SPで首位に立つ。
中国杯でもそうであったが、ここは、あの、P.チャンや羽生結弦もいる、「グランプリ・ファイナル」 でのことである。
ひょっとして、優勝の望みもあるかもしれない。
そう思いながら、FP最終滑走、高橋大輔の出番を待つ。
滑走5番目のチャンの演技が終わった時点で、チャンは総合3位。
その前に演技を終えたばかりの羽生が二位。高橋のSP首位での点数から考えても、
これで、日本人初の優勝が確実となり、後はその座にすわるのが、羽生か高橋か、という興奮の渦の中、
高橋が、何事も知らぬかの様な穏やかな表情で、リンクへと滑り出す。
自らの演技に集中するために、人の試合は全く見ない、と言い切る彼は、おそらくその事実は全く知らないだろうと思われ、TV画面では、先に演技を終え、モニターを見てそのニュースを知る、やや興奮気味の羽入の姿とを、交互に映し出す。
シャー、シャーと、氷上を滑るブレードの音だけが、湧き上がる歓声とは裏腹に、静まり返った場内に響き渡る。
高橋は、巷でやや不評だった前の衣装を、全身黒いものに変えてきた。
黒は、高橋にとても似合っているうえに、彼にとって、縁起のいい色である。
よしっ! と頷きながら、
リンク中央に位置を取る高橋大輔を見て、なぜだか突然
「(羽生のためにも) 羽生に今、金を取らせてはいけない。お願いだから、大ちゃん、勝って!!」
愛国心を敵に回し、全てを高橋大輔だけに注ぐかのような私の目は、全身全霊でそう叫び、神に祈った。
かたずをのみ、オペラ 『道化師』 のメロディーが始まる。
どうか失敗しないようにと、ただ、それだけを願う。
それまでの、GPシリーズ二戦とは明らかに違う、高橋の表情と雰囲気は、すでに 「道化師」 そのものとなって、あたりを包み込む。
この、他を圧倒するかのようなオーラで、最初の4回転こそ転倒したが、続く、4-3 を ピタリと決め、場内のため息を誘う。
そのほかは、ジャンプ後の着氷の際にバランスを崩しながらも、何とか踏ん張って転ばずに済んだところ、バックする時、やや足が氷に突っかかった感じがしたのと、ジャンプ後に片手をついたくらいで、大きなミスもなく、演技は終盤ステップへとさしかかる。
このあたりからもう、うるうるとしてきて、見ている私も感情の高鳴りを抑えることができない。
恋人の不貞に嘆き悲しみ、苦悩の末、前後の見境がつかなくなって狂気へといざなわれてゆく道化師の、魂が乗り移ったかのような狂おしい演技に、場内は引きこまれ、感嘆の声を上げ、クライマックスを迎える。
演技終了後、割れんばかりの拍手を受けながら、
全てをやりきったかのような、やや、放心に近い、今シーズン初めて見せる表情に、高橋の満足げな様子が見て取れた。
キス&クライには、今シーズンから再びタッグを組むことになった、かつて(2005-2008)のコーチであり、現アドバイザーのニコライ・モロゾフと、ずっと彼を陰ひなたなく見守り続ける、長光歌子コーチがいる。
二人に囲まれて座る高橋の、優勝するために必要な点数は、172.01点だと、TV画面が伝えている。
「 177.11、今シーズン、パーソナルベストです。 」と伝えるアナウンスと、湧き上がる歓声に、えっ、優勝なの?
