goo blog サービス終了のお知らせ 

虹色教室通信

遊びや工作を通して 子どもを伸ばす方法を紹介します。

どうして幼児教育がうまくいかないのでしょう? 

2008-09-18 08:31:00 | 幼児教育の基本
よその子はきちんとしている。
でもうちの子だと、同じことをしてもうまくいかない。
どうして幼児教育がうまくいかないのかな?

と感じている方がいるかもしれません。
「うまくいかない」とおっしゃる方の教育法を見ていると、
いくつか共通点があります。

まず、とても<急いでいる>ということです。

例えば、前回の「一通りレッスンを見せますの☆くん」のような学習は、
ブログで見ると
「いろいろやってるな、こういうポイントがあるんだな」
と盛りだくさんに見えるかもしれませんが、
<急いでいる親御さん>の場合、
現実にこうしたレッスンを2回も体験すると、

英語や体操教室や、リトミックや字の練習や暗唱や知能テスト等が気になり始め、、

ブロックなら家でできるし、
絵本を勝手に読むんじゃレッスンじゃないし、
もっと本格的な理科実験らしいものをさせたいし、
こんなにたらたらしていたら他の子に遅れをとってしまう…

どこまで進んだかもっと目に見える
プリントの進度表とか、IQのテスト結果とかがないと
意味が感じられない

「お子さんはお任せください、うちの教室にさえ入れば、エリート道一直線」
「うちの教材さえ買えば、天才間違いなし」
と、宣伝文句でも良いから、断言してもらわないと安心できない

という心の状態になって続かないことが多いです。
そうした心の状態だと、目の前の子どもが正確に見れなくなっていますから、
わが子の興味や子どもの学ぶリズムや発達段階を無視して、
子どもをひっぱりまわしてしまいます。

その結果、子どもの中に、もうお勉強はこりごり…という
思いを育ててしまうのです。

前回紹介した☆くんが、地理や理科や国語や物作りや知能テストに
喜んで取り組むのを見ると、
この子は特別だ…と感じる方もいるかも知れません。
しかし
子どもはどの子も4~6歳になると「文化の敏感期」という時期がきて
地理や宇宙のことに関心を寄せる時期がくるよう脳にプログラミングされて生まれてくると言われています。

そうしたことに無関心な子がいるのは、
食事前に甘いお菓子をたくさん食べさせるように
テレビや多すぎるおもちゃで子どもの好奇心をスポイルしてしまっているか、
その年がくるより前に過剰に子どもを急がせて
学ぶ意欲を奪ってしまっているかのどちらかである場合が多いです。

子どもをその子の興味にそってのんびり育てていると、
そんな悠長なことをしていると
恐ろしい事になりますよ…とアドバイスをする人がいます。

お金持ちは中高一貫の私立や高額の塾に子どもをやって、
国公立大学に進学させることができるけれど
貧乏人の子は、満足な教育が受けさせてやれない
所得と子どもの学力をしるす統計が証拠…

そんな風に説得されると、どうしても気持ちが急かされてしまいます。
でも、現実にお金があったって、
中学受験塾で子どもが毎日、勉強に追われ、
週末はテスト、家では宿題とテスト勉強。
わからないところは親が面倒をみてあげる
そんだけのことをこなしても上位にいけるのはごく一部。
そうした現実を受け入れてやりとおせる家族は、
親も同じ道を通ってきたというお家だけなのかもしれません。
(そうした受験への道の険しさは、
お受験ブログを読めば、よくわかります)

要は、お金のあるなしで、
受験を勝ち抜けたのではないかもしれないのです。
ただ、それが子も親もこなせて、運も味方してくれたところで、
親が塾を選び、フォローし、子の学力や時間を管理してうまくいったのなら、
中学になっても
高校になってもそれを続けるのでしょうか?
予備校の先生と家庭教師に託すのでしょうか?
いったいいつ子どもの手を離せば良いのでしょう?
高校生になってそんなに素直に大人にしたがう子がいるんでしょうか?

