虹色教室通信

遊びや工作を通して 子どもを伸ばす方法を紹介します。

考えたり推理したり試したりできるような遊びや工作を楽しむには? 2

2016-06-02 18:06:36 | 日々思うこと 雑感

 

『魚を与えるのではなく釣り方を教えよ」ではダメ?

で紹介した『web屋の日常』のtoksatoさんの

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食も情報も生き方も飽和状態の今の日本では、

子どもに釣り方(テクニックや公式など)を教えるだけでは、とてつもなく危険で、

魚を釣ることの楽しさや意義を教える必要がある。

「なぜ釣りをするのか」を自分で噛み砕いて把握しなければ、

その熱意と哲学がなければ、扱えないし、磨きあげることができない。

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という考え方に深く共感しています。

ですから、子どもが、「考えたり推理したり試したり」するようになるには、

テクニック的なことを教えるのではなく、考えたり推理したり試したりする

楽しさを思いっきり味わう必要があると思っています。

そのためは、自分が学んでいるひとつひとつの内容に愛着を抱き、

考えたくてたまらなくなるほど好きになるのが一番です。


「好き」な気持ちは伝染します。

だからこそ、ちまたではいろいろなものが流行するのですよね。

知識や考えることに対する「好き」も例外じゃありません。

つい最近も、小学生の子らに「大阪城めぐり」の企画と準備をさせることにしたとたん、

教室中が歴史ブームに湧いているのです。

 

最初に「好き」という気持ちがベースにあると、

「どうやって畳36枚分もあるような巨大な石を運んだんだろう?

どうやって、船に乗せたんだろう?」という疑問に必死で頭をひねるし、

昔の人の知恵に心底、感服します。

「考えるってすごいなぁ」「こんな途方もないことを実現しちゃうんだなぁ」

「いろいろ知るのって楽しいなぁ」「やってみて試してみるのはワクワクするなぁ」と

身体で感じ取るはずです。

 

新一年生のAちゃんが忍者めしというグミを教室に持ってきていました。

そこで、同じく新1年生のBちゃんといっしょに『忍者の大常識』という本にあった

非常用の携帯食を作ることにしました。

作るといっても、ごっこ遊びの延長で、ひと通り材料は用意するものの、

全部偽ものなんですが……。

 

<作り方>

そば粉の代わりに、塩土を削ったもので。

 

小麦粉ねんどの人参。

 

手書きのレシピ通りにあれこれ混ぜ合わせて、

3年酒にひたす振りをして、できあがり。

(本当は、水渇丸も飢渇丸ももっと小さな粒だったはず……。)

「ごっこ」とはいえ、こんなふうに本格的にごっこ遊びに興じると、

いろいろな知識をもっともっと得たいと感じるようになるし、

昔の暮らしについてさまざまな疑問が湧いてきます。

 

AちゃんとBちゃんは、竹筒の中に目つぶしのとうがらしを仕込んだものと、

くさりのついた武器を仕込んだものを作りたがりました。

 

ついでに自分の足の型を取ってぞうりを作り、

黒い覆面をかぶって、忍者になりきって遊んでいました。

 

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他の子らが作った石落としの仕掛けに、

石垣をつけくわえることにした新一年生のCくん。

 

石落としの仕掛けを見た新一年生のDくんは、

コップの中にビー玉が入ると、ビー玉の重さでひもが引っ張られる仕組みを

使ってエレベーターを上げることにしました。

 

でも、ひもが絡まってうまく作動しませんでした。

このように「うまくいかない時」は、「考える時」です。

 

ひもが絡まらないようにひと工夫。

と、次は、ビー玉がコップいっぱいに入っても

エレベーターが上がらないことがわかりました。

そこで、コップの下にもうひとつコップをつけ足して、

最初からビー玉をある程度入れておくことにしました。

 

すると、ビー玉コースターを通って、一定量のビー玉がコップに溜まると、

ゆっくりとエレベーターが上がりだしました。

Dくん大感激。

 

エレベーターも石落としの仕掛けも、前回の記事で紹介した、

「スロープを滑って行くビー玉をコップで受ける」という

遊びの形を変えたものです。

面白くて夢中になれることなら何でも、ちょっと形を変えて、

発展させると、考えたり推理したり試したりするきっかけになります。

 

 


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