に置いておく必要があるんじゃない?

何を教えるかということは熱心に議論されても、

勉強の楽しい面やいかに面白さを伝えるかという

学問の導入部分の研究は進んでいない気がするな。

はじめから勉強は苦しいもの、つまらないもの、くだらないものと

信じ込ませるような提示の仕方しかできないほど、

勉強に魅力がないわけじゃない。

学習のなかから楽しい部分を抽出して、

理解しやすく、わかりやすいものにすることで、

そのもの自体が簡単になるし、それに夢中になってはまる状況も生じやすくなる

はずだよ」

 

母 「学習のなかから楽しい部分を抽出するって、

具体的に言うと、どういうこと?」

 

息子 「チェスや将棋を学ぶにしても、あの駒が何でもいいわけじゃないよね。

たとえば、将棋なら、服装とか、マナーといったあの和の世界観や

定跡があって、そこに○○流といった流派があることとか、

そうしたひとつひとつに魅力があるんだと思うよ。

そこから情報の一部分を切り抜いて、そうした世界観と断絶した状態で

知能パズルとして将棋を教えたところで、本当に将棋が好きになるのか

わからないよ」

 

母 「確かに、そうよね。子どもに学ぶ楽しさを伝えるのって難しいよね。」

 

息子 「子どもはもっと勉強すべき、勉強が好きになるべきだって考える人や、

子どものうちに勉強をがんばっておかなければ将来困ったことにあんるという人がいるけど、

子どもだけが勉強している今の時代がおかしいんじゃないかな。

勉強は一生ものだよ。

知識をいくら子ども時代に蓄積したところで、それが試験なり、仕事なりで生かせるかどうかというと、

役に立ったり、役に立たなかったりで、ギャンブル的な要素が抜けないじゃん。

学んでいく上で大事なのは、やっぱり『思考の祝祭』に自ら入ってくことで、

思考が円環の道を歩き続けることで、それまで存在しなかった

新たな知恵が開ける瞬間を体験していくことじゃないかな」

 

   


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1 コメント(10/1 コメント投稿終了予定)

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Unknown (ろっきー)
2011-12-04 15:23:55
ほんと先生の息子さんに教わることは多いです(笑)
働いてから、仕事に必要な資格を取るために2度ほど真剣に勉強しましたが、それ以外は学ぶことを忘れていました…
娘さんも素晴らしいですねU+2669
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