虹色教室通信

遊びや工作を通して 子どもを伸ばす方法を紹介します。

考えたり推理したり試したりできるような遊びや工作を楽しむには? 

2016-06-02 15:24:47 | 幼児教育の基本

春休み中、「今日のレッスンに取り入れてほしいことはありますか?」とたずねると、

「遊びでも工作でも何でもいいのですが、考えたり試したりできるような体験を

してほしいです」「自分でやらず、自分で考えず、ママやって、が目立ちます。

考えたり推理したりして頭を使ってもらいたいです」という声を

いくつかいただきました。

 

そこで、教室のレッスンの中で、子どもが考えたり推理したり試したりする

体験ができるように工夫している点を紹介しますね。

 

 

その子が今、興味を持っているものを通して考えるきっかけを作っています。


新年少のAくんと新年中のBくんは、クレーンのおもちゃをいじって遊んでいました。

ただクレーンを上下に動かすだけでは、考える楽しみが味わえないので、

クレーンの先にひっかけるバケツ(紙コップ製)を作って、

Aくんが好きなビー玉転がしのおもちゃと組み合わせて遊ぶことにしました。


転がり落ちてくるビー玉を

クレーンの先につけたバケツで受け取る遊びにふたりは夢中。

 

ビー玉転がしとクレーンのようにふたつの遊びを組み合わせることで、

いろいろ工夫するチャンスが生まれます。

 

Aくんのお母さんが、

紙コップで「中に入ったビー玉がひっくりかえる」仕掛けを作ったので、

先の転がってきたビー玉を紙コップのバケツで受ける遊びと

組み合わせることにしました。

 

ついでに今、教室で流行っている武士の時代の戦法の『石落とし』(もどき)として

遊ぶことに。

 

どの位置にひもを貼るかで、ひっくり返ったり、返らなかったり。

 

ビー玉がたまると、石がごろごろ。

こういった遊びは、十分遊びきった後も、さらに発展した遊びにつながりやすいです。

同じようなシステムでエレベーターを各階で止まらせたり、

コインを入れると出てくる自動販売機なども作れます。

車にひもをつけて坂道を上らせることもできます。

 

また、紙コップのバケツでビー玉を受け止めるのではなく、

落ちた先でできることをいろいろ考えてみるのも面白いです。

 

普段はなかなか遊びが長続きしないBくん。教室で見つけた

ガムマシーンの部品が気に入って、「誰にも貸したくない」と一悶着起こした後で、

キャンディー屋さんをして遊んでいました。

紙コップに穴を開けて、キャンディーの機械のコインの投入口を作ったのが

うれしくてたまらないらしく、「ぼくがj考えたんだよ」と繰り返していました。

 

そこで、いっしょにキャンディーマシーンを作ることにしました。

 

「コップに切り込みを入れる」という

Bくんの思いついた工作方法でほとんどできる作りです。

 

上から見ると、どうすればビー玉が下に落ちるのかわかります。

「ここをもっと切ればいいんだよ」と、切り込みを広げることを思いついたBくんは、

とても誇らしそうでした。

 

 毎回のように書いていますが、

子どもの好み、個性、熱中する事柄を把握するも大切です。

新年中のCくん。一番大きい数、最強の生き物、でっかい乗り物など、

比べられる量やサイズに注目する子です。

 

算数タイムに、「3人の子の手の中に隠した3体ずつの人形の数がいくつか」

といった問題にいきいきと取り組む姿があります。

頭の中で扱っている数をカウントしていくのが得意なようです。

男らしい強さへの憧れから、危なっかしくて乱暴な遊びやルールや物を

破壊するような遊びをしたがることもありますが、何かに熱中し始めると、

ねばり強く取り組みます。

 

Cくんがデュプロの線路をつないで遊んでいたので、

「線路をだんだんだんだん高くなるようにしていって、車がシューッと

ジェットコースターみたいに滑りおりてくるようにしてみる?」とたずねると、

うなずきました。

Cくんのように数の増減が気になる子は、こんなふうに「だんだん高くなっていく」

といった物作りをとても好みます。

他に、「高い高いビルとエレベーターを作る」とか、

「大量に何かを取りつけて最強の武器を作る」といったシチュエーションも。

 

下の写真は、Cくん同様、数や秩序を好む子たちが熱中する作品作りです。

 

 

Cくんの場合、サイズや数の好みが強さへの憧れと結びついているので、

下のような作品作りを巨大化させたり、

強く見えるよう飾り付けていく方が好むかもしれません。

 

何かを破壊してしまうほどの強さを好む子には、

最後に「滑り降りてくる」とか「すばやく走る」とか「高速回転する」といった

オチも必要なようです。

 

 

今回作った「だんだん高くなっていく線路」の話題に戻りますね。

「速くダイナミックに滑りおりてほしい」という思いがあれば、

「もっと速く滑りおりるにはどうすればいいだろう?」と

大人といっしょにいろいろなことを試してみることができます。

 

☆ 坂を急にする。

☆ 乗り物に重りを乗せて重くする。


など、いろいろな方法が試せるかもしれません。

「速くなるのはどうしてか」「遅くなるのはどうしてか」と

理由を話しあうこともできます。

  

今回は、たまたま教室にあったデュプロの線路で、

「どうしたら速くすべりおりるか」を試していますが、

ビー玉転がしのおもちゃを使ってもいいし、上の写真のようなビー玉が滑って行く

仕組みを、紙を折ってブロックに乗せることでも再現できます。

 

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<おまけ> ブロックでクレーンを作る方法。

 

 

 

 


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