虹色教室通信

遊びや工作を通して 子どもを伸ばす方法を紹介します。

小学校受験に合格し、算数の能力を発揮しはじめた☆くん

2010-11-27 20:50:35 | はじめに
☆くんとの最初の出会いは、4歳のときです。当時、☆くんは、
病院で、重度の自閉症の診断を受けていました。
初めて会った頃の☆くん
いっしょに何度か遊んだときの印象は、
重度というより中度の診断を受けている子に近い気はするけれど、軽度の子たちとは明らかにちがうコミュニケーションの成り立たなさや、理解する力の弱さを感じました。
4歳で会った当初は、
定型発達の子の1歳3ヶ月~2歳くらいの子たちとの遊び(お散歩に連れて行って、あれこれやりたがることを、少しフォローしながらさせてあげる)
をすることでで伸びそうではあるけれど、
数分、いっしょにそうした遊びをするのも難しい……というのが現実でした。

その後、☆くんはゆっくりゆっくり成長していきました。
親御さんの教育や兄弟姉妹との遊びの中でできることが増え、
ばらつきはあるものの、高機能自閉症やアスペルガー症候群の子と同じレベルのことも、ちらほらできるようになっていました。

☆くんが5歳のとき、教室に通っていたアスペルガー症候群の子が小学校受験に合格した
ことがきっかけで、☆くんのお母さんから、
「☆くんに小学校を受けさせてみたい」というご相談を受けました。
☆くんはアレルギーがあり、公立小の給食が食べられないため……という理由でした。
受験したいという小学校は、プリントの試験だけでなく行動観察や面接もあります。
「結果はわからないけれど、無理のない形で学習をしてみましょう」ということになりました。
☆くんのお母さんが、
小学校受験用の塾に☆くんを連れて行ったところ、集団でのレッスンは無理だろうと告げられたそうで、個人レッスンを受けることとなりました。

私も、☆くんが極端に苦手な分野、お話の記憶や推理の問題など、少しずつですが関わってきました。
そして、先日のレッスンで、☆くんが小学校受験に合格したという
うれしいお知らせを受けました。

うれしいことはそれだけではありません。

☆くんは、字や漢字は読むけれど、意味を理解するのが、
極端に苦手な子でした。絵本の絵を見せて、そこに描かれている絵について
たずねても、ちんぷんかんぷんな答えがかえってきていたのです。
それが、この1年ほどの学習で、考える力がグーンと伸びたようなのです。

立体図形を作って遊ぶときも、向かい合う面や立方体を作る方法をきちんと理解していたし、
ぴぐまりおん1~2年生の『数独の問題』の解き方を教えたところ、
すごく気にいって、自力でたくさん解いていきました。
上の写真は数独をする☆くんです。

『数独の問題』を解く☆くんは、□が2つあるとき、それは3か4の可能性があると仮定して、横の列の数を見て、3があるとすれば、4を決定し、もうひとつの□には3を入れるという
論理的に考えていかなければならない方法をたちまちマスターしました。
☆くんが、こうした問題に接したのは初めてだと聞いて、
とても驚いてしまいました。
今後も、算数分野の力が伸びていきそうです。

子どもの成長する力はすごいので、現状だけを見て、簡単にあきらめたり、決め付けたりしてはいけないな~と、感じました。


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