畔に咲く彼岸花。湖南アルプス中央の山は田上山(559.7m)
ひがんばな科の多年生草木。地下に鱗茎があって、秋に花輪をのばし、その上に赤い花をいくつか輪状にひらく。花蓋が六弁でそっており、雄しべ、雌しべが突き出している。妖艶である。葉は花が終わったあと、初冬のころに線上に簇状、春に枯れる。有毒植物であるが、いまわしく忌きらう人と美しく見る人がある。植物名は彼岸花。曼珠沙華は法華経から出た言葉で赤いという意味。平井照敏 新歳時記 秋より転載。
食糧難の戦時下、鱗茎を水に漬け、日に曝して毒気を抜き、粉を食材にしたといわれる。彼岸のころに気がつけば咲いていたが、ここ数年は温暖化のためか、9月末から10月にずれて咲いている。
空澄めば飛んで来て咲く曼珠沙華 及川 貞
つきぬけて天上の紺曼珠沙華 山口誓子
対岸の火として眺む曼珠沙華 能村登四朗
曼珠沙華どれも腹出し秩父の子 金子兜太
七十の出来心かな曼珠沙華 大嶺節子
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