すぐには感覚のつかめない高橋と、そしてそれを見守っている私。
電光掲示板の順位に、 「1」 の文字が浮かび上がり、初めて、コーチらと歓喜のハグを交わす高橋に、熱いものがこみあげてきた。
ああ、高橋大輔が、優勝したのだ。
あとは、涙、涙である。
よかった・・・。
モロゾフ(右)や長光らとともに、優勝を喜び合う高橋。
* * * * *
結局、最後にはおいしいところを全部持って行ってしまう男、それが高橋大輔である。
しかしながら、過去に6回もファイナル出場を果たしながら、ついに最高位だけはつかむことができなかった高橋への、
7回目のチャレンジにしてようやく頭上に輝いた 「金メダル」 は、長年苦しみぬいた彼への、神様からのご褒美であるに違いない。
19歳、初めて出たGPファイナル(2005-2006)で、銅メダル。
翌、2006-2007シーズンでは、銀メダル。(1位ブライアン・ジュベール(伊・中央)3位織田信成(右))
2007-2008シーズン、
トリノ五輪(2007年)で8位に終わったことに奮起した、その翌シーズン、
2度目の4回転を決めるなど、誰もが、高橋が勝ったと思った瞬間、「わずかに0.16、ランビエールに及ばず」、と無上の声が鳴り響き…
またしても、銀メダル。 写真中央は優勝した、ステファン・ランビエール(スイス)、右は3位のエヴァン・ライサチェク(米)
でも、その後の明けた2008年、悔しさを糧に挑んだ四大陸選手権フリー、同じプログラム 『ロミオとジュリエット』 で、国際大会では世界初となる、一試合で4回転をみごと2度成功させ、歴代最高得点をたたき出し、シニアで参戦した国際大会で、初めて優勝を手にすることができた。
それなのに、スケートの神様は、この年の秋、靭帯断絶という無情の試験を与えたもうて、高橋から栄光を遠ざける・・・。
結局高橋は、GPファイナルだけに限って言えば、日本男子出場最多(6回)でありながら、中々金メダルが取れない男(銀3回、銅1回、5位と4位が1回)、と呼ばれてしまい、
日本人男子としても、小塚崇彦や織田信成が表彰台に上がりつつも、金メダルには届かず、2006-2007シーズン以降は6年連続の銀メダルどまり、という事態となっていた。
つまり、グランプリファイナルで、日本男子が金メダルを取る、というのは、悲願であったわけだが、
これまでも、日本男子史上初の 「オリンピックの表彰台」、日本男子史上初の 「世界選手権金メダル」、
そして今回が、日本男子史上初の 「グランプリファイナルの制覇」。
この、“日本男子史上初” というタイトルは、やはり、彼にこそとってほしかった。
なぜなら、彼、高橋大輔こそが日本男子フィギュア界をここまでに押し上げ、切り開いてきた 「立役者」 であり、「パイオニア」 なのだから。
( 会場に手を振る高橋。 後ろの壁のすぐ上までも、彼のファンが押し寄せて、声援を送り続ける。 )
高橋は、それでも “王者” だから、表彰台には何となく上がれそうな気はしたいたものの、大変失礼ながら、まさか一番いい色のメダルが取れるとは、大会前は、正直思っていなかった。
なぜなら、先にも書いたようにファイナル出場への得点が5番目だったこと、日本人選手の若手があれだけ頭角を現してくると、内心気が気でなかったし、何より、波に乗る羽生結弦の勢いは、誰にも止めることができないかのようにさえも、見えた。
もちろん、ファイナル3連覇を狙う世界の王者、P・チャン(カナダ・世界選手権も2連覇中)もいる。
だが、しかし、当の高橋には、口では 「100パーセントの演技をして、世界や他の日本人勢と自分との差を確認したい」 などと言っていたようだが、もしかしたら勝算があったのかもしれない。
中国杯、NHK杯と徐々に上げてきたのだから、ファイナルあたりにちょうどよい仕上がりになってくるはずであり、むしろ、ファイナルに照準を合わせて、それまでの大会を軽めに抑えてきたともいえるかもしれない。
そして、4回転さえ、決まれば。
( 同じく、4年ぶり3度目の金メダルに輝き、 「男女アベック優勝」 を果たした浅田真央と、エキシビション後のインタビューにて。
この二人がアベック優勝として並んだのは久しぶりで、自然体でかわいらしさがにじみ出る、個人的にけっこう好きなショットなのです。 )
だが、このとき、 「自分は出れるだけで精一杯で、今の日本人がハイレベルになってきている状態で、とても勝てるとは思えなかったから、まさか優勝できるとは思ってもみなかった。」
(我々が堂々として見えた、試合前にリンク入りするときにも) 「緊張していて、何も覚えてないです・笑。」
などと言っては、周囲を驚かせた。
この時、高橋の発言に驚いたのは、TVを見ていた我々だけではなく、同大会のナビゲーターでもあり、今インタビューの司会者でもある、松岡修三(左から二人目)と、荒川静香(左端)も、である。
関係ないけど荒川さんのジャケットの配色が、高橋大輔のショートの衣装に、なんか似てると思いませんか?
