虹色教室通信

遊びや工作を通して 子どもを伸ばす方法を紹介します。

宇宙への憧れ (年中、年長の科学クラブの様子から) 1

2014-11-10 07:31:08 | 理科 科学クラブ

教室に着いたとたん、年長のAくんが興奮した口調で、

「先生、マゼラン星雲みたいなんだよ。マゼラン星雲みたいなのを見つけたんだよ」と

言いました。

「どこ、どこに?」とたずねると、得意気にニヤニヤしながら、

「ここ、ここ」と自分のひざのあたりを指さしました。

あ~きっと、ズボンにできた染みが星雲に似ていると感じたんだな……と思いながら、

「どこ、どこ?」とさらにたずねると、

ズボンの裾をめくって内出血したアザを見せてくれました。

Aくん、先日、怪我をしたらしいのです。

青黒い打撲の患部に赤い小さな斑点のようなものが散っていて

何とも痛々しい……。

でも、確かにAくんの言うように

まるで宇宙空間に浮かぶ星雲のようにも見えます。

他の子らもAくんのマゼラン星雲を覗きに集まってくると、Aくんは、「さぁ~てと……」と

言いながら、自分のリュックサックの中から分厚い図鑑を取りだしました。

 

『宇宙』の図鑑……。

 

Aくんはお母さんに内緒で

家から図鑑や本を教室に持ってくることがよくあるのですが、

これまでは『危険生物』に関わるものが主でした。

 

Aくんが図鑑の銀河のページを広げると、星と鉱物が大好きな年中のBくんが

「うわぁ~」と言いながら覗きこみました。

Bくんの1年生のお姉ちゃんのCちゃんも、年長のDくんも

銀河の色や渦の美しさにすっかり見とれている様子だったので、

みんなで水面に銀河を描いて遊ぶことにしました。

絵具を落とした瞬間、絵具がパァッと広がる様子を見て、

Aくんが、

「見て、見て、宇宙が生まれた時みたいだよ。爆発して広がっていったみたいだ」と

はしゃいだ声をあげていました。

絵具の他に金粉やラメのパウダーも振って遊びました。

もややガスは

ベビーパウダーで表現しています。(水面にベビーパウダーを浮かべると、粉の面が

水面を覆います。子どもたちはそれに少量の洗剤をたらして

水面に亀裂を作り、「氷河の世界みたい」と喜んでいます。)

Bくんが作っていた銀河は

暗い色だけど深みがあって何ともいえない美しい色に仕上がっていました。

とはいえ、「ぜったい、これを持って帰りたい。持って帰らせて」と懇願されて、

困ってしまいました。

「凍らせる時間はないし、凍らせたところで持って帰るのは難しそう。

ゼラチンを使って固めるのもどうだろう……」と。

すると、Bくんだけでなく、そこにいたみんなが「持って帰りたい」と

騒ぎ出しました。

結局、どうしたかというと……

UVレジンという紫外線に反応して硬化する液体を使って

銀河のメダルを作ることにしました。

レジン液は高価なので

子どもたちが物作りをする素材として不向きなのですが、

ひとりひとりの子があまりに星の美しさに夢中になっていたので、今回は

使わせることにしました。

(紫外線照射器は、下のようなアクセサリーを作るために

娘が持っているものです)

算数タイムには、大きな数について学んだ後で、

えれめんトランプで遊びました。

ゲームも楽しかったのですが、その後、自分の好きな元素を選ぶ時は

一番面白かったようです。

このカードには元素記号といっしょに使用されているもののイメージ写真が

載っています。

宇宙に関連するものや、リニアモーターカーや最新の電化製品などの

写真がついているものが人気で、「何に使われるか読んで!と用途を

読んでもらいたがっていました。

 

えれめんトランプの遊び方は簡単。ユーチューブなどでも

動画で見ることができますよ。


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