虹色教室通信

遊びや工作を通して 子どもを伸ばす方法を紹介します。

忍者修業 と大阪城めぐりのまとめ

2017-10-22 19:18:56 | 記事のまとめ(リンク)

大阪城内めぐり中、刻印石広場で忍者修業。

術は、『乱太郎の忍者の世界』尼子騒兵衛 文絵  朝日新聞社 を参考にしました。

乱太郎……とありますが、内容はきちんとしたものです。

『かたたがえ退き』

曲がり角を曲がったとたん、その場で壁にはりついて、

追手をやりすごす。敵が行きすぎたら、元の方向へ逃げる。

 年長のAくんが、『かたたがえのき』を実践中。

敵は曲がって行ってしまわずに、かくれんぼの流れになってしまうことが難点。

『隠れみのの術』

荷物などの中に隠れて敵方へ潜入したり、逃れたり

する方法。

2歳のBくんとと小4のCちゃんでで仲良く『隠れみのの術』で荷物に

化けています。が、近くを通ると、Bくんの声が……。

Bくん、橋にタッチ。

『逢犬の術』

敵の家に忍び込む際、犬がいたら、ほえられないように

逢犬の術で対処。 

★ エサをやって手なずける。

★ 毒エサ。

★ 合う犬の術(メス犬にはオス犬。オス犬にはメス犬をつれていって

気をそらせる。

2歳のBくんとと小4のCちゃんペアで『逢犬の術』の犬役に名乗りをあげてくれたのですが、

ただお菓子をもらって食べるだけで終わってしまいました。いまいち、わかりにくい術……?

 『観音隠れ』

敵に背を向け、壁などにピッタリはりついて

動かず、耳で敵の気配を感じる隠れ方。

闇夜にはあう術ですが、昼日中に観音隠れをしているAくんは、

バレバレでした。

『ウズラ隠れ』

草むらなどにうずくまり、石のように動かず、敵をやりすごします。

繁みに潜るのはとても面白かった様子。

でも、お尻に泥がついた子も……。

 

『キツネ走り』

つま先だけで一直線に走る、キツネのような走り方。

キツネは肩はばふが狭いので、足あとが一直線になるそうです。

この走り方で後から来る人が前の人の脚あとをたどると、

敵はこちらに何人いるかわかりません。

 

『タヌキ退き』

逃げるとき、敵か背後にせまったら

急にその場でうずくまり、勢いのついている敵が

ぶつかって倒れたすきに、逆方向に逃げます。


移動中、2歳のEくんが突然うずくまったため、後ろから来た

年中のお兄ちゃんFくんが転びそうになりました。

「あっ、タヌキ退き!」の声があがりました。

↑歴史博物館の考古学研究所のカメラをのぞくと、発掘中の穴に

お風呂にでも入るように収まっているEくんの姿が!!

 

『合いことば』

合言葉はたくさんあって、一日に何度も変えることが

あったそうです。

月ー日 山ー森 谷ー水 山ー波 花ー実 など。

刻印石広場の石の陰に隠れて、合言葉を言い合って

遊びました。合言葉が違って

敵だとわかった瞬間、大爆笑。ただの覚え忘れかもしれませんが。

 

『忍びのいろは』

2つの漢字を組み合わせた◆を、いろは48文字にあてはめた暗号。

秘密の手紙を書いたといわれているそうです。

 小2のGちゃんから小2のHちゃんへ忍びの手紙。

解読したい方は、忍びのいろはを参照してください。

1569年、ポルトガル人宣教師ルイス・フロイスにより信長に献上された

コンペイトウを忠実に復元したお菓子。

Iくんのお母さんからいただいたので、大阪城内でみんなで食べました。

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「大阪城めぐりの準備」


ゴールデンウィークに予定している『大阪城めぐり』。

小学生の子たちに企画と準備をゆだねています。

 

上の写真は、大判小判を作っているところです。

純金50パーセント、不純物50パーセントの大判とか、

純金量75パーセントの『天正長大判』など、

注文に応じて、金と不純物(ビー玉)を混ぜて、熱して溶かして、平たくして

大判小判を作る真似。

参加しているのは、まだ割合を学んだことがない子らですが、

こうした大判小判を作る遊びを通してだと、ちゃんとパーセントについて理解して

遊んでいました。

小学生主催の『大阪城めぐり』は、それぞれの子の「ここ気になる」「これが好き」「ここが見たい」

「これ面白い」「ここをみんなに教えたい」をクローズアップしながら、

大阪城内を探検しようという企画。

 

