雪の朝ぼくは突然歌いたくなった

2005年1月26日。雪の朝、突然歌いたくなった。「題詠マラソン」に参加。3月6日に完走。六十路の未知の旅が始まった…。

<002:指>から

2006-05-30 23:20:32 | 題詠blog2006から
土さぐる指の先には確かなる春の形の白き野蒜よ(翔子)

なんという「確かなる春の形」でしょうか。
「土さぐる指の先」に探り当てた「白き野蒜」の。
こんな「春の形」を初めて知りました。
きっとこの「野蒜」は、幸福な酢味噌和えにでもなったのでしょうね。

                  *

遺伝子のうれしき一つ夫に似て娘の指のすらりと長し(まゆねこ)

ふとした折に、目の前に現れた異性の指の美しさに魅せられることがあります。
作者もきっと、夫の指にそうしたドキリとするような思い出を持っているのでしょう。
娘が長じるに連れ、もみじのようだったその手がいつしかかつて胸ときめかした夫の手とそっくりに、指のすらりと長くなっていることに気づいたのですね。
<遺伝子のうれしき一つ>。
ほかにもまだまだ<遺伝子のうれしき>があるのでしょうか…。

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060530 日々歌う

2006-05-30 18:48:38 | 日々歌ふ
雷鳴の轟くまでを数へよと稲妻見れば亡父の命ぜり
(亡父=ちち)

蚊帳吊りて幼き吾ら雷に脅えし夕べ父母はをらずも

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<001:風>から

2006-05-30 00:06:53 | 題詠blog2006から
ほのあをき莟のねむる菜畑を鳥のはやさで鳴りわたる風(丹羽まゆみ)

早春、早朝の田園の一瞬を切り取った情景が鮮やかに浮かびました。
静と動の対比も、<鳥のはやさで鳴りわたる風>の比喩もみごとですね。
<莟>が読めなくて苦労しましたが…。

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