金勝アルプス天狗岩山頂より(2017.7.24)
下萌
笑ふ児の歯はうすうすと下萌ゆる 惟之
橋下に数多隠れし燕の巣
サーチライト照らし舟ゆく花の下
山越えの桜蕊ふる通学路
幼子の諸手に溢る花の屑
誌上句会 兼題「螢」
父母や飯盛山の夕蛍 惟之
束の間の命の乱舞蛍の夜 洋子
かりそめにこの世に生まれて螢かな 秀子
せせらぎの涼しき宿や螢飛ぶ テル
荒物店むかし懐かし螢かご 幸子
ほうたるを蚊帳に放ちし幼き日 捨弘
湧水の川をよぎりし初螢 美枝
やまびこ(六月号の作品から) 感銘・共鳴ー私の好きな一句)
しばらくは春の海見て空を見て 志津
多羅葉にようこそ古希をと春便り 啓子
足袋を履く背骨一本軋ませて 素岳
土筆出てみな仲良しに過ごしをり 志津
春立つと聞きて伸びたる背筋かな 玲子
春耕の眠りし土の鼓動かな きぬ
庭のもの眺めて春と思ひをり 海尾
春の雨丹波木綿にある重み 洋子
凍星の剥がれて沖の漁火に ひさ子
明日はまた明日を頼りに冬籠 隆を
励まして励まされつつ春を待つ トモ
一村の鬼打ち揃ふ追儺寺 正弘
虎杖を折ればパ行の音したる 節
花屋の荷解かれ息吹く猫柳 一宇
ポストまで少し歩いて少し春 喜美恵
俳誌 嵯峨野 八月号(通巻553号より)
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