そうして全てが順風満帆に行っても、東大生の2割がニート予備軍と言われている日本の現実は、
そうして親がプロデュースして子どもを人形のように動かしていく育て方への
警告のようにも思えるのです。

情報のあふれる社会で
子どもの自然な成長を信じて、大らかに子育てするには
とても勇気がいります。
それでも、情報の中でおぼれてしまわないためには、

わが子が喜ぶことは何か、
わが子の素敵な部分はどこか、
いっしょに楽しめることは何か、
わが子だけでなくお友達とも楽しめることは何か、

が、一番重要な情報なのだと忘れないことが、
幼児教育を成功させるカギとなるはずです。

にほんブログ村 教育ブログ 幼児教育へ



web拍手を送る




最新の画像もっと見る

8 コメント(10/1 コメント投稿終了予定)

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (ちびまる子)
2008-09-18 12:26:28
先生、こんにちは。ちょっと御無沙汰しておりました。
でもプログの記事は楽しく全部読んでいます。

先生が何度もこのプログでおっしゃってる通り、
子供に寄り添うこと、信じること。
簡単そうで難しいですね。私も以前は色々な幼児教育の情報に振り回されておりました。
虹色教室での取り組みを参考にさせていただいてからはほんの少しづつではありますが、先生のおっしゃる事の大切さが分かってきました。

子供は時期が来れば自分で意欲的に取り組むことが出来るのだと実感しました。

ひらがなに興味のない娘でしたが、最近は幼稚園の連絡帳の先生のコメント欄を自分で読もうとがんばっていました。
はさみもいつの間にか曲線、円などがきれいに切れるようになり、何をあんなにあせっていたのだろうと思い、親として反省しております。

このプログを通じて育児の大切なことに気づくことができ本当に感謝しております。

また、紹介されている
「子どもの脳と仮想世界」も読んでみたいと思います。

プログラミングロボットも面白そうですね。機会があれば挑戦したいです。

返信する
Unknown (チカ)
2008-09-18 13:55:46
こんにちは。
娘は1才3ヵ月です。親になっても1才3ヵ月。
思いっきり幼児教育に振り回され、いろいろ手をつけてみたり。本をよんだり。

親としては出来た!っていう確かなものが欲しくて欲しくてずっと空回りしてたような気がします。

「急いでる親御さん」だったのかも。
なおみ先生のブログをずっと読んでて、もやもやが消えてきたような気がします。
下手に教育法を勉強するより勉強になりますね♪

遠回りに見える方法だけどわが子主体のうちだけの幼児教育ができる親になりたいです。

お忙しいと思いますが、1歳代ちゃんの教室レッスンも記事になるのを楽しみにしております。
返信する
Unknown (なのたんぱぱ)
2008-09-18 16:35:57
東大生の2割がニート予備軍!!!
リンク先をみて本当にびっくりしました。
これでは何のために苦労して東大に入ったのか…
おそらく他の大学よりもニート予備軍になってしまう確率があるのでは???

急がないよう、情報におぼれないよう頑張りたいと思います。


返信する
Unknown (ちびまる子さんへ)
2008-09-18 21:55:37
コメントありがとうございます。いろんなことに意欲が出てきたんですね。勝気なタイプの子は、がんばる気持ちも強いですね。
返信する
Unknown (チカさんへ)
2008-09-18 21:58:23
コメントありがとうございます。1歳代の親子レッスンも、またの機会にくわしく紹介させていただきますね。
返信する
Unknown (なのたんぱぱさんへ)
2008-09-18 22:01:19
東大ニートで検索すると、東大出でニートをしているという方のブログもたくさんでてきます。厳しい就職事情もあるのでしょうが、子どもの頃から自分で主体的にやることを決めて、未来を作り出していく力を育てないといけないなと思っています。
返信する
私も (ゆう)
2008-09-18 22:13:47
こちらを読んで私も「アセリママ」だと確信しました。いろいろなブログ見ては我が子の発達と比べたり自分の教育に対する取り組み方にがっかりしてあせったり・・。なんだか空回りしていました。でも確かに時期がくればできるようになる、それも最近実感しています。まだまだ「空回り」感から抜けだせずにいますが子供に変化を求めるのではなく、まずは親から変われるように頑張りたいと思います。
返信する
Unknown (さくらのはっぱ)
2008-10-02 11:26:03
初めまして♪
他の方がブログでこの記事を紹介されているのを見て、リンクを辿ってお邪魔しました。
私も、自分自身の焦りが、自分の最大の敵だと思っています。(焦る気持ちはナカナカ抑えられませんが^^;)
せめて子どもには、自分の焦りを感じさせないように、それだけは十分に注意を払っています。
また、子どもを良く見て、子どもの興味に添う形で家庭教育、習いごとを進めていけるように、常に心がけています。
とても、共感できる内容で、また、自分自身を再度戒めるためにとても役に立ちました。
ありがとうございました♪
返信する

コメントを投稿

サービス終了に伴い、10月1日にコメント投稿機能を終了させていただく予定です。
ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。