ポスト下の攻防

2012-10-30 02:30:37 | Weblog

新しく隣に引っ越して来た女性の生活も軌道に乗り、
たまに流れる音楽にも慣れ、このマンションに平和な時間が流れていた
その静寂を切り裂くバカが引っ越してきた

そいつもバカだが、まずその前にもう1人バカが出現した
俺のマンションには月に1~2回委託業者が清掃に来る
大体廊下を掃く音がするので今来てるんだなというのが分かる

そして先日も廊下を掃く音がして来てることが分かった
だが、何やらブツブツつぶやいてるような声が聞こえる
丁度そのときが出勤時間だったんで困ったなあと思っていた

普通の人なら普通に外に出れるんだが、
俺は誰かがいると外に出れないという特殊な性格なんでしばらく待機していた
とにかくずっと声が聞こえてきて、どうもキレてるような感じである
清掃時にこんな声を聞くのは初めてである

俺は限界まで待機したが、もう待てないので、そいつが下の階に行った瞬間に部屋を出た
そして下の階の奥をほうきで掃いてるそいつの姿をチラッと見た
いつもの人とは違う若いいわゆるオタク系の奴がキレながら廊下を掃いていた

俺はとりあえず担当者が変わったのかなと思いつつも会社に向かった
そして帰宅して驚いた
まずポストの下のチラシ入れが撤去されていたのである
いつもなら新しい袋に入れ替えられてるんだが容器そのものが消えていた

そして2階と3階の住人が通路の壁に掛けてあった傘が廊下に落ちていた
俺の玄関の近くにあった消火器も奥に移動されていた
こんなことは初めてである

あくまで推測だがチラシが多くて片付けるのが面倒でキレたのではないかと思われる
確かに溢れたチラシが少し外に落ちたりはしていた
でもそれはいつものことで別に普通に拾えばいいだけである
だが、そいつはそれを見た瞬間キレて壁に掛けていた傘も、
邪魔だとばかりに床に落としたのではなかろうか
そして消火器も廊下を掃く際に動かしてそのままにしていたと思われる

もしそうだとしたら本当に困った奴である
それがお前の仕事だろうがと言いたい気分である
確かに多少散らかってはいるがそこまでキレるほどのこともないレベルである
この類のマンションでチラシ入れがないほうが珍しいぐらいだし、
多少その周辺が散らかってるのもよく見る光景である

それを片付けるのが面倒だからといって持ち帰ることはないわけである
まあ住人が各自処分すればいいわけだからそれもOKといえばOKなんだが、
ちょっとモヤモヤした気分が残っていた

そしてチラシ入れが撤去されてすぐ事件は起きた
各自チラシを処分できるなら撤去されても問題はない
だがそれは住人全員が良識があることが前提である

しかし、このマンションではその前提があっさりと崩れてしまった
さっそくチラシを入れる容器が置いてあった場所にチラシを捨てるバカが現れたのである
容器の場所といってもポストの下であり普通の敷地である
ちょっと風が吹けば敷地内はもとより外の道路にもチラシが飛んでいくわけだ
そんな場所に平然とチラシを捨てるバカがいるのである

犯人は新しく越してきた若い奴だと思われる
ならば直接注意すればいいという話なんだが、
それが出来たらこのブログはやってないわけである
そして確信はあるものの証拠自体はないのだ

これはさすがに管理会社に電話するかとも思ったがすぐには出来ず躊躇していた
するとしばらくして同じチラシが2枚捨てられるようになった
1人増えたわけだ
誰かが捨ててるなら俺もと捨てる奴が現れたのである
これはちょっと誰だか想像はつかない
だが、それによりゴミの数は倍になった
繰り返すが、そいつらが捨ててるのは敷地であり普通の地面である

風が吹けばあちこちにゴミが飛んでいくのだ
そして風が吹かなければポストの下がゴミだらけになるわけだ
あまりにも見苦しいので俺が片付けることにした(笑)
深夜にゴミ出しに行くときに、こっそりそれをレジ袋に入れて一緒に出すことにした

さすがに誰かに見られたら恥ずかしいので上下左右を確認しつつ拾って入れている
そうこうしてるうちに誰かが片付けると思ったのか普通のゴミやジュースの缶まで捨てるようになった
ポストの下が不法投棄の現場のようになってしまった
それでもチラシ類は俺が片付けて缶などは危険物の日に集積場に置くようにした
自分で言うのもなんだが俺がいなかったら今頃入り口付近は大変なことになってるわけだ

しかし普通の敷地にダイレクトにゴミを捨てるバカがいるとは驚きだ
100歩譲って路上ならまだ理解できる
たまに捨ててるバカを見かけることもある
しかし、そこは自分が住んでるマンションの敷地で、いつも通る場所である
ポストの前にも部屋があり、その人の玄関前はゴミだらけになるわけだ
しかも風が吹けば近くの大きい道路にまで飛んでいくし他人の家の敷地にも入り込んでいく

まあその罪悪感がないから捨てられるわけで何を言っても無駄なんだが、
誰かが片付けるだろうという感覚なのだろう
それを改善しようとするなら俺は片付けず放置してゴミだらけにして何らかの動きを待つのがベストだろう
あまりに酷くなれば管理会社も動くだろうし清掃業者が来れば報告もするだろう

だがその肝心の清掃員がこの前と同じ奴だったら逆に酷くなる可能性もある
ちなみに撤去された日以来1ヶ月近く清掃員は来ていない
そろそろ来る頃だからそのまま散らかしておいたほうがいいかもしれない
だが目の前にゴミが散らかってるのに素通りできない自分がいるのも事実である
本当に困ったものである

前も通路などにゴミを捨てるバカがいて俺が回収してたんだが、
こういうバカは常に一定数いるから住人が回転してもすぐに次のバカが回ってくるのだろう
他のマンションでもポスト周辺が散らかってるのをよく見かける
このチラシ問題は特に住人の質が低い単身者用の安いマンションでは大きな問題だろう

そう言いつつ管理会社に電話することもなく俺が拾い続けることになるわけである(笑)
お前は管理人かと自分にツッコミたくなるがこれも性格なんで仕方がない
とにかく次に清掃員が来たとき容器を置いてくれることを願うだけだ

しかし次から次へとバカが現れ平和な日々は長続きしないものである
これも家賃5万前後のマンションの宿命であろう
そういうところにしか住めない自分が悪いのである

しかし俺以外に誰もゴミが散らかってることに無関心というのは酷すぎではないか
やはり何もせず思いっきり散らかして様子を見るべきなのだろうか

それでもやっぱり拾うんだろうなあ
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2度目の遭遇

2012-10-23 02:58:49 | Weblog
ちょっと前の記事でゴキブリを殺したときに、
生き物を殺すのは気が引けるみたいに書いたが今は部屋を飛び回る虫を駆除しまくっている
その虫とは小さいハエ?でどこかに止まるとすごいスピードでカクカク動く虫だ
これがこの時期に大量に発生する

毎日2匹くらいは駆除してるが外から入って来るとも思えない
部屋のどこかに発生源があるのかもしれないが調べる気力もない
もし放置してたら10日で20匹になる計算で部屋中虫だらけになってることになる
例の殺虫剤で駆除してるが、これだけ小さいとさすがに効果はある
やはり対象物が小さいと罪悪感も湧かず平然と駆除できる
本当に勝手なものである

さて、長く続いた残暑も終わり、やっと扇風機無しで過ごせるようになった
今年の夏は長いなあと思ってたら記録的な残暑の長さだったらしい
どうりで長すぎだろと思ったわけである
そして最近は涼しいどころか朝など布団を掛けないと寒いぐらいである

ちなみに掛け布団は夏の間もずっとベッドに畳んで置いていた
というか1年中ベッドに置いている
夏など足元が邪魔だが置く場所がないので仕方がない

シーツもずっと掛けたままである
この状態で放置してたわけだから恐らくダニの巣窟になってるのではなかろうか

顕微鏡で見たらうじゃうじゃいそうである
だからといって何もできない
シーツぐらいは洗濯したいが、以前も書いたがシーツを洗うときはコインランドリーに行くが、
路上で積もりに積もったホコリをはらうのが一苦労で気軽には行けない
深夜に誰もいないのを見計らって路上でパタパタとはらうのだ
誰かが見たら怪しいと言うより意味不明の行動だろう
こういうときにバルコニーがあればと思う

そして下着1枚ではきつくなってきたので部屋着を買いに行った
ディスカウントショップで500円で長袖のシャツが売っていたので即購入
ところが・・、またである
結構柄もよく着心地もいいので外に着ていく服になってしまった
このパターンが多すぎるんだが、安く買えたなら儲けもんである
ただ部屋着は必要なので近々もう1着買ってこようと思う
ただ今も500円のままという保証はない
こんなことなら2着買っておけばよかった

さて、先日コントのような出来事があった
丁度出勤時間になり部屋を出ようとすると隣の男が外出した
もちろんお互い様だろうが会いたくないのでしばらく様子を見た
だが戻ってくる様子もないし長時間は待てないので大丈夫だろうと思い部屋を出た
一応下を確認しつつ階段を降りていくと真ん中でガッツリ鉢合わせた
下を確認したが階段は真下で死角になっておりまったく見えなかった
しかも俺と同じで足音はまったくさせていなかった

手には缶ジュースを持っていた
つまり缶ジュース1本買いに外出したわけである
めったに部屋を出ない隣人が、まさかそんなことで出るとは思ってもおらず油断していた
あと1分待ってれば回避できたんだが、そこでピッタリ会うのが俺である
だが越してきて1年以上経つんだから俺の出勤時間ぐらい頭に入れとけよと言いたい気分だ

そして踊り場の上と下で目が合ったとき、相手が本当ビックリした表情をした
ビックリというかしまったという表情である
これが本当に目を大きく見開いてコントか何かで演じてるような驚き方だったのである
やはりこっちが避けてると向こうも避けてるものである
人があれほど驚いた表情をリアルに見たのは初めてだったんで、
鉢合わせたことよりその表情にこっちも驚いたぐらいである

そして向こうが軽く会釈したように見えたのでこちらも軽く返した
ただ、以前に下の騒音を俺と勘違いしてインターホンを押されたことが頭に残っていたので、
軽くとはいえ頭を下げてきたのは意外だった
俺じゃなかったことに気づいての詫びの気持ちもあったのかもしれない

しかし、壁に手をつきながら上ってきた姿は痛々しく弱々しかった
本当に体調が優れないのかもしれない
あのインターホンを押した男と同一人物だとは思えないぐらいの痛々しさだった
それにしても隣と会うというのは本当に嫌なものである
もっとも、もう片方の若い女性と会うほうが最悪だが、いつかその日も来るかもしれない

指名手配犯でもないのに部屋に出入りするたびに気を使うのは異常だが性格なんで仕方ない
これからも出るときはドアを少し開け気配を読み取ってから外に出て、
入るときも階段を見上げ慎重に上っていくという生活が続くことになる
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クロゴキブリに続きまたも・・・

2012-10-11 02:16:03 | Weblog


いや~、このブログの破壊力はすごいですね~
前回ゴキブリの話をしたらゴキブリが出現したが、
今度もまた心配したことが現実になりました

それは・・・、新しく「借りていた」駐輪場を追い出されました(笑)
1日でも長く止められればとの淡い期待も空しく、あっさりと追放です
そのマンションは玄関から部屋に通じる通路が駐輪場になっている
だから台風だろうと濡れることはない最高の駐輪場だった
まして歩いてすぐであり、俺のマンション側にあるので道路を渡る必要もない
まさに最強にして最高である

だが唯一の不安点があった
それは入り口側にバルコニーがあるため出入りする際に誰かに見られる可能性が高いという点だ
部屋数も結構あるので入る際にすべてをチェックするのは不可能だ
ましてレースのカーテンを閉められたら完全に見えない
もちろん中から見てる可能性もあるのでじっくり見ることも不可能だ

俺は入る際に、ざっと部屋全体を見渡し誰かが見てる気配がないか確認して入れていた
出るときも同じである
前に「世話」になっていたマンションは駐輪場側に玄関があるので直接会わない限りバレる心配はなかった
俺は気配で何となく大丈夫だと思っていたが、やはり見ていた人がいたのだろう

俺はその日、いつものように自転車を取りにそのマンションの玄関に入った
ところが俺の自転車が見当たらない
まさか盗まれたか!そう思ってよく見ると1番手前に置かれていた
1番手前は屋根がなく雨に濡れるスペースである

ただ通路は台数分をカバーできる幅があるので全員屋根の下に置けるが、
ゴチャついた場所に置くのが面倒なのか1番出しやすいそこに置いてる人もいた
俺は雨に濡らしたくないので屋根の下に置いていた
だが誰かが1番手前に移動させていた

しかも前日は雨がガッツリ降った日だったんでカゴに入れたタオルもぐっしょり濡れていた
普段は結構まばらに置いてあるのに、その日だけは俺の自転車だけが1台ポツンと端に置かれていた
まるで仲間外れというか、お前は出て行けと言わんばかりの置き方である

誰かが俺の動きを複数回見て、ここに住んでないことを確信したのだろう
ただ遠くから見てて自転車を特定するのは難しいはずだが、
今考えるとタオルが目印になったのかもしれない

俺はカゴに椅子を拭くためのタオルを入れてるんだが、
結構目立つ青色なのだ
その色のタオルを入れてるのは1台しかなかったのだろう
もしそのタオルを入れてなかったら無断で止めてるのは分かっても、
俺の自転車だと特定するのは難しかったのではなかろうか
一応監視カメラの有無も確認したが、それは見つからなかった

しかし、仮に見ていたとしても、わざわざ移動させるというのは、たいした行動力である
その人からすれば自分の領域が土足で犯されたような気分だったのだろうか
まあしかしこうなった以上、心の中で謝って出て行くしかない
最高の駐輪場だっただけにショックである

それにしても俺を見ていたとしたら恥ずかしい限りである
まだ部屋を確認せず堂々と止めてたほうがマシだった
その人から見ればいつものように俺が来て上をキョロキョロしながら中に入っていくのは、
結構笑えたのではなかろうか
もしかするとレースのカーテン越しに目も合っていたかもしれない

しかし悪いことというのは必ず誰かが見てるもんですねえ
今考えると確かに窓が全部こっちを向いてるのに、
誰もその瞬間外を見てないなんてあり得ないですね
こっちは誰も見てないだろうという都合のいい確信があったんだが、さすがに無理だったようだ

ただ、もしかすると実は見られていなかったという可能性もある
どういうことかというと、1台の自転車に違和感を感じるということもあり得る
俺のマンションはそこに比べると圧倒的に部屋数が少ないが、
誰かが越してきたとか何か変化があればすぐに気づく

だからあのマンションでも突然現れた自転車に疑問を持った人がいても不思議ではない
新しく越してきた奴もいないのに今までなかった自転車が突然現れた
そしてなぜかそれが誰かが買ったものではなく住んでない奴が止めたものだという直感だ
確かに俺がそこの住人で同じ状況に出くわしたら疑念を抱く可能性はある
言葉では説明できない感覚である
だからといって自転車を持ち上げて端に移動させるほどの勇気はないが不快であることは間違いない

う~ん・・・、どっちだろう・・・
それとも外から一部始終を見られていたのだろうか
今となっては、もう止めないから正解だけ教えて欲しいものである

しかし困りましたねえ
完全に置く場所がなくなりました(笑)
今は普段はマンションの前に止めて翌日が雨の予報のときは会社の駐輪場に置くというパターンにしてる
前もそうやってた時期があるが、こちらの都合に合わせて雨が降るわけじゃないので断念していた

雨の日は乗らなくてOKでも次の日に必要な場合が困るのである
わざわざ会社に取りに行くのではきつい
歩いて10分とはいえ会社というのが精神的負担だ
車を持ってる人で駐車場まで10分以上という人はザラかもしれないが、
こっちはたかが6980円のママチャリである
そのために10分は歩けない

だったら濡れてもいいじゃんという話になるんだが一旦濡らさないように気を使うと、
途中から濡らすというのはどうも抵抗がある
水道代はほとんど同じでも、いまだにトイレで水を流すのは抵抗があるのと同じである

100円ショップでカバーを買うことも考えたが、以前実家で使ったことがあるがすぐに破れる
そして何より目立ちすぎるのが嫌である
現在マンションの前に自転車を止めてるのは俺だけである
以前は数人いたこともあったが今は俺だけになった
ただ置いてるだけでも目立つのにカバーまでしたら厚かましいというか自分でもやり過ぎかなと思う
しかも毎回被せたり取ったりするのが面倒だし風で飛ばされるのも心配しないといけない
実家で使ってた時は洗濯バサミで止めてたが何度も強風で飛ばされた
風の強い日に常に心配するのも疲れる

外を歩いててマンション前に自転車を止めてるのはよく見る光景だが、
カバーをしてるのはほとんど見ない
バイクはたまに見るが自転車はやはり抵抗があるのだろう

まあここまで来たら開き直ろうと思う
雨の日に止められたら会社に止めて、ダメなときはマンション前に止めて濡らそうと思う
少なくとも年間の雨の日の3分の1は濡らさないで済むと思う
たいして意味があるとは思えないが全部濡らすよりはマシだろう

しかし、こんなに早く追い出されるとは思ってもいなかった
やはり悪いことはできないと再認識した次第である
ここでも何度も言ってるが今度部屋を借りるときは駐輪場が絶対条件である
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ついに来たその瞬間

2012-10-03 02:18:18 | Weblog
1人暮らしを始めて約5年、ついにその日が来た
クロゴキブリの出現である(笑)
まるで先日の記事が予言になってしまったかのようだ

その夜、俺はいつものようにベッドに横になってネットをしていた
体は部屋のほうに向けている
そして画面を見てると視界の上のほうで何かが動いた
俺はそこに焦点を合わせていないのに瞬時にそれが何であるかピンと来た

そして腹を決めて目を向けると巨大なクロゴキブリが天井のすぐ下の壁にいた
俺はその威圧感に圧倒され、すぐには動けなかった
しかし、でかい、恐ろしいほどでかい、やはり部屋の中で見ると格別である
時間は夜中の3時前なので新聞で叩くわけにもいかない
というか普通に新聞で叩けるなら、ここまで恐れていないわけだ

俺は一瞬あきらめようかと思った
以前茶羽ゴキブリが出たときに買ったゴキブリホイホイがまだ残ってる
それに賭けてみようかと思った
しかし、そのときも3日ぐらい経っても入らなかったので今回も期待は出来ない
それにクロゴキブリと一晩過ごすのかと思うとゾッとする
枕元に来る危険性もあるわけだ

まして無事朝を迎えたとしてもどこかに潜んでるわけで生きた心地がしないだろう
そんなことを考えてるうちにも壁をゆっくりと移動している
色んなことを考えてるうちに逆に恐怖で体が動いた

一応殺虫剤はある
前回外で遭遇したときクロゴキブリに対して無力なことが実証されたあの殺虫剤だ
だが一刻の猶予も許されない
ダメ元で噴射することを決意した
だが噴射後の光景も鮮明にイメージ出来ていた

相手は天井近くの壁である
恐らく噴射したら下に落ちてくるはずである
そのとき体に落ちてきたら・・・
ほぼ真下から噴射するので可能性は0ではない
だが、もう待ってはいられない
俺は意を決して噴射した

すると想定通り下に落ちてきた
だが次の瞬間、俺がこの世でもっとも恐ろしいと感じてる光景が現れた
何とクロゴキブリが落ちながら飛んだのである(笑)
これは1割ぐらい予想していたが、まさか本当に飛ぶとはである
極論すると俺の人生で1番怖かったかもしれない

だが部屋を飛び回るのではなく床に落ちる瞬間、少しだけ飛んだだけだった
だが俺にとってはクロゴキブリが羽を広げるなどあってはならないことである
一瞬凍りついたがここまで来たら待ったなしである

唯一の救いだったのは何もない側に着地してくれたことである
これが反対側の衣装ケースやらゴチャゴチャ置いてあるほうだったらアウトだった
周りに何もないほうへ行ったので、とりあえず噴射し続けた
しかし予想通りまったく効かない
小さい虫ですら一撃で落ちてこないのだから当然と言えば当然である

そして噴射されながらもこっちに向かってきたので反射的に近くにあった雑誌で叩いた
今考えるとなぜそんなことが出来たのか不思議だが体が自然に反応した
恐らくここでケリをつけなければ大変だという気持ちが極限に達したのだろう
結構強く叩いた
深夜で周りに迷惑などという意識は恐怖で完全に消えていた

そして恐る恐る雑誌を上げると、いわゆる汁が出ている状態になっていた
床にも当然付着している
そこで止めを刺してビニール袋に入れればよかったのだが、俺はなぜか上に空のペットボトルを置いた
2Lのペットボトルで下に丁度ゴキブリが収まる空間があるのでそこに閉じ込めた
これが後に厄介な出来事を引き起こしてしまうことになるのだが・・・

俺はとりあえず床に付着した汁を入念に拭き取った
そしてスーパーでもらうビニール袋に入れようとした
すると突然動き出した
もしペットボトルを上に上げたら勢いよく出てきて動き回りそうな元気さである

本当に恐ろしい奴だなあと思いつつ、どうやって安全にビニール袋に入れようか考えた
そしてビニール袋を下に敷いてペットボトルを床に付けたまま移動させることにした
恐る恐る慎重に動かしたが・・・、袋の僅かな段差でゴキブリがつっかえて止まってしまい、
ペットボトルだけが移動してゴキブリの頭の部分が底から出てしまった
体の3分の1がはみ出してる状態だ

これ以上ペットボトルを動かすことは無理だ
かといって動かさなければビニール袋には入らない
だが動かさないで袋に入れる唯一の方法がある
それは完全に止めを刺すことである
そしてそのためには何をするべきかもすぐに理解できた
そしてそれは俺がもっとも避けたい行為であることもである

その手段とは・・・、そう、その状態で上から押し潰すことである
当然その感触は手にダイレクトに伝わってくる
しかしそれしか選択肢がない状況だ
ただそのまま潰すとまた床に汁が付着する
俺は雑誌の固い表紙を破ってゴキブリの下に敷いた

そして意を決してゆっくりペットボトルを床に押し付けた
嫌な感触を覚えながら力を加えていく
そしてペットボトルの底が床に到達した感触を得てゆっくりと上に上げた
ゴキブリはピクリとも動かない
仮に息があったとしても動き回ることはなさそうである
俺はおもむろにそれをビニール袋に入れて口を縛った

1人暮らしを始めてからの最大の死闘が終了した
時計を見ると3時ジャストだった
現れたのが2時45分だったから15分に及ぶ激闘だったわけだ
現れたときの精神状態を考えると、15分後にこの瞬間を迎えられたことは奇跡である

戦いを終えて再びベッドに横になってもしばらく放心状態だった
よく自分にあんなことができたなあと自分に感心していた
極限の恐怖が俺を自然に動かしたのだと思う
並みの恐怖なら体が動かないかもしれないが極限に達すると逆に動くのかもしれない

だが後遺症として窓を開けられなくなってしまった
これまで何でも入って来いと開き直って窓を開けていたが、
いざ入って来られると開けるわけにはいかない
丁度閉めてもギリギリ耐えられる気温になりつつあったので夜は開けないことにした
これは何としても来年はエアコンの水漏れを直さなければなるまい

もっとも玄関から入ってきた可能性もある
もっと言うと先日書いたが帰宅時に追い払ったあのクロゴキブリではないかと思った
必死に殺虫剤で下の階まで追い払ったがまた上まで戻ってきたのではなかろうか
以前茶羽ゴキブリに侵入されたときも直前に玄関付近にいたのを追い払った

つまり彼らは1度この部屋に入るぞと決めたら絶対に入るまで機会をうかがってるのではないか
意地でもその部屋に入るまで別の場所には行かないのではないか
俺はビニールの中で静かに眠っているゴキブリが、
あのときのゴキブリであるような気がしてならなかった

俺はマンションでクロゴキブリを見たことはそれまで1回しかなかった
昔ゴミを出しに行くときにゴミ置き場にいたのを見ただけだ
それが俺の隣の水道メーターのドアに張り付いていて追い払って、
また別のゴキブリが来るとは確率的に考えにくい
しかもあれから間髪入れずにである
やはり意地でも俺の部屋に入るぞと決めていたとしか思えない

今後は近くでゴキブリを見かけたときは最大レベルの警戒が必要になるだろう
だがこれで安心は出来ない
ひょっとするとまだ部屋に別のゴキブリが潜んでる可能性も0ではない
とにかくしばらくはゴキブリの影に怯えながらの生活になりそうである

しかし最初に壁のゴキブリに焦点を合わせたとき10センチ以上の大きさに見えた
本当に恐ろしい生物である
約5年で2度の侵入だから次は当分ないことを願っている

しかし改めて15分で解決できたのは本当に奇跡である
本当に我ながら即時解決出来たのは奇跡の中の奇跡である
あの時、ゴチャゴチャしたほうに逃げていたらと考えると本当に恐ろしい

そう考えると色んな奇跡が重なっての即時解決だったわけだ
これで安心して眠れる・・・と信じたい

しかし、ここまで書いてこう言うのも何だが生き物を殺すというのは気分がいいものではない
この世で1番嫌いと言っても過言ではないが後味はよくない
もちろん普段小さい虫も殺してるが、対象がでかくなればなるほど気分がよくないのである
以前子供がザリガニを釣ってて殺してるのを見て注意しそうになったことがある

自分も昔、釣ってて平気で尻尾をちぎって餌にしてたのにである
本当に身勝手かつ都合のいいオヤジである
殺してから言うなという話だろう

ただ茶羽のときもそうだったが何もない俺の部屋に来たことが、
下手すると来てくれたんだと思いそうで怖いのだ

とにかくもう頼むから来ないでくれと願うしかない
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