虹色教室通信

遊びや工作を通して 子どもを伸ばす方法を紹介します。

工作をするだけで、算数が得意な子になっていく方法 

2016-05-14 21:36:41 | 算数

子どもたちと工作をするとき、

私は ごく自然に「算数の世界で学ぶ言葉」を使うようにしています。

 

工作では、箱や折り紙などをよく使いますよね。そのある形や部分を指して、

「○○を貸してちょうだい?」「○○と△△どっちがいい?」など

たずねるときに、自然に、算数に関わる言葉を使うのです。


基本の基本は「形」を表す言葉。

「四角、三角、丸、だ円、五角形、正方形、長方形、二等辺三角形」などです。




たとえば、「四角い紙と、だ円の紙はどっちがいい?」などと使います。

立体を表わす「三角すい、四角すい、円すい、正20面体、立方体」などの

呼び名も自然に使います。

また、子どもとのやりとりの中で、「長さ、高さ、深さ、浅さ、広さ、

垂直、平行、直角、角度、拡大、縮小、重なり、○パーセント」など、

もどんどん使っています。

たとえば、「そこの面は、80パーセントくらいに色を塗ってね」など。


また、物差しや三角定規、分度器、コンパス、量り、メジャーといった

道具も2,3歳の子とする工作でも自然に使うようにしています。

(危険なものは、扱いは保管に注意しています)

子どもに教え込むことはひとつもありません。

子どもたちは、自然に家の中のテレビや冷蔵庫といった名前を覚えますし、

テレビのリモコンや電話の使い方を覚えますよね。それと同じように

算数に使う道具の使い方や目盛りの読み方もいつの間にか覚えてしまいます。

工作でそうした言葉に親しませるとき、

無理矢理教え込むことはいっさいしない方がいいです。

何度も何度も工作で遊ぶうちに、子どもたちはその言葉が何を表すのか、

身体にしみこむように理解していきます。

物差しの目盛りの読み方にしても、ただ読めるだけでなく、

単位の変換や小数点や分数の概念や、概数の意味まで理解していきます。

工作の世界では、「だいたい3センチくらいのひもがいる」ということがよくあります。

それは、概数について理解するチャンスです。

 


また、箱を切り開いて使用する工作をしていれば、

頭の中で図を自動的に組み立てることができるようになります。

展開図を見るだけで、それが立体になるとどのような形になるのか、

わかるようになってきます。



たとえば、3、4歳の子が、紙皿をちょっと切って工作するようなときにも、

「円の中心が知りたいわ。丸い形のおへそよ。」と言って、2回半分の折って、

交差する部分が円の中心にあたることや、

半径がどれにあたるかを見せてあげることができます。

もちろん、教え込む必要はないのです。

ただ、工作で得る知識は、無駄な先取りにはならず、とても実用的ですから、

「円の中心に穴を開けて、くるくる回る回転ずしを作りましょう」

「半径の長さに、コンパスをグーンと広げてね、足が痛いよって言うかな?

そして、くるんってバレエみたいに回ったら円が描けちゃうよ」

といった会話にすぐに使っていけます。

もちろん、一度にたくさん使う必要はなく、もう1ヶ月、

「毎日、毎日、紙皿で船作ってるわ」なんて時に、ついでに、水に浮かべるときに、

「指の上に、円の中心のところを乗せて、そーっとそーっと動かしてみよ」

といった楽しい誘いをしてみるといいですね。

 


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