何となく分かったような気がしているけれどはっきりとは定義できない言葉が流行している。僕の最近のモヤモヤは「推す」とか「推し活」という言葉。何じゃそりゃ?――そろそろ調べてみようと思っていたら、ちょうど頃よく読売新聞に“推し活は人生の栄養素”という見出しで甲南女子大の池田大臣先生が解説している記事を見つけた。へえ~” 推し活” は生きる栄養素にもなるんだ、と興味津々、しっかりと読んでみた。要するに「推す」というのは推薦の推を使ってお気に入りのアイドルのような人や物を作ること。「推し活」はその対象への“入れ込み活動”とでもいうのだろうか。その過程で同じ活動をしている人達と出会い、交流しながら異次元の世界を体験できるという。ま、何というか日常を破るというか倦怠感を打ち破るというか、そのようなものに役立つという事らしい。(日本語がどんどん簡素化されていく兆候が見えてくる)
プロ野球選手を追いかけてファンになり、狂信的チームファンになり、同じユニフォームを着て応援する。そう言えば大阪には”虎キチ”と言われるファンがたくさんいて阪神タイガースを応援している人達がいる。推し活の典型だ。そうかと思えば世界中のコスプレファンが東京に集合してみたりするのもきっとこの種の活動に入るのだろう。人は生きる上で自分のヒーロー的な何かが必要なのだろう。考えてみると、僕らの子供の頃でもやはりそんな人を必要としていて、自分の人生に大きな影響を及ぼした人がいる。本や映画やテレビの中に僕らはヒーローを見つけてきたのだ。「推す」とは“君がいる(いた)から僕がいる…”そんな意味にもなるのかなー。