学びのプラスあるふぁ:日常の気付き

人の人生、それぞれが皆オリジナル。街を歩き人に話しかけることから「なるほど」と納得できる発見がある。

自分の薪は自分で切れ

2021-04-09 16:34:19 | 日記
大阪にあるソメイヨシノの桜が全て葉桜に変わって若葉の緑が新鮮で好きだ。庭をフラブラしながらなぜかご存知『渡る世間は鬼ばかり』の橋田壽賀子さんを思い出していた。本当に突然の訃報に驚きながら、生きるとは人生とはなどと考えていたのである。別に親しくしていたわけでもないし会ったこともない。3月の初めにNHKのラジオ深夜便で彼女の生き方や日常を語る対談を聞いて眠りに入った夜のことを思い出したからである。さまざまなしがらみを捨てて自由でわがままに生きていると彼女は言った。自由とは物事を自分軸で考えることができることがその第一歩なのか、などと考えながら僕はその夜の眠りについたのだ。「自由でわがままに生きています」といった橋田壽賀子という脚本家、一貫して女性の視点で社会を見たと言われている。作家といえばあの夏目漱石も「自由な書を読み、自由なことを言ひ、自由なことを書かんことを希望致し候」などという言葉を残している。
積極的にひとりになることで自由を目指したのはあの『方上記』の鴨長明だ。「行く川の流れは絶えずしてしかも元の水にあらず…」と綴った。日本には「独立独歩独生独死」という言葉があって、自立して自分の力で生きることを学び死をもって独りで人生を終える、という意味なのだが、人には必ず人生を終える時が来るという無常観は、この世に不変のものはないと教えてくれる。とはいえなんとも暗い寂しい雰囲気がつきまとう。橋田壽賀子さんの「自由で気ままに」にはそんな無常観は感じられない。もっと明るく一人を楽しむ的な陽気さがあるのだ。同じ陽気さと積極的な生き方を残したアメリカの自動車王ヘンリー・フォード(フォード・モータース創始者)の言葉、「自分の薪は自分で切れ、そうすれば二倍暖かくなる(Chop your own wood, and it will warm you twice.)」は自然な環境の中で一人で自立して生きる自由さや積極性を感じさせてくれる。頑張れば見返りも二倍、と勇気づけられもする。