新小3のAくん。

大阪城の紙の模型のはじっこにある小さい家のようなものを指して、

「これ何?」とたずねていました。

「何なのか、調査しにいくのを企画に盛り込もうか?」と言うと、

「そうしたい」とのこと。

「ブロックで大阪城を作りたい」と言っていたAくんは、何と大阪城内に入る手前のスペースと

この小さな小屋のようなもの(○○でしょうけど)を作って、「完成」とのこと。

「えっ、大阪城は?」と突っ込みたくなったけれど、

有名な石垣でも、豪華な天守閣でもなく、

こういう部分に注目するところが子どもならではで面白いなと感じました。

戦国時代の人々と水の関係について、「飲み水は井戸以外を利用することがあったのか」や

「城内には他にも井戸があるのか」など調べてみたい気もしました。

 

アクセサリー作りが好きなBちゃん。きれいな着物や兜の制作をしたがるかと思いきや、今回は、「渡ろうとすると、パタンと上がって

渡れなくなる橋が作りたい」とのこと。

普段のアクセサリー作りの業を駆使して、

切ったストローを橋の板代わりに貼りつけていってます。

几帳面なBちゃん。石垣はピンセットで貼っていきました。

 

 

敵が現れるとこの通り。

こうした防御の模型の他に、(他の日ですが)攻める戦法の模型を作っていた子らもいます。

『もぐら攻め』土を掘って、下から攻める戦法です。

天守閣の各階ごとの見どころパンフレット作り。

 

 

教室に置いている『豊臣秀吉』の学習マンガ

夢中になって読みだしたBちゃん。

天守閣の中には、豊臣秀吉の生涯をわかりやすく紹介してくれるコーナーがたくさんあるので、

こうして事前にマンガで豊臣秀吉について知っておくと、『大阪城めぐり』の日も、

興味をそそられるものがたくさんあるのではないかと思いました。

『天下をめざせ!戦国合戦パノラマ大図鑑』という本を購入したところ、

男の子たちに大人気です。

それが、なぜか豊臣秀吉でも徳川家康でもなく

「石田三成が戦った合戦が見たい!」と言う子がいるので、

理由をたずねると、「妖怪ウォッチに石田三成が出てたから」とのこと。

その後も、教室に来る大半の子は、「妖怪ウォッチに石田三成が出ていた!」と言い、

子どもたちの間で石田三成が歴史上の人物でダントツの人気になっています。

『関ヶ原の合戦すごろく』を見ても、すぐに石田家の家紋に気づく子どもたち。

徳川家の家紋は、おまんじゅうの模様扱い。

それにしても、関ヶ原の合戦では、石田家の旗、元気ないですね。

大阪城めぐりの日、子どもたちが見たがっているもののひとつは、城の出入り口付近にある『巨石』です。

『わくわく城めぐり』という本のこんな解説を読んであげると、

ゲラゲラ笑いだす子、「見たい見たい」と身を乗り出す子、「どうやって運んだの?」と

疑問を口にする子など、いろいろです。

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第一位の巨石が、桜門桝形にあるタコ石。

「わぁ、大きい!こんな巨石、いったいどうやって運んだの!?」

と無邪気に感動してしまいますが、巨石に限って驚くほど薄っぺらかったりします。

横に寝かせればそんなに苦労せずに運べそう…。

やることがキュートすぎ。

『わくわく城めぐり』萩原さちこ 山と渓谷社

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子どもたちは、現場でどれだけ薄いのか確かめたい模様。

 

巨石を運ぶ時、石の下に丸太を置いて転がしたり、

海藻を使ってぬるぬるさせて滑らせたり、

舟の下にくくりつけて運んだりしたそう。

楊枝の上をひもをつけた石を引っぱっりながら、

後ろの楊枝を手前に置いていくと、子どもたちが大喜び。

どんなことも実際にやってみると面白いですね。

 

図鑑や教材を作るのが大好きな新小3のBちゃん、Cちゃん。

学習漫画を参考にしながら

豊臣秀吉の生涯を紹介するパンフレット作りをしていました。

 

