暇人映画

映画嫌いが映画を見まくる地獄のサーキット

コネクテッド Connected(保持通話)

2014年10月20日 22時22分51秒 | 洋画>★★
2008年/中・香/ベニー・チャン監督/バービー・スー ルイス・クー ニック・チョン リウ・イエ チョン・シウファイ
2014年10月1日 テレ東午後のロードショー〔愛する人を取り戻せ!〕

【あらすじ】
ロボット工学技士のグレイス(スー)は、ある日突然家を襲撃されてしまう。どこかの物置小屋に監禁されてしまったグレイスは、壊れた電話機を使ってとりあえずつながった男に助けを求めた。
電話を着信したのは、アボン(クー)の携帯電話だった。アボンは取り立て屋に勤務するシングルファーザーで、小学生の息子との約束をいつも守れないダメ男なのだった。その日も息子のお見送りのために空港へ向かっていたため、アボンは道行くおまわりさん(ニック・チョン)に電話を押し付けようとしたのだがイタズラだと思われてしまう。当初は自身もイタズラだと思っていたアボンも、グレイスのただならぬ様子に発奮する。<お金を払う強盗>として報道され、時に命がけのカーチェイスや転落必至の崖っぷちを体験しつつ、アボンは誘拐犯である謎の組織と対峙する。果たしてアボンはヒーローになれるのか、そしてグレイスの運命は…!?


いわずもがなの、「セルラー」のリメイク。私の「高校教諭だからといって電話を直せる訳がない」というツッコミを見たのか(←んなワケない)、今作ではロボット工学博士に手直しされている。もちろん工学に精通しているからといって通信の仕組みを理解しているとも思えないので、それでも無理があるのだが。
クリス・エヴァンスに相当する役を担ったアボンは、善人ながら取り立て屋に従事することを余儀なくされて罪悪感を背負っているダメ男である。罪悪感の反動からグレイスを救おうと一念発起するのであるが、それだけの動機にしちゃ何度死んでもおかしくないような追跡劇を展開してくれる。崖なんてねえ、ほんと、絶対死んでるからね!?
敵リーダー(リウ・イエ)がサングラスをかけている状態は、若き日の大川総裁を髣髴とさせる…なんて書くと怒られるだろうか。
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蛾人間モスマン Mothman

2014年10月19日 22時53分29秒 | 洋画>★
2010年/米/シェルドン・ウィルソン監督/ジュエル・ステイト コナー・フォックス マティ・フェラーロ マイケル・アイリス T・W・シュナー ジェシカ・エリン・シルビア スージー・アブロマイト ジェリー・レッギオ/TVM
2014年9月25日 テレ東午後のロードショー〔9月の木曜日は恐怖の瞬間!!〕

【あらすじ】
舞台はウェストバージニア州のポイントプレザント。ジェイミー少年はお兄ちゃんたちの川遊びについて行って、みんなにからかわれているうちに溺れて死んだ。
10年後。仲間うちで独りだけ上京し新聞社に勤めているキャサリン(ステイト)が、<モスマン・フェスティバル>を取材するために帰郷した。その日はちょうどジェイミーの命日で、仲間たちはバーに集まりジェイミーを追悼した。
ところがその夜から始まるモスマンの恐怖! ジェイミーの兄ジャレッド(アイリス)、キャサリン狙いのデレク(フォックス)、メガネっ娘のバーテンサリー(シルビア)、サリーのカレシリチャード(シュナー)、ブロンド厚化粧の美容師ミンディ(アブロマイト)、ミンディのカレシケイシー(フェラーロ)、そしてキャサリン。さてはて7人の運命は。そしてモスマンの正体とは…!?


<モスマン>といえば、オカルト好きにはお馴染みのUMAである。舞台となったポイントプレザントで、1966年から67年ごろにかけて目撃情報が相次いだ。しまいにゃ67年の暮れに町にかかるシルバーブリッジで崩落事故が起こり、これとモスマンが結び付けられていたりもするのである。この事故は映画「プロフェシー」という作品になってもいる。
そんでポイントプレザントには、ちゃっかりモスマンの銅像が立ってたりするのである。劇中でもモスマンは祭りの種にされていて、すっかりゆるキャラ的立場なのだが現実もそんなもんなんだろう。
今作でのモスマンは、ジェイミー殺し隠蔽事件をお仕置きするモンスターである。モスマンを操る謎のオッサン(レッギオ)がいるのだが、この人はジェイミーとは無関係。なぜかモスマンは事件の当事者が揃ってから発動したのだが、ジェイミーの意思が入り込んでるとも思えない順番でお仕置きしていくので何とも腑に落ちない。
腑に落ちないといえば、冒頭キャサリンを送り出す新聞社の上司は、評価してもいないキャサリンをおだてて糞取材を承諾させている。キャサリンをポイントプレザントに行かせるためだけの狂言としか言いようのない言動なのであるが、この上司がのちのち登場することはなく、もちろん取材が世間を揺るがせるスクープになったという後日談もない。
わざわざ〔恐怖の瞬間〕というカテゴリーで放送させてはいるものの、怖くもないし納得もいかない素人ホラー作品であった…。
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ツイン・ドラゴン Twin Dragons(雙龍會)

