水彩画と俳句の世界

自然を愛し、感性を大切にして「水彩画と俳句の世界」を楽しんでいます。

八月の詩(豆の花)

2023年07月30日 16時23分56秒 | 春の俳句

  

           エルムの森(北海道大学)六号水彩

      豆の花

乗り過ごしべそをかく子や豆の花  惟之

多羅葉に一文字書けば胡蝶くる

花びらの流るる疏水船溜り

乗船の客の声ゆく花の下

里山の遺跡を囲む花菜かな

    誌上句会 兼題「風薫る」

特選

北国のエルムの森や風薫る  惟之

幼子のよちよち歩き風薫る  まこと

少年の清し一礼顔薫る  廣平

生き延びてまだ風薫る土手にあり  つとむ

母と来し摂津の湯宿風薫る  鈴子

風薫る島へ渡船のいろは丸  京子

秀作

入魂の地鎮の御鍬風薫る  三枝子

風薫る若き家族のユータウン  秀子

薫風や牧場の馬の息かかる  みどり

風薫る北の大地の樺並木  泰山

薫風やマスクはづして存分に  靖子

山並を田の面にうつし風薫る  祐枝女

検査結果よしと言われて風かおる  万智子

風薫る瀬戸の島島遠近に  紀久子

生徒らの手話の賑はし風薫る  珠子

まほろばの奈良の水田や風薫る  治子

薫風に光たちゆく水面かな  東音

薫風や茶筅供養の焔立つ  安恵

風薫るベッドメイクをねんごろに  詔義

通園のラッピングバス風薫る  清次

薫る風開いてもみる日本書記  稔

茶室まで続く飛石風薫る  篤子

風薫る亡夫の旅せし日の遠し  靜風

薫風や石切りさんの大鳥居  知恵子

渾身の祈りは平和風薫る  翠

千体地蔵撫でて降りきし風薫る  博女

入選

風薫る昇仙峡のトテ馬車へ  秀輔

ありがたう下車のひと声風薫る  謙治

父と子の散歩の話風薫る  加代子

風薫る旧街道の酒まんぢゅう  藤子

疏水路に賑わふ鳥語風薫る  洋子

五重の塔上り開扉風薫る  啓子

ヘルメットよりの黒髪風薫る  美代子

風薫る幼今日からトーシューズ  信義

風薫る市電の走る海の街  文夫

風薫る小江戸巡りのレトロバス  和男

風薫る水場のコイン光らせて  洋子

しとやかな巫女の仕草や風薫る  敏子

風薫る雄三通りのカフェテラス  京子

薫風の中の寺町一人旅  博光

風薫る日日好日でありにけり  美智子

風薫る北山杉の参道に  三郎

    やまびこ(六月号の作品から)感銘・共鳴ーー私の好きな一句

早春の日差しをすくふオールかな  勝彦

菜の花に巨船ゅったり浮き沈み  京子

うちの子になる運命の子猫かな  布美子

薄氷や朝日をのせて岸離れ  東音

光曳く鳥や二月の多摩川原  東音

水取を愛し逝きたる夫弘斎  和子

頑健な奴から逝きぬ梅真白  爽見

年波は通奏低音春を待つ  圧知

物差しでいのち計れず寒明ける  近子

待春の空蹴り上げて逆上がり  篤子

一握りに春光はしる小鮒釣り  みどり

玄関に友のステッキ春を待つ  悦子

節分や隣家も鬼のきてるらし  秀子

夫掻いたあとを少しの雪箒  恒子

    俳誌嵯峨野 八月号(通巻第625号)より

 

 

  

 

 

 

 

 

 

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