プラムとパン 8号 水彩
阿 闍 梨
鬼灯の笑福門や深大寺 惟之
秋日和阿闍梨と歩む比叡山
萩散りて蒔絵の彩を重ねをり
秋の田を無残に覆う土砂崩れ
廃寺の心礎に窪み十三夜
誌上句会 兼題「綿虫」
特選
軒先に舞ふ大綿や山日和 敏子
綿虫の綿透く空の青さかな 梟子
山国の暮色急なり大綿とぶ 篤子
富士見えて綿虫どこまで付いて来る 洋子
綿虫の群れを突き切り摩周湖へ 章代
秀作
綿虫の漂ふ渓の道長し 近子
綿虫や備前の山の皆ましろ 紀久子
綿虫や忍者隠れも杉木立 奈緒世
綿虫や山の分校灯の入りて 洋子
綿虫の光となつて舞ふ日暮れ 佳子
綿虫や旅路の果ても風まかせ 泰行
儚きや我と綿虫似てゐたり 捨弘
綿虫や舟へと急ぐ遊歩道 加代子
綿虫や晶子の歌碑は川向かふ ひさ子
葬列の後先になり雪蛍 まこと
綿虫や修行大師の錫杖に 恵子
綿虫やつかみどころのなき話 博女
綿虫や村の真中の駐在所 睦美
綿虫や野地蔵につこり座し給ふ 美枝
綿虫のふはり降り立つ無人駅 万智子
廃校の窓辺に集ふ雪蛍 須美子
綿虫の飛ぶさま我の歩くさま 敦子
綿虫や千姫眠る伝通院 基雲
綿虫や心重たき日にありて 懋
綿虫を払ひ今夜のレシピ決め 秀子
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