ロストケア

2023-04-12 14:29:52 | 映画
私なら、作品賞!

長澤まさみさんにも女優賞!松山ケンイチ氏にも男優賞あげる!

柄本明さんもめちゃくちゃ素晴らしかった!エゴイストと同じ俳優さんとは思えないくらいリアルに上手かった!私なら助演男優賞!

そして、綾戸智恵さんもめちゃくちゃリアリティーがあった。エゴイストの阿川佐和子さんもそうだけど、俳優畑じゃないのに演技がリアルって…。絶妙なキャスティングやね!

いやー、めちゃくちゃ良かった!めちゃくちゃ泣かされた!

ということで、予告編を見て、長澤まさみさんの間瞬きしない緊張感がある目の動きと泣きの演技に魅了されて観てきました。

まるで私のために制作して下さったと言わんばかりに、親父と過ごした最期の2年間がオーバーラップされまくってめちゃくちゃ泣かされた。

作品のテーマは、介護する側と介護される側の救済としつつも、日本に限らず全世界共通でもあろう高齢化社会における老人介護に対する社会の闇を露呈する内容でもあったので、

格差社会の歪みが介護社会にまで及んでいる日本社会の闇を浮き彫りにした本当に素晴らしい作品でした。

誰もが思うように、知的障害者を19人も殺害した相模原障害者施設殺傷事件を題材にした作品だと思ったら、原作は事件前に発表されていたので、未来を予見する内容でもあったということですよね。

予告編を見た時から、マタイ福音書の一節 

「人にしてもらいたいと思うことは何でも、あなたがたも人にしなさい」( マタイによる福音書 7章12節)

を語られていて、てっきり宗教的救済を行おうとしたオカルト要素が強い内容なのかな…と思っていましたが、

いやいやいやいやいやいや、完全に日本社会の闇を露呈する内容でしたね。

はっきり書きますが、安倍元首相が殺害された時、殺害理由が、犯人の母親が行った宗教への高額献金に対する逆恨みだったわけじゃないですか?

国はその後、すぐに宗教に対する高額献金や霊感商法に対する規制を取り決めましたよね?なのに、昔から高額献金は行われていたし、政治家どの癒着だって今に始まったことではないのに、いくら元首相といえどもたった一人の人間なのに、

そのたった一人の人間ために国が動いたんですよ。

ストーカー規制法もそうですが、犠牲者が何人出たら国は動いてくれるんですか?という問題が孕んでいるんですよ。

実際に例の殺傷事件では、45人が犠牲者となり、犯人は死刑確定。これで問題は解決したんですか?他の知的障害と高齢者は関係ないんですか?

昔から施設による介護者の虐待が取り上げらてますが、現実は自宅での家族の虐待が多いんですよ。強制的に施設に入所させて会わないようにさせたら問題解決になるんですか?クビにしたら問題解決になるんですか?

介護疲れによる殺人事件や自殺も昔からあります。何か良くなる対策をとってるんですか?

スタッフの再教育、介護者のレスパイトケアだけでは問題解決しないんですよ。休息と教育だけで人間が簡単に人格者になれると思うんですか?

一体、何人犠牲者を出したら根本的問題を改善するよう取り組んでくれるんですか?

というのが、この映画の核心だと思うんですよ。

お金があったら施設入所できます。お金がなくて24時間のケアが必要な自宅要介護者はどうなんですか?

疲弊した家族以外で、24時間ヘルパーさんが付きっきりで介護してもらえるんですか?介護保険じゃ単位が足りなくなるから1週間も無理だね。そうなると1ヶ月だとほぼ自費だね。結構な額になるよ。お金がないのに。

生活保護の問題も昔から取り沙汰されていますが、映画のように同居して誰かが働く能力があると申請受理されないんですよ。ということは別居すれば不正も可能なんですよ。それっておかしくない?

一体、どれだけ問題が露顕されないと国は動かないの?という話になってくるんですよ。

警察だって同じ。犠牲者が出る前に取り締まってほしくて相談に行ってるのに、事件にならなければ動かないってどういうこと?

根本的におかしくないか?セキュリティを強化したけりゃ自費でボディーガードを雇えってことですか?それもまた格差社会の弊害ですよね?

めちゃくちゃおかしくないですか???

映画の出來事はあくまでフィクションではありますが、伝えているメッセージはめちゃくちゃ社会批判です。問題提起だらけ。そういう意味も含めて素晴らしい作品だと思った。

話を映画にもどすと、

長澤まさみさん演じる検事(母親は施設入所中)とケンイチ氏演じる自称救済者(犯人)の対比の仕方がめちゃくちゃ素晴らしい。

片や裕福、片や貧乏。片や介護の苦しみが分からない、片や苦しみを知っている。

検事も自称救済者も見事に対比されているようで、検事もまた母親を施設に送った(厳密には母親自ら希望した)という意味では、ただ闇を経験していないだけで自分も救済されているんですよね。

殺した殺してないかの違いなだけで、やってることは同じ。


国は、高齢者への尊厳を謳っているが、それも足枷になっているのも事実。要介護者が虐待されるケースもあれば、介護者側が性的虐待をうけているケースもある。

日本では、昔からお客様は神様思想が蔓延してますが、その思想自体が歪みの元なんですよ。勘違いさせる原因だから良くない。お客様も人間です。神様じゃありません!