2014年10月18日 21時45分35秒 | 洋画>★★
1992年/香/ツイ・ハーク、リンゴ・ラム監督/ジャッキー・チェン マギー・チャン ニナ・リー テディ・ロビン
2014年9日22日 日テレ映画天国

【あらすじ】
ジャッキー(ジャッキー)は、産まれた直後の事故により身内とはぐれ、捨て子として娼婦に育てられた。ジャッキーには同時に産まれた兄マー(ジャッキー)がいた。マーは裕福な両親のもと、ニューヨークに移り住んでピアニストとして成功を収めていた。
彼らが28歳のある日、マーが香港公演のために帰郷した。ジャッキーは兄貴分のターザン(ロビン)絡みで、トラブルを抱えている真っ最中。そんな二人がお互いを双子と知らずバッティングした上に、連れの女のお蔭で立場が入れ替わってしまった。ピアノなんて弾いたこともないジャッキーと、武術なんて無縁のマー。果たしてどうなってしまうのか…!?


ジャッキー作品は嫌わずに観てきたはずだが、今作は初見。あら珍しい。
双子が入れ替わって…であるからして「ふたりのロッテ」をジャッキー流にアレンジしただけの作品と言えなくもない。しかしジャッキーがピアニストとか、なにもそんなチョイスをせんでもなあ。
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プリンス・オブ・ペルシャ/時間の砂 Prince of Persia:The Sands of Time

2014年10月17日 22時08分43秒 | 洋画>★★
2010年/米/マイク・ニューウェル監督/ジェイク・ジレンホール ジェマ・アータートン ベン・キングズレー ロナルド・ピックアップ リチャード・コイル トビー・ケベル アルフレッド・モリーナ スティーヴ・トゥーサント
2014年9月19日 テレ朝深夜

【あらすじ】
ダスタンは孤児ながら、ペルシャ王に見込まれて引き取られ王子となった!
15年が経ちました。立派な青年となったダスタン(ジレンホール)は、聖都アラムートに攻め入った際カッコイイ短剣を手に入れる。アラムートからは戦利品として美人のお姫様タミーナ王女(アータートン)と聖なる衣をゲット。ところが父王シャマラン(ピックアップ)に衣を纏わせると、衣に塗ってあった毒で大やけど。そのまま王様は崩御されてしまった。この衣を着せたってんで、ダスタンにクーデターの疑いがかかってしまう。
ダスタンは逃げた!何故かタミーナを連れて。タミーナは、ダスタンが持っている例の短剣を取り戻そうとして勝手についてきたのでした。この剣こそは、時を戻す力を持つ聖なる剣なのである。たまたまそれを知ったダスタンは、なんだかんだあってシャマラン王の弟ニザム(キングズレー)が父殺しの犯人であることを悟る。ニザムは短剣の力を知っていて、何十年もの時を遡りシャマランを消し去ろうと目論んでいた。しかし大きな時間の遡上は、神様との約束を破ることになるそうな。そして約束破りは、人類滅亡をもたらすという。果たしてダスタンはニザムの野望を阻止し、人類を救うことができるのか。そしてツンデレ王女タミーナとの恋の行方は…!?


「プリンス・オブ・ペルシャ」というアクションゲームがあって、それを下敷きにしてディズニー出資で作られた作品なんだそうな。が、ゲームと今作に何ら関係はないんだとか。ふーん…。
序盤はね、史実に基づいた軍略戦記英雄モノかと思ったのよ。三国志とか、戦国時代劇みたいなね。
ファンタジー!? やれやれ。
だんだん、パイレーツ・オブ・ナントカとか、ナントカ・ジョーンズとか、ナントカトレジャーみたいなシーンのツギハギみたいになってってなあ。しまいにゃ、すべてを巻き戻して王女様と結ばれめでたしめでたしですか。まあディズニー出資だからね。
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猿の惑星/創世記(ジェネシス) Rise of the Planet of the Apes

2014年10月15日 22時28分39秒 | 洋画>★★★
2011年/米/ルパート・ワイアット監督/ジェームズ・フランコ アンディ・サーキス ジョン・リスゴー フリーダ・ピント トム・フェルトン
2014年9月19日 日テレ金曜ロードSHOW!

