虹色教室通信

遊びや工作を通して 子どもを伸ばす方法を紹介します。

テクニックよりも態度と心 1

2010-12-30 09:21:15 | 教育論 読者の方からのQ&A
前回、共同注視を誘う遊び方について記事にしたのですが、
こうした内容をテクニックと捉えて実践しても、
なかなかうまくいかないかもしれません。
書いておいて、うまくいかない……とは、失礼なのですが、
なら、どうすればうまくいくのか、言葉にできる範囲で書いていこうと思います。

広汎性発達障害の子のこだわりを真似るといっても、
ただ、向こうのすることを真似すればいいというわけではありません。
その前に、子どもと表面的には見えない部分で、
心がつながりあっていなくてはならないのです。
ゆっくりと関係作りをし、小さなサインをたくさん受け取って、
「あっ、この子の中に私への興味と、
いっしょに遊びたい気持ちが芽生えているな」と感じ取って、
その次の段階で、「子どもの遊びを真似る」というテクニック的な部分があるのです。
そこには、大人の側のとても繊細な感受性が必要です。

私は多くの方々が、(親も教師も)
『子どもに対してテクニックを使う』ことに慣れすぎて、
まるで理科実験でもするような一方的なまなざしで子どもに接するために、

子どもの側にすると、対人的スキルを学ぶ見本がどこにも存在しない

ということが、発達に問題がない子たちの間にも起こっているように
感じています。

言葉でうまく伝えられるか自信がないのですが、
最近こんな出来事があったので、それから、伝えられる範囲で
このことについて話してみたいと思います。

私は長い間、ABAという名前は聞いたことがあってもそれがどういうものか知りませんでした。
ABAというのは、「応用行動分析」と訳され、
自閉症の子たちに教えるのによいとされている理論です。
何度か、知人からその名前をうかがっていたので、何冊かそうした関連の本を購入して目を通してみました。

次回に続きます。

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