学びのプラスあるふぁ:日常の気付き

人の人生、それぞれが皆オリジナル。街を歩き人に話しかけることから「なるほど」と納得できる発見がある。

静かに!世界がひっくり返るから

2024-05-17 16:37:20 | 日記
 後部の窓に”Baby In Car”というスティッカーを貼っている車をよく見かける。何を意味しているのかと考えることがある。「静かにしてください」「後ろから警笛で煽らないでください」「ゆっくり走るのでどうぞお先に」などなど。要するに赤ん坊を起こさないでくださいという伝言なのだと僕は理解している。
 僕と女房のアメリカ生活の出発点は大学の夫婦寮であった。夫婦のどちらか、もしくは両方が大学に通っていて、赤ん坊がいる夫婦もいるかもしれない。夫婦寮とはそんな大学施設のアパートである。「静かに!赤ん坊を起こさないで。世界がひっくり返るから」というドアの張り紙を思い出す。うまくユーモアたっぷりに赤ん坊の存在を周りに伝える文面だと思った。先日は我が家の近くで洗濯の物干し竿などを売っている行商の小型トラックの拡声器がやかましいと大声で怒っているバギーを押すお母さんを目撃した。「子供が起きるじゃないの!」と一喝、トラックの運転手が大急ぎでボリュウムを下げたのだ。すごい!母は強し!そう言えばバギーの中の赤ん坊と母親に対する対応の仕方で周りの人の人間性が見え隠れする。電車に彼らが乗り込んできた時に、迷惑そうな表情を見せる人、ニッコリ笑顔で道を開ける人、近くの年寄りは非常に高い確率で話しかける。「今、何ヶ月?」不意を突かれた母親の方が迷惑そうな顔になる。このご時世、あまり気軽に話しかけてはいけないのだと教えられる。そんな世間の喧騒はどこ吹く風、赤ん坊はスヤスヤ、天使の歌でも聴いているのだろうか。平和とは…と頭をよぎる。