クレーム言ってくる人間にヘイコラしないといけないのか私には分からない。こちらのミスなら平謝りですが、そうじやない身勝手なクレームに対して謝る必要ありますか?あなたから給料もらってませんから!と言い返したくなる。

介護の問題だけでない日本社会の問題を露顕してる!

結局話が逸れまくりですが、

やはり、ケンイチ氏はカメレオン俳優やね。心優しい介護者と自称救済者の裏の顔の見せ方が上手い!全く別人格ではなく、自称救済者の内面にも優しさが見え隠れする演技がお見事!

予告編の時から魅了された長澤まさみさんの演技もリアル過ぎて、演技の枠を超えてその役の人物そのものだった。

ぶっちゃけ、演技ってね、どんなに上手い役者さんでもリアルな感情には勝てないんよ。まさみさんは、まさにリアルな感情を剥き出しにしてた。間違いなく女優賞!

もうさ、柄本明さんが、めちゃくちゃリアルな存在感があってラストは涙なくして見れなかった。ぶっちゃけ、私自身が柄本さんに救済された。

親父との2年間。まさかの親父との2年間。母親が先に亡くなるとは思ってなかったからね。私の親父は、ずっと入院暮しで最初は転院をくり返した。最期は宝塚の花火が見える療養型の病院で、2回屋上から花火を見たね。その病院で亡くなったので施設入所と変わらない。

その頃は、兄貴が遠くに住んでいたので洗濯物や着替え、オムツを病院に持っていったり、他病院への送迎は私がしていた。

母親が亡くなった時には既に親父は入院生活だった。母親が亡くなるまで母親が面倒をみていた。私は全くお見舞いに行かないくらい毛嫌いしていたから親父との交流がほとんどなかった。

それが、まさか母親が先に亡くなり、親父の面倒をみるなんて思ってもみなかった。

兄貴の結婚式の時は、車の中でオムツの交換したり、他病院に行く時はドライブしてケーキを食べさせたり、親父でなくて自分の子供を養ってる感覚だった。

兄貴と話合って、親父には母親の死を長いこと伝えていなかった。面会に行くたびに「おかあさんは?おかあさんは?」と聞くから正直に話せなかった。

でもね、ずっと黙っていても本人も薄々分かっていると思ったから、外出の時に兄貴に黙って実家に連れて帰ってお仏壇を見せた。親父は涙も見せず手を合わせてたね。一緒にケーキ食べたね。これは完全に私のエゴですが、糖尿病の親父にケーキを食べさせた。美味しそうに食べるんからね。たまの外出だからちょっと贅沢させた。

親父が入院中は、宝塚をほとんど観てなかったので、いつも大劇場を車で素通りして病院に行っていましたが、花火は2回見れたね。看護師さんが気を利かせてくれて私も一緒に花火を見た。いまでもポケモンの花火が忘れなれない。

2回急変があって今日がヤマかもと言われ、兄貴と兄嫁さんの3人で24時間交代でそばにいましたが、一回目は奇跡の復活で人口呼吸をつけることなくそこから1年生きた。

2回目は、兄貴と一緒に看取ることができた。実は、その時には既に強制的休職中だったから、火葬されるまで2日以上あったのでずっと棺桶のそばで折り紙折ってた。

なんの因果か、10代20代の頃は親父に反抗しまっくてほとんど関係を断ち切っていたのに、まさか親父と濃密な時間を過ごす日がくるなんて思ってもみなかった。

亡くなる数週間は全身に管が通されていて呼吸も苦しそうで見てるのも辛かったけど、親父の生き様を見て過去に抱えていた憎しみが雪のように溶けていった。

親父も親父で苦労して生きていたんやもん。酒を飲むと豹変する暴力親父ではあったけど、酒を飲まなかったら優しいとこもあったしね。

若い頃は、親ガチャだと思っていたけど、今は子ガチャやなって思う。こんなワガママ息子にたくさんお金を使ってくれたと思うと感謝の言葉しかない。

長くなりましたが、柄本さんの演技にはその想いを引き起こす力があって、ラストは本当に号泣に近いものがあった。

本当にあの折り鶴と手紙が私を救済してくれた。
 
柄本明さんに助演男優賞、作品賞も上げたい!