 

「先生、この本、何年に生まれたかは書いてるけど、生まれた日が書いてないよ。

豊臣秀吉が生まれたのっていつ?」とたずねるので、

 パソコンで、「豊臣秀吉 生まれた日」で検索させることにしました。
 

すると、

天文5年(1536年)1月1日
天文5年(1536年)6月15日
天文6年(1537年)2月6日 の3通りの説があることがわかりました。

この子たち、以前、<月はこうしてできた>という4通りの仮説を

光のショーの形で演じた( 「見えない世界」の栄養 5)ことがあったので、

「漫画の本に誕生日が載ってないと思ったら、実は、3通りの仮説があった」という

状況がすごく心に響いたようで、

「1月1日に生まれたなんて怪しすぎる」等の話題で盛り上がっていました。

 

 

今回も純金と不純物を混ぜて、天正大判作り。

子どもたちの知恵で、ビー玉も金塊もひとつが5gという設定で、純金75%の割合を調整していました。

今回の企画と準備には、お城マニア、歴史マニア、最近は世界史も大好きになったという

新1年のEちゃんが参加してくれました。お城への熱い思いが伝わってきました。

 

女の子たちにとっても人気がある黄金の茶室。

天守閣の3階で見ることができるそうです。

茶室の小物を作っていたDちゃんが、

「どうしても写真みたいな形にならない」と苦戦していた金の台子。

これを完成させるのに何度もやりなおしたため

小一時間かかっていました。

 

Dちゃんの努力と時間を無駄にできない……とばかりに、

みんなで立方体の描き方を学習しました。

工作好きの子らは驚くほど上手にサラサラ描くのにびっくりしました。

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 戦国時代の『天正長大判』は、現存する金貨としては

世界最大です。

縦 約17㎝、横 約10㎝ の

当時のサイズ通りに『天正長大判』を作りました。

 

下の小さいコインは、直径、約17㎜ の 『太閣円歩金』です。

 

右のオレンジ色の長い紙は、

検地のものさしであった『検地尺』です。

1尺は、約30.3㎝(×と×の間)です。

 

図鑑で見るのと、実物と同じ大きさのものを手に取るのは大違いです。

大きさに驚いたり、小ささに感動したり……。

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3年生と4年生の子らのレッスンで、『大阪城めぐり』の話を持ちかけたら、

「え~!!」というブーイング……!「自分たちでやること決めたい」とのこと。

 

「たまには、決まったテーマでやろうよ」という説得にしぶしぶ応じた

にも関わらず……

「ミニチュア好き」というこのグループの好みに合わせて、

歴史絵本を見ながら大阪城ができた戦国時代の城作りの様子をミニチュアを使って再現することにすると、

これまでにないほどの大盛り上がりでした。

 

教室のミニチュア人形(50体100円で買ったもの)に、かさをかぶせたり、衣装を着せたり、

仕事用の小物をこしらえたりしました。

たださらっと絵本を見るのではなくて、

作って再現するとなると、「ふんどしを締めてる!」とか、

「半分裸になって仕事している」とか、大騒ぎする材料がたくさんあった模様。

笑い過ぎて、息も絶え絶えの子どもたち。

 戦国時代の城作りは、エジプトのピラミッド作りの様子と似ているところがたくさんあります。

丸太をたくさん並べて、重い荷物をひもで引っ張って運んでいたり、

石をどんどん積み上げていったり……。

作りながら、たくさんの発見がありました。

 

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 算数レッスンでは、和差算と時計算を学びました。

ふたつの数がある時、「どちらも同じ」か、「どちらかが多いか」の

どっちかですよね。

 

「どちらも同じ」の場合、「和が、100」といえば、

「それぞれ50」とすぐわかります。

「どちらかが多い」時、「差が、20」というと、

「どちらも同じ」より20多いということで、「どちらも同じ」の数がわかります。

 

そうした和と差の関係を、目で見て直観的にわかるようになってから

線分図を学ぶと、理解が進みます。

 

写真は、ピッケのつくる絵本で物語を作るのが大好きなAくんの

『大阪城のパンフレット』の一部。

先日、ドラマで勝新太郎が演じる姿を見て以来、

豊臣秀吉の大ファンになったのだとか。

 

 


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