【あらすじ】
製薬会社ジェネシスでは、チンパンジーを使った実験でアルツハイマーの特効薬を開発していたのだった。新薬ALZ112で被験体<ナイン>は劇的に知能が上昇したが、プレゼン会場で暴走して殺処分となる。しかしナインにはベビーがいた。プロジェクトが頓挫してしまった開発主任のウィル・ロッドマン(フランコ)は、ベビーを自宅へ引き取ることに。ところがこのベビーは、母親から薬の影響による遺伝子を受け継ぎとんでもなく知能が高かった。ベビーは<シーザー(サーキス)>と名付けられる。
ボケの進んだ父親(リスゴー)への人体実験、動物園の獣医キャロライン(ピント)との出会い、8年も経つとシーザーは服まで着るようになったが、知能の高さ故アイデンティティに悩むようになる。そして近所で暴走してしまったことで、霊長類保護センターに預けられてしまった。
ところがここで、シーザーはサルによる人類へのクーデターを画策する。ウィルの手によってウィルス化することに成功していたアルツの新薬を盗み出し、センター内のサルたちに知能を与えた。もともと賢いシーザーに至っては、遂に言葉を発するようにまでなる。彼はサルたちを率い、脱走して群れを増やした。武器を使い、チームワークを駆使し、ジェネシス社を襲い人の攻撃をかわしながら、ゴールデンゲートブリッジへ向かう。目指すは橋向こうのミュアウッズ国定公園。しまいにゃ馬にまで乗るようになったシーザー。「おサル王に、俺はなる!!!」


職場の同僚やまださん(仮名)が、今作にやたら執着しているのである。仲良しの同僚のぼるさん(仮名)に再三に渡って熱弁をふるっているのだが、まったく興味を示してもらえずドラマ「猿の軍団」の話なんかされてしまって何だか微笑ましく、思わず★を3つ進呈してしまった。
猿惑としては4作目「猿の惑星・征服」を上手いことリライトしたような内容で、確かにあの時の無理無理な脚本からはずいぶんと垢抜けた良い作品となった感はある。とすると現在公開中の「ライジング」は「最後の猿の惑星」であろう。そのうちチャールトン・ヘストンがやってきて、生き残りの人間が地球をバクハツするかもね。
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ハナばあちゃん!!/わたしのヤマのカミサマ

2014年10月13日 20時46分12秒 | 邦画>★★
2011年/邦/杉村和彦監督/入山法子 京田尚子 渋江譲二 岩田さゆり 秋田真琴 花ケ前浩一 内藤トモヤ 下平ヒロシ 北山雅康 田中総一郎
2014年9月21日 TOKYO MXキネマ麹町〔がんばれ!おじいちゃん、おばあちゃん特集〕

【あらすじ】
秋田県大館市で40年の歴史を誇る喫茶店<喫茶おだて>。店主はハナばあさん(京田)であったが、ぽっくり逝ってしまった。店を継いだ孫娘実香(入山)は両親が既になく、マンガのように料理が下手だった。
実香を手伝う友人理美(さゆり)、常連客のオッサンたち(花ケ前、内藤、下平)、ローカル鉄道の運転士として赴任してきた川藤(北山)、大舘を取材するために出張してきたテレビマン所(渋江)、そして仕事をおっぽり出して逃げてきたアイドル湊マヤ(秋田)。そこら辺の面々が、大舘を案内しながら立ち直りサクセスしてゆくぞ。


ずいぶんと素人臭の強い作品だと思ったら、どうやら<大館イメージアップキャンペーン>で作られたものらしかった。番組のラインナップ企画は〔がんばれ!おじいちゃん、おばあちゃん特集〕だが、がんばるべきおばあちゃんは冒頭でデッドしてしまう。
実際私は毎年「今年こそは秋田に行くぞ」と妄想するのであるが、叶わぬまま既に数年経過。超出不精の身に秋田は遠い。
せっかくメモったので、ばあちゃんの格言をここに記すとしよう。
「人は人に助けられ 大地に助けられる
 人と木々を語り 風を受け入れ
 この土地との絆を結べ」
「欲は人を遠ざけ 実りの大地も嫌う
 空を香る風の如く自然に生きる」
どうです? 秋田に行きたくなったでしょ?
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メリーに首ったけ There's Something About Mary