人殺しは良くないのは当たり前。検事の台詞も真理。

だからこそ、格差社会の歪みを正していかないと、もっともっと犠牲者が増える。

明日は我が身。今度は自分たちが高齢者、介護される側に回るんだから、子供たちを犯罪者にさせない、我々も犯罪者にさせない世作りが必要。

そのために今、何が出来るか?

真剣に考える時がきたのではないのでしょうか?







ノック 終末の訪問者

2023-04-12 10:53:43 | 映画
いやー、めちゃくちゃ退屈な映画…、途中で目を瞑って寝落ちしてもいいか…と思って観ていたら、

めちゃくちゃスピリチュアルメッセージ映画だった!!


ということで、「シックス・センス」で超有名なナイト・シャマラン監督の最新作を観てきました。

病気発言しまくりなので関わりたくない方は読まれないことをオススメします。


実はワタクシ、ナイト・シャマラン監督作品お初でございます。

実は「シックス・センス」観たことありません。オチだけは知ってました。ニコールの「アザーズ」を観た時に、「シックス・センス」と同じオチだということを感想レビューで散々目にしたからであります。

実は、「アザーズ」のオチ、映画を観た時は分かっていなかった…(汗)

最近、何故か「シックス・センス」を観てみたい病が強くなってしまい、ネットで観られないか検索しましたが、何千円もする販売はヒットしましたが、安いレンタルがヒットしなかったため、たまたまナイト・シャマラン監督作品が上映されるということで観てきたわけであります。

ナイト・シャマラン監督✕同性カップルの物語ということでどんな物語が繰り広げられるのか非常に興味津々で見始めたら、

ぶっちゃけ書いて申し訳ないが、それがまー、つまらなかった。

サスペンスホラー?サスペンスミステリー?を作りたかったのか、もうスキだらけ。

謎の人物たちの正体を明かさない理由があんのんかいなー(関西弁で「あるんかー」の意味)??

同性カップルである必要性があんのんかいなー???

と思いながら観ていたので本当に退屈で仕方なかった。

設定も意味不明だったため、これが世界のナイト・シャマラン作品なのかー、つまらないなーと思いながら見てた。

同性カップルに自己犠牲を強いておいた謎な人物たちが次次仲間を殺していく。その一人一人の死が招く地球災害の数々が映像で流れる度に、何を描きたいん?これ、映像化して大丈夫なん?的な映像がニュースとして流れるんですよ。

なんでこの人たち死ななあかんの?なんで災害が起こるの??あんたら自己犠牲を強いてるのになんで自分ら先に死ぬの??とマジ意味不明な展開。

何がしたいのか疑心暗鬼MAXになったところで種(謎)明かし…の展開。


これは、最初から最後までスピリチュアルメッセージであったことに驚き。

ぶっちゃけ、精神を病んだことがない方が観たら最後まで退屈極まりなかったと思う。

でもね、精神の淵を彷徨ったことがある人が観たら、間違いなく意味深な内容であることに気づくはず。

これはあくまでワタクシの解釈でありますが、

この作品のテーマはズバリ、“ヴィジョン” と“愛”。

神様のお告げであったり、高次元からのメッセージであったりするんです。いわゆるインスピレーションとか閃きとは違う、神様からの啓示と言った方が近いかな。ジャンヌ・ダルクと同じやね。

ヴィジョンなので動画ではなく映像。写真みたいなものが、ふと目の前、というか脳で見えるんですよ。その映像から意味を解釈していくんです。いわばタロットカードやオラクルカードの働きと同じ。具体的な絵なのか脳内で見る絵なのかの違いなだけ。

謎な人物たちが見た映像は、ズバリ未来予知夢。このままでは世界が滅ぶという映像を見たわけですよ。世界滅亡を防ぐために選ばれたのが同性カップル。そのカップルの内どちらかの自己犠牲(死)によって世界は平和になるというヴィジョンが告げられたわけですよ。

と書くと、ウルトラマンと同じで、地球の平和を守るのがなんで小国日本のウルトラマンやねん!?アメコミヒーローやねん!?「すずめの戸締まり」の鈴芽やねん!?と言いたくなるのですが、

ハッキリ書くと「すずめの戸締まり」の鈴芽と同じで、鈴芽が選ばれる理由があったように同性カップルにも理由があった。

彼らが特別な存在じゃなくて我々人類の代表に過ぎないわけなんですよ。ぶっちゃけ、あなたでも私でもいいんですよ。

映画としては登場人物のバッググラウンドが必要なのでたまたま取り上げられたのが同性カップルであったり鈴芽であったわけですよ。これはあくまで映画制作として。脚本としてね。

世界平和のために何故自己犠牲をしなくてはいけないのか???

自己犠牲しろ!死んだら平和になる!といった生贄を復活させろ!と言いたいのではなく、

君らちゃんと愛あるんか?ちゃんと人を愛せてるんか?傲慢になってへんか?と問いただしてるんですよ。これがスピリチュアルメッセージの核なんですよ。

日本の文化では昔から地鎮祭、お祭り、奉納演奏、奉納舞、神楽などなど…その土地土地の氏神様や家を建てる時など神様に祈りや感謝を捧げてきたのと同じで、

このまま愛を見失ったら、地震や津波、コロナのようなエピデミック、9.11の自爆テロ、日本人も犠牲になったイスラム過激派の殺害同様、自目に見えない力が自然殺害を起こしたり人を狂わせたりするという警告をスピリチュアルメッセージとして伝えているんですよ。



ぶっちゃけ、今だから言えることですが、私自身精神を病んだ時、ヴィジョン見えまくっていましたからね。それを良いメッセージとして周りに伝えたら診療内科に連れて行かれ安定剤と睡眠薬を貰いました。あの頃は、3日間不眠でも車を運転するくらい脳が覚醒してた。無事故で宝塚まで運転してた。自分は病気だとは思っていなくても、周りがそう思ったら病気なんですよ。

最近、統合失調症で入院経験がある方のYou Tubeを拝見すると私も一歩手前だったことに気付かさせられた。症状が一緒。このままヴィジョンに従って行動したら強制入院させられていたかもしれない。

今だから書きますが、それこそ脳内でパラレルワールドが繰り広げられ、テレビから聞こえる声(特にドラマの台詞)をもメッセージとして解釈してしまう。現実と脳内の境い目が分からなくなってくる。自分は美輪さんや江原さんみたいに霊能力者になったんだ!と思い込んだから、ヴィジョンに従って見知らぬ人に声かけたり、公園に行ったり、めちゃくちゃ泣きまくったりもしてた。

今思えば、全くの赤の他人様によって病院連行されなくて良かったよ。

あの頃は完全に低級霊に取り憑かれたと思うね。自分で言うのもなんですが、お芝居の時は、私も憑依型なので(笑)映像で自分の演技を見たらめちゃくちゃ下手やったけどね。何が憑依型や!(汗)

私は統合失調症の診断名はもらいませんでしたが、今思えば本当に一歩手前だったと気付かさせられる。

こんなこと書いたら統合失調症の方に対して差別発言になってしまいますが、両親健在でお金持ちなら働かずに神様の啓示に従ってたと思う。病気だと思ってないから。

でも私の場合、両親二人ともいない、貧乏人。兄弟親戚に迷惑かけたくない気持ちだけは人一倍なので、生活費の援助は受けたくなかった。だから働かないといけない。働くためには自分は病気であることを認めて、世間に自分の病気が治ってきたことを提示していかないと働くことができないんですよ。生活ができない。若い頃は能動的かつ計画的引きこもりをシていたのに、まさか受動的に強制引きこもりをさせられるとは思ってなかったよ。私の休職期間は2ヶ月が限度だった。職場に仕事復帰を願い出た。

今だから書くけど、自分は病気だとは本心では思ってなかった。でも、社会復帰のためにはパラレルワールドと現実を完全に分けて生活しないといけなかった。それこそヴィジョンに従ったら大変なことになる。

本心では病気だとは思ってなくても、働くためには病気だと認めないといけない時もある。それが社会という現実。スピリチュアルの世界ならぶっちゃけ働く必要はない。ま、どうやって飯食うねん!?という問題が出てくるが…。自給自足でも労働は必要だしね…。

歴史において人間が勝手に資本主義経済や社会主義経済を作りあげてきた。そこで生活することが社会の一員とみなされている、ということが現実社会だからお金なくして生きて行くことは難しい。結局のところ、スピリチュアルな世界でもルールは必要だから今と変わらなくなる。

そんな現実社会だからこそ、完全にスピリチュアルな世界や生活には移行できないからこそ、愛や慈悲、そして自分の芯を失ってはいけないことをメッセージと伝えてるんよね。

謎な4人の登場人物をヨハネの黙示録の四騎士に喩えているのも興味深かった。地球を守るために大事な4つ。

ナイト・シャマラン監督も相当スピリチュアリストやね。原作があるといえ、シャマラン監督のオリジナル要素がふんだんに散りばめられていると思った。

それにしても、まさか、私がヴィジョンについて語る日が来るとは思ってなかったよ。意味不明発言でごめんなさいm(__)m

またくり返しますが、

今は、あの頃は完全に病気だったと言えますが、ただこのブログに書いてる内容はその時感じたヴィジョンで書いています。決して神の啓示のヴィジョンではなくあくまで私の直感のヴィジョンです。紛らわしいね。

決して数日たって冷静になって思い返して書くのではなく、特に観劇ではその時感じたことをありのまま書くようにしています。ま、宝塚のショーみたいに全く言葉も閃きも降りてこないこともあるが…(汗)