最初は、え゛っ!? と思ったが、だんだんなじんできた、SPの衣装。
体のラインを美しく見せ、色も、曲に合っている気がしてきたから、不思議・笑。
ジャケットから覗く黒いシャツのレース地と、裾がめくれるたびに見え隠れする、銀色に光るラインストーンのベルトが、また、セクシー。
こちらが、例の私が絶賛した・笑、深いピンク色の裏地が時折見え隠れする、エキシビション 『ブエノスアイレスの冬』 の衣装。
よく見ると、所々にレースやラインストーンがちりばめられている、美しくもセクシーな、情熱的衣装。
解説の荒川静香は、EXの高橋の演技をして、「 ここまで表現できるスケーターは、そう多くはいない。もう、(解説の)言葉がいらないくらいですね。」 と、絶賛。
書き手として、それを、「言葉」(文章) にしてみたいなぁー、という欲求に駆られるのが、私・笑。
演技中にカメラ目線? を送る高橋の、この一瞬を 「静止画」 にするために、なかなかうまくいかなくて、実に10回以上も画面のストップを繰り返した私。
最後は、大ちゃんの笑顔で締めくくります。
よかったね、大ちゃん。 優勝できて、ほんとうに、おめでとう!!
左から、羽生結弦、2位。右端は3位のパトリック・チャン。
女子は、中央が優勝した浅田真央、左は2位のアシュリー・ワグナー(米)と、右は3位の鈴木明子。
アッコちゃん、NHK杯では、FP、本人も感極まるほどの会心の演技だったのに、今回は細かなミスが出てしまい、わずかの差で3位になってしまいました。昨年は銀メダルだったから、非常に残念です。
真央ちゃん、長く苦しんだけど、本当によかったね。 おめでとう!!
今季のプログラムは、どれもみな明るくて、真央ちゃんらしくて、本当にかわいくて、見ていて幸せな気分になれたよ。
《 おまけ 》
中国杯後に、お祝いの 「上海ガ二」 に舌鼓を打つ、左から、町田樹、真央ちゃん、大ちゃん。
「次はソチで ピロシキ を食べられるように、がんばります!! 」
そうガッツポーズをとる高橋の頭の中には、おそらくファイナル進出への式図は出来上がっていたことだろう。
ファイナルが終わったら、ソチでは何を食べたい? との質問に、「ボルシチ」 と答えた真央ちゃん。
念願のボルシチと、写真手前の ピロシキ を夢中でほおばる姿を、大ちゃんやアッコちゃんが、暖かく見守っている。
天真爛漫な 「真央姫」 は、いつでも話題の中心。
真央ちゃんにチャチャを入れつつ、見守っている風な? 素顔の大ちゃんがまた、かわゆいのでス。(^^)
それにしてもこの二人、なんとなく微笑ましい。
年齢に関係なく、大ちゃん、アッコちゃん、真央ちゃん( 大ちゃんはたまにマオって呼んだりして、なぜだか、ドキッ としたりして。アンタがドキッとしてどーすんの? ってカンジですが・笑。 ) などと呼び合って、フィギュア日本選手団は、いつでも仲が良くて、素顔の彼らは、明るく無邪気で、見ているこちらも、つい、楽しくなってしまいますね。
写真左より、小塚崇彦、鈴木明子、浅田真央、高橋大輔。
同時期に開催された、「ジュニア・グランプリ・ファイナル」 銅メダルの日野龍樹(りゅうじゅ)、同6位の田中刑事(けいじ)。彼らはまだ高校生。今後に期待したいですね。 (^_-)☆