2014年10月12日 22時51分08秒 | 洋画>★★
1998年/米/(ピーター&ボビー)ファレリー兄弟監督/ベン・スティラー キャメロン・ディアス マット・ディロン W・アール・ブラウン クリス・エリオット リン・シェイ リー・エヴァンス
2014年9月10日 テレ東午後のロードショー

【あらすじ】
1985年、テッド(ベンスティ)は学園のマドンナメリー(ディアス)のプロムパートナーになること叶うも、いわゆる<豆とソーセージ事件>によって青春の晴れ舞台を幻に終わらせたのであった。
時は流れて1998年。メリーが街からいなくなって10年以上が経過するが、テッドはまだ彼女のことが忘れられないでいた。親友ドム(エリオット)の紹介で探偵ヒーリー(ディロン)を雇い、メリーは遂にその所在が明らかになる。しかしヒーリーもまたメリーのトリコとなり、テッドに嘘っぱちを並べ立てるのだった。メリーへの恋心に火がついてしまったテッドは、それでも彼女に会いに行く。マイアミで再会したふたり。しかしメリーを想うライバルは、ヒーリーだけではなかった。果たしてテッドは、13年越しの恋を実らせることができるのか…!?


劇場公開を見に行ったから、当時既に「ジム・キャリーはMr.ダマー」に打ちのめされてたんだろうな。期待していたほどは面白くなくて、「あれっ」と思った記憶はある。それでその後、テレビ放送されてたのも観たはずなんである。再観戦したのはいつだったか…記録がないから2003年以前か。しかしやっぱりそれほどでもなかった。「ダマー」のクオリティの高さだけが明白にされただけであった。
しかして今回再々観戦する気になったのは、ベン・スティラーの認識ができたからである! トータルでは予想通り面白くないのだが、高校生で、長髪で、ダサいプロムの正装をしているベンスティの姿は、認識があるのとないのとでは嬉しさが格段に違うのであった。
しかし最も重要な<ヘアジェル事件>はカットされていた。あれごときをカットする放送枠じゃないはずなんだがなあ。木曜洋画劇場の流用なんだろうか。
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特別な一日 A Special Day(Una giornata particolare)

2014年10月11日 22時14分34秒 | 洋画>★★
1977年/伊・カナダ/エットーレ・スコラ監督/ソフィア・ローレン マルチェロ・マストロヤンニ ジョン・ヴァーノン
2014年9月15日 TOKYO MXキネマ麹町〔ソフィア・ローレン生誕80年特集〕

【あらすじ】
時は第二次大戦下、ドイツの総統閣下がムッソリーニさんを訪問したある日の出来事である。
6人の子育てに四苦八苦しているおっかさんアントニエッタ(ローレン)は、夫(ヴァーノン)の浮気だの亭主関白ぶりだのも相まってそこそこ疲れていた。
住人のほとんどが閣下の演説を聞きに行ってしまったその日、留守番をしていたアントニエッタは逃げた九官鳥を追って向かいの棟の部屋を訪問する。部屋にいたのはガブリエレという伊達男(マストロヤンニ)。お互いに惹かれ合うものがあってか、部屋を行ったり来たり訪ね合ううちに妙な雰囲気に。だけどガブリエレはアントニエッタのアプローチに、俺はゲイだと突っぱねるるが…。
たった一日の中で繰り広げられる、オトナな男と女の出会いと別れ!


この作品には押さえておくべき基礎知識があって、即ち<ファシズム>の思想と戦争や市井への影響など。
ガブリエレはゲイだが、ファシズムはゲイを弾圧対象としていたそうな。ナチス被害の作品は数々あれど、イタリアファシズムにはなかなか触れる機会もなく、勉強になりました。それにしても世のご主人方、奥様を家政婦代わりにしていると、いつマストロヤンニに食われるか分かりませんぞ。奥様怖ええなあ~!!!
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フィッシャー・キング The Fisher King

2014年10月10日 22時13分29秒 | 洋画>★★
1991年/米/テリー・ギリアム監督/ジェフ・ブリッジス ロビン・ウィリアムズ アマンダ・プラマー マーセデス・ルール マイケル・ジェッター
2014年9月9日 フジミッドナイト・アート・シアター

【あらすじ】
ジャック・ルーカス(ブリッジス)は売れっ子DJ。ある日軽口で「リア充なんて殺しちまえよ」とリスナーに答えたら、そいつはほんとに銃乱射事件を起こしてしまった。
3年経過。ジャックは事件に責任を感じ、働く気力どころか生きる気力を失っていた。チンピラに絡まれ殺されそうになったところを、パリーというホームレス(ウィリアムズ)が助けてくれた。なんとパリーは、例の乱射事件で恋女房が犠牲になった男だった。
聖杯、愛しの君リディア(プラマー)、赤い騎士の幻、失語症…。ジャックとパリーは、次第にマブダチになってゆくが…!?


遅ればせながらの、ロビン・ウィリアムズ追悼でしょうか。あいつのことは嫌いだったので、訃報(しかも自殺!)には驚いた。みのわあつおが生きていたらさぞやまた要らない自慢話を繰り広げていたことだろうと思うがヤツも既に鬼籍の人、私が注目すべきシーンで特に騒がれてもいないことが何とも可哀想ではあった。はは。
まあアイツのことはさておき、テリー・ギリアム作品なんである。テリー・ギリアム作品って、ほんと放送されないよなあ。ヒース・レジャーの遺作!ジョニデも出てる!というくらいのオイシイ作品ですら、地上波は未だ放送せず。そんなことだから、最近はギリアムの存在そのものを忘れかけていた。危ない危ない。
そういえば去年、「ホーリー・グレイル」のDVDを購入していたのである。日々の録画が消化しきれない状況で未だにチェックすることができないのであるが、ギリアムの「パカパカ」を見たくなりました。
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ルイーサ Luisa

2014年10月09日 22時27分28秒 | 洋画>★★
2008年/アルゼンチン・スペイン/ゴンサロ・カルサーダ監督/レオノール・マンソ ジャン・ピエール・レゲラス マルセロ・セレ エテル・ロージョ
2014年9月7日 TOKYO MXキネマ麹町〔がんばれ!おじいちゃん、おばあちゃん特集〕

【あらすじ】
ルイーサ(マンソ)は60歳。ブエノスアイレスで愛猫ティノと暮らす独居老人である。霊園で事務の仕事に就いて30年、閑職ながらも勤勉で几帳面できれい好き。ロボットのようなおばあちゃんであった。職場である霊園には、彼女の親族、おそらくは夫と娘が眠っていた。
ある朝、ティノが死んでいた。悲しみをこらえて出勤すると突然解雇を言い渡され、退職金どころか未払い賃金も支払われず、更に一方的に口座を解約されてしまった。同じマンションに住むアーティスト、クリスタル・ゴンザレス(ロージョ)の家政婦もしていたのだが、こちらも彼女が引っ越すというので暇を出されてしまった。
手元に残った資金は20ペソあまり。ティノの火葬費用どころか生活すらもままならず、遂に彼女は地下鉄構内での物乞いに手を染めた。しかし物乞い稼業も奥が深い。素人が見よう見真似で巧くいくものでもなく、とうとう一文無しになって電気も止められてしまう。そんな折、物乞いのナワバリ争いから片足のオラシオ(レゲラス)と仲良くなった。すっかり物乞いに染まったルイーサ。果たして彼女は、今後の生活をどうするつもりなのか…!?


あらすじでは省いてしまったが、ルイーサの住むマンションの管理人さんホセ(セレ)がすごくいい人なんである。規則正しいルイーサが姿を見せないとなると訪ねてくるし、電気代を滞納していると知れば黙って立て替えてくれる。そういうものに、わたしはなりたい。
安定した職業(のつもり)で働き、老後の計算もして独りでいきていけると自信満々のうちは、主人公は友達もおらず人を信じることもなく笑うこともない。ところが何もかもをあっという間に失って、困り果てた時に人間らしい感情が戻ってくる。金はなくても友達がいればオールオッケーみたいな話ではあるが、他人ごとではないと思うとルイーサの状況は空恐ろしい。最終的に生活が好転することもなく、猫を弔ってめでたしめでたし…って、この後ほんとにどうやって生きていくんだろうか。私も乞食になるしかないのだろうか。ああ将来が怖い。
ところで、アルゼンチンのコンテンツなんか目にする機会はほとんどないのであるから、MXというのは実に貴重なテレビ局である。もっともこういう映画を観たところで、他人と共有できる体験でもないのはやや虚しいものではあるが…。
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