4月7日(木)
(12:00)
目当ての小泉淳作の襖絵はもちろん、早咲きの枝垂桜を中心に天候に恵まれた奈良の春を眼に焼き付けてきました。
原発危機はさらに深刻化しているようで、不安です。
(12:38)
setuさん。
昨日今日、突然、原子炉格納容器への窒素投入が、なにか自明であるかのように報道されていますが、それはまさに格納容器が水素爆発を起こしかねない危機=破局が迫っていればこそのはず。
政府や東電、そしてマスコミも、これまでいっさいそうした危機=破局の可能性や実態を国民に知らせてきませんでした。
もしそうした破局に至ったらと思うと背筋が寒くなりますが、そうならないことを祈るしかできません。
仮に破局を何とか回避できたとしても、その後の冷温化、廃炉、膨大な使用済み核燃料の始末などの困難を考えれば、もはや故郷の桜を含めた再生は、恐らく何十年の単位でしかありえないのではないかと、深く危惧せざるを得ません。
(12:52)
―<公開されし小泉淳作の東大寺襖絵を訪ねて>
核襲ふ春にぞ訪へば<千年の桜>咲きゐぬ古都の御寺に
(23:26)
akopennさん、はじめまして。
僕たちが襖絵を観たのは、6日でした。
前日5日の10時に本坊に着いたときには既に数百人の列ができており、30分ほど待って切符を買ったものの、中に入る行列は動く気配もなく、あきらめて翌6日の一番で観ることにしたのです。
蓮の襖絵もさることながら、桜の襖絵はパンダ見物状態の人の流れの後ろで背伸びをしながら、眼に焼き付けるまで観続けました。
行ってよかったと、心から思いました。
akopennさんは、僕たちが観終わって本坊を出た後に行列の中にいらしたのですね。
―<曽祖父半谷清寿(はんがい・せいじゆ)が植え初めし染井吉野の名所となるみちのくの故郷を思ひて>
夜(よ)の森の花の下にて春死なむそのふるさとの望月のころ
これは1年前の拙歌ですが、僕が6歳まで生まれ育った、福島第1原発から7キロの福島県双葉郡富岡町夜ノ森の桜並木を歌ったものです。
小泉淳作の「千年の桜」を観ながら、故郷のもはや観る人もない桜を想っていました。
4月8日(金)
(17:09)
S従兄さんや他の親戚の状況、了解しました。
誰もいのちに別条がなかったのがせめてもの救いですね。
お疲れ様。
ただし、原発の危機は益々深刻化していくようで、みんなが故郷に戻れる日が果たして来るのかどうか。
本当にとんでもないことになりました。
(23:57)
核武装ねらふ輩の列島に原発つくる暗き歴史の
4月9日(土)
(11:17)
散り初めし桜の花の舞ふ空に核の雨降る核の雨ふる
野馬追の祭りも消えしみちのくの核の荒野に馬らさまよふ
(16:09)
setuさん。
吉井議員の指摘は3.11以後に知りました。
国会での追及も含めて実に鋭い指摘であり、これを無視した東電と政府、官僚、御用学者たち、そしてマスコミは、万死に値します。
ただ、吉井議員の属する政党が原子力の「軍事利用」には反対しても「平和利用」には賛成してきた歴史が、完全には清算されていないように見えます。
明日に迫った都知事選でも、「原発推進」論者の権力亡者の圧倒的優勢が伝えられて、「脱原発」を訴え始めたように見えるK候補の訴えは、残念ながら都民に浸透しているようには見えません。
もっと早くから、ソ連や中国の核開発を防衛的なものとしたかつての決定的な誤りとも連動した、原子力の「平和利用」の肯定路線と決別していれば、局面は違っていたかもしれないと思います。
あの危険な権力亡者の退場を見る絶好の機会であっただけに、残念です。
4月10日(日)
(19:14)
O田くん、メールありがとうございました。
朝から富士霊園に義父の墓参りに出かけていたので、返事が遅れました。
原発危機は依然として深刻さの度合いを深めながら継続していますが、東京は桜が満開です。
上京される頃にはもう葉桜になっているでしょうが、原発危機の破局回避への光明が見出されていることを願います。
A山くんからも17日ごろには会えそうだという連絡がありました。
よろしければ、18日(月)に皆さんで我が家にいらっしゃいませんか?
S崎くん、A山くんもご都合をお聞かせください。
よろしくお願いします。
(23:11)
咲き満つる都の花も汚れゐむふるさと放つ見えざる核に
国荒み山河は破れふるさとを人の追はれぬ着の身着のまま
誰がための原発なりき根こそぎにいのちくらしを危機に追ひやり
(23:59)
胸が痛み、暗雲が…。
国荒み山河は破れふるさとを人の追はれぬ着の身着のまま
誰がための原発なりき根こそぎにいのちくらしを危機に追ひやり
そこに、差別主義・我欲の権化が4選の追い討ち。
有象無象に代る確かな選択肢を示しえる人も組織も、未だまるでないということですね。
同時に、尊敬する石橋湛山が山県有朋の死に際して「死もまた社会奉仕」と喝破したことが、思い起こされます。
4月11日(月)
(0:13)
akopennさん。
小泉淳作の仕事と較べて、今やFUKUSHIMA DAIICHIとして世界中に知られるようになった原発と、果たしてどちらが日本と世界の人々の幸福に寄与するかは、もはや明々白々となりました。
僕は原発に代表される日本ではなく、小泉淳作に代表されるような日本を誇りに思います。
(11:51)
N田さん
連絡をしないうちにメールをいただき、すみません。
3月のIさんの別荘行きは楽しかったようですね。
僕の奈良行きも、天候に恵まれ、小泉淳作の東大寺襖絵も観、氷室神社や大和郡山城跡の早咲きの枝垂桜を仰ぎ、今井町の江戸の街並や奈良町の散策を楽しんできましたが、東京に帰るとやはり「啓蟄」未だモードになってしまいます。
加えてあの醜悪な権力亡者の4選。
意気があがりません。
写真も撮ってきたのですが、なんとかブログにアップしたいと思いつつ、まだ整理が出来ていません。
秩父の桜はいつごろが見ごろですか?
今のところ、14日(木)、18日(月)以外は予定はありません。
原発で最悪の水素爆発や水蒸気爆発でも起こらないかぎり、「啓蟄」をしたいと思うので、よろしく。
芭蕉本、いよいよ完成とのこと。
おめでとうございます。
お祝いをぜひしましょう。
日取りなどはいずれまた。
では。
(12:09)
曽祖父が野馬追祭りの復興に深く関わったことは聞いていましたが、文献上では確認できないのでオーラルヒストリーは貴重です。
僕も35年前に、一度だけ観ました。
すでに農耕馬だけでは足らなくなっていて、サラブレッドも混じっており、まるで似合っていませんでした。
その馬たちも、核の荒野をさまよい、あるいは厩舎の中で死に追いやられつつあるようです。
(12:29)
setuさん。
都知事選は、予想通りの最悪の結果になってしまいました。
わが家は『東京』(僕)と『朝日』(つれあい)を取っていますが、原発報道に関しても断然『東京』のほうが良心的です。
社説は依然として<より安全な原発>路線を越えていませんが、特に「こちら特報部」は<脱原発>路線に踏み込んでいるように思います。
昨日の見開き2ページの小出裕章特集は見事でした。
小出さんたちにはむろん遠く及びませんが、僕も同様の志を保ち、一社会科教師としての人生を送って来たことを、改めて誇りに思っています。
(12:45)
ひと月のはや去りたれど核危機の未だ去らずも人智及ばず
*
古都にまで核の汚染は及びしか異国の客の影ぞ少なき
早咲きの枝垂桜を仰ぎつつ核なき春を吾ら偲びぬ
橿原の今井町こそかなしけれ宗久の夢江戸の街並
4月12日(火)
(12:08)
―<福島原発事故の最悪「レベル7」評価へ引き上げの報に>
はるかなるチェルノブイリの忍び寄りつひに並びぬわがフクシマに
けふ搾りあす搾りしてただ棄つる乳の白さよ牛飼ふ人よ
(14:02)
原発危機は、原子力<安全>委員会・<保安>院によって「レベル7」のチェルノブイリ級評価に引き上げられました。
さらにこの後、もし水素爆発や水蒸気爆発などの最悪の破局が起これば、チェルノブイリをさえ超える核汚染が東日本全体を覆ってしまいます。
そうなれば、桜並木をはじめとする曽祖父の足跡はむろんのこと、ふるさとそのものが無人の荒れ地と化すことになってしまいます。
昨日の報道で、埼玉県に避難した富岡町の人たちが幸手市の権現堂堤の花見に招かれたそうですが、その中の桜に富岡町から贈られたものがあるということを知りました。
僕も去年、初めて訪れて、下の写真を撮りました。まさかその中に、曽祖父が夜ノ森に植えた桜の子孫があるなどと夢にも思いませんでした。
破局にまでは至らないとしても、僕たちが夜ノ森の桜を観ることはもう二度とできないでしょうが、その子孫を権現堂堤の菜の花畑の上に観ることができると知ったのは、せめてもの救いでした。
富岡から避難した故郷の人たちも、きっと感無量だったことでしょう。
http://blog.goo.ne.jp/nazohige/e/efbf9e56cc3dc8765da82828cc0f61d6
(18:30)
塩谷喜雄「「東電亡国論」の現実味」は必読!
東電と経済産業省(原子力安全・保安院)という利益共同体の暴走を即刻止めないと、日本が沈んでゆく
(22:51)
Eくん
文字通りの多忙