※ 写真は、TV画面を勝手に写真に撮らせていただきました。 すみません。
中国杯でもそうであったが、ここは、あの、P.チャンや羽生結弦もいる、「グランプリ・ファイナル」 でのことである。
ひょっとして、優勝の望みもあるかもしれない。
そう思いながら、FP最終滑走、高橋大輔の出番を待つ。
滑走5番目のチャンの演技が終わった時点で、チャンは総合3位。
その前に演技を終えたばかりの羽生が二位。高橋のSP首位での点数から考えても、
これで、日本人初の優勝が確実となり、後はその座にすわるのが、羽生か高橋か、という興奮の渦の中、
高橋が、何事も知らぬかの様な穏やかな表情で、リンクへと滑り出す。
自らの演技に集中するために、人の試合は全く見ない、と言い切る彼は、おそらくその事実は全く知らないだろうと思われ、TV画面では、先に演技を終え、モニターを見てそのニュースを知る、やや興奮気味の羽入の姿とを、交互に映し出す。
シャー、シャーと、氷上を滑るブレードの音だけが、湧き上がる歓声とは裏腹に、静まり返った場内に響き渡る。
高橋は、巷でやや不評だった前の衣装を、全身黒いものに変えてきた。
黒は、高橋にとても似合っているうえに、彼にとって、縁起のいい色である。
よしっ! と頷きながら、
リンク中央に位置を取る高橋大輔を見て、なぜだか突然
「(羽生のためにも) 羽生に今、金を取らせてはいけない。お願いだから、大ちゃん、勝って!!」
愛国心を敵に回し、全てを高橋大輔だけに注ぐかのような私の目は、全身全霊でそう叫び、神に祈った。
かたずをのみ、オペラ 『道化師』 のメロディーが始まる。
どうか失敗しないようにと、ただ、それだけを願う。
それまでの、GPシリーズ二戦とは明らかに違う、高橋の表情と雰囲気は、すでに 「道化師」 そのものとなって、あたりを包み込む。
この、他を圧倒するかのようなオーラで、最初の4回転こそ転倒したが、続く、4-3 を ピタリと決め、場内のため息を誘う。
そのほかは、ジャンプ後の着氷の際にバランスを崩しながらも、何とか踏ん張って転ばずに済んだところ、バックする時、やや足が氷に突っかかった感じがしたのと、ジャンプ後に片手をついたくらいで、大きなミスもなく、演技は終盤ステップへとさしかかる。
このあたりからもう、うるうるとしてきて、見ている私も感情の高鳴りを抑えることができない。
恋人の不貞に嘆き悲しみ、苦悩の末、前後の見境がつかなくなって狂気へといざなわれてゆく道化師の、魂が乗り移ったかのような狂おしい演技に、場内は引きこまれ、感嘆の声を上げ、クライマックスを迎える。
演技終了後、割れんばかりの拍手を受けながら、
全てをやりきったかのような、やや、放心に近い、今シーズン初めて見せる表情に、高橋の満足げな様子が見て取れた。
キス&クライには、今シーズンから再びタッグを組むことになった、かつて(2005-2008)のコーチであり、現アドバイザーのニコライ・モロゾフと、ずっと彼を陰ひなたなく見守り続ける、長光歌子コーチがいる。
二人に囲まれて座る高橋の、優勝するために必要な点数は、172.01点だと、TV画面が伝えている。
「 177.11、今シーズン、パーソナルベストです。 」と伝えるアナウンスと、湧き上がる歓声に、えっ、優勝なの?
すぐには感覚のつかめない高橋と、そしてそれを見守っている私。
電光掲示板の順位に、 「1」 の文字が浮かび上がり、初めて、コーチらと歓喜のハグを交わす高橋に、熱いものがこみあげてきた。
ああ、高橋大輔が、優勝したのだ。
あとは、涙、涙である。
よかった・・・。
モロゾフ(右)や長光らとともに、優勝を喜び合う高橋。
* * * * *
結局、最後にはおいしいところを全部持って行ってしまう男、それが高橋大輔である。
しかしながら、過去に6回もファイナル出場を果たしながら、ついに最高位だけはつかむことができなかった高橋への、
7回目のチャレンジにしてようやく頭上に輝いた 「金メダル」 は、長年苦しみぬいた彼への、神様からのご褒美であるに違いない。
19歳、初めて出たGPファイナル(2005-2006)で、銅メダル。
翌、2006-2007シーズンでは、銀メダル。(1位ブライアン・ジュベール(伊・中央)3位織田信成(右))
2007-2008シーズン、
トリノ五輪(2007年)で8位に終わったことに奮起した、その翌シーズン、
2度目の4回転を決めるなど、誰もが、高橋が勝ったと思った瞬間、「わずかに0.16、ランビエールに及ばず」、と無上の声が鳴り響き…
またしても、銀メダル。 写真中央は優勝した、ステファン・ランビエール(スイス)、右は3位のエヴァン・ライサチェク(米)
でも、その後の明けた2008年、悔しさを糧に挑んだ四大陸選手権フリー、同じプログラム 『ロミオとジュリエット』 で、国際大会では世界初となる、一試合で4回転をみごと2度成功させ、歴代最高得点をたたき出し、シニアで参戦した国際大会で、初めて優勝を手にすることができた。
それなのに、スケートの神様は、この年の秋、靭帯断絶という無情の試験を与えたもうて、高橋から栄光を遠ざける・・・。
結局高橋は、GPファイナルだけに限って言えば、日本男子出場最多(6回)でありながら、中々金メダルが取れない男(銀3回、銅1回、5位と4位が1回)、と呼ばれてしまい、
日本人男子としても、小塚崇彦や織田信成が表彰台に上がりつつも、金メダルには届かず、2006-2007シーズン以降は6年連続の銀メダルどまり、という事態となっていた。
つまり、グランプリファイナルで、日本男子が金メダルを取る、というのは、悲願であったわけだが、
これまでも、日本男子史上初の 「オリンピックの表彰台」、日本男子史上初の 「世界選手権金メダル」、
そして今回が、日本男子史上初の 「グランプリファイナルの制覇」。
この、“日本男子史上初” というタイトルは、やはり、彼にこそとってほしかった。
なぜなら、彼、高橋大輔こそが日本男子フィギュア界をここまでに押し上げ、切り開いてきた 「立役者」 であり、「パイオニア」 なのだから。
( 会場に手を振る高橋。 後ろの壁のすぐ上までも、彼のファンが押し寄せて、声援を送り続ける。 )
高橋は、それでも “王者” だから、表彰台には何となく上がれそうな気はしたいたものの、大変失礼ながら、まさか一番いい色のメダルが取れるとは、大会前は、正直思っていなかった。
なぜなら、先にも書いたようにファイナル出場への得点が5番目だったこと、日本人選手の若手があれだけ頭角を現してくると、内心気が気でなかったし、何より、波に乗る羽生結弦の勢いは、誰にも止めることができないかのようにさえも、見えた。
もちろん、ファイナル3連覇を狙う世界の王者、P・チャン(カナダ・世界選手権も2連覇中)もいる。
だが、しかし、当の高橋には、口では 「100パーセントの演技をして、世界や他の日本人勢と自分との差を確認したい」 などと言っていたようだが、もしかしたら勝算があったのかもしれない。
中国杯、NHK杯と徐々に上げてきたのだから、ファイナルあたりにちょうどよい仕上がりになってくるはずであり、むしろ、ファイナルに照準を合わせて、それまでの大会を軽めに抑えてきたともいえるかもしれない。
そして、4回転さえ、決まれば。
( 同じく、4年ぶり3度目の金メダルに輝き、 「男女アベック優勝」 を果たした浅田真央と、エキシビション後のインタビューにて。
この二人がアベック優勝として並んだのは久しぶりで、自然体でかわいらしさがにじみ出る、個人的にけっこう好きなショットなのです。 )
だが、このとき、 「自分は出れるだけで精一杯で、今の日本人がハイレベルになってきている状態で、とても勝てるとは思えなかったから、まさか優勝できるとは思ってもみなかった。」
(我々が堂々として見えた、試合前にリンク入りするときにも) 「緊張していて、何も覚えてないです・笑。」
などと言っては、周囲を驚かせた。
この時、高橋の発言に驚いたのは、TVを見ていた我々だけではなく、同大会のナビゲーターでもあり、今インタビューの司会者でもある、松岡修三(左から二人目)と、荒川静香(左端)も、である。
関係ないけど荒川さんのジャケットの配色が、高橋大輔のショートの衣装に、なんか似てると思いませんか?
最初は、え゛っ!? と思ったが、だんだんなじんできた、SPの衣装。
体のラインを美しく見せ、色も、曲に合っている気がしてきたから、不思議・笑。
ジャケットから覗く黒いシャツのレース地と、裾がめくれるたびに見え隠れする、銀色に光るラインストーンのベルトが、また、セクシー。
こちらが、例の私が絶賛した・笑、深いピンク色の裏地が時折見え隠れする、エキシビション 『ブエノスアイレスの冬』 の衣装。
よく見ると、所々にレースやラインストーンがちりばめられている、美しくもセクシーな、情熱的衣装。
解説の荒川静香は、EXの高橋の演技をして、「 ここまで表現できるスケーターは、そう多くはいない。もう、(解説の)言葉がいらないくらいですね。」 と、絶賛。
書き手として、それを、「言葉」(文章) にしてみたいなぁー、という欲求に駆られるのが、私・笑。
演技中にカメラ目線? を送る高橋の、この一瞬を 「静止画」 にするために、なかなかうまくいかなくて、実に10回以上も画面のストップを繰り返した私。
最後は、大ちゃんの笑顔で締めくくります。
よかったね、大ちゃん。 優勝できて、ほんとうに、おめでとう!!
左から、羽生結弦、2位。右端は3位のパトリック・チャン。
女子は、中央が優勝した浅田真央、左は2位のアシュリー・ワグナー(米)と、右は3位の鈴木明子。
アッコちゃん、NHK杯では、FP、本人も感極まるほどの会心の演技だったのに、今回は細かなミスが出てしまい、わずかの差で3位になってしまいました。昨年は銀メダルだったから、非常に残念です。
真央ちゃん、長く苦しんだけど、本当によかったね。 おめでとう!!
今季のプログラムは、どれもみな明るくて、真央ちゃんらしくて、本当にかわいくて、見ていて幸せな気分になれたよ。
《 おまけ 》
中国杯後に、お祝いの 「上海ガ二」 に舌鼓を打つ、左から、町田樹、真央ちゃん、大ちゃん。
「次はソチで ピロシキ を食べられるように、がんばります!! 」
そうガッツポーズをとる高橋の頭の中には、おそらくファイナル進出への式図は出来上がっていたことだろう。
ファイナルが終わったら、ソチでは何を食べたい? との質問に、「ボルシチ」 と答えた真央ちゃん。
念願のボルシチと、写真手前の ピロシキ を夢中でほおばる姿を、大ちゃんやアッコちゃんが、暖かく見守っている。
天真爛漫な 「真央姫」 は、いつでも話題の中心。
真央ちゃんにチャチャを入れつつ、見守っている風な? 素顔の大ちゃんがまた、かわゆいのでス。(^^)
それにしてもこの二人、なんとなく微笑ましい。
年齢に関係なく、大ちゃん、アッコちゃん、真央ちゃん( 大ちゃんはたまにマオって呼んだりして、なぜだか、ドキッ としたりして。アンタがドキッとしてどーすんの? ってカンジですが・笑。 ) などと呼び合って、フィギュア日本選手団は、いつでも仲が良くて、素顔の彼らは、明るく無邪気で、見ているこちらも、つい、楽しくなってしまいますね。
写真左より、小塚崇彦、鈴木明子、浅田真央、高橋大輔。
同時期に開催された、「ジュニア・グランプリ・ファイナル」 銅メダルの日野龍樹(りゅうじゅ)、同6位の田中刑事(けいじ)。彼らはまだ高校生。今後に期待したいですね。 (^_-)☆
※ 写真は、TV画面を勝手に写真に撮らせていただきました。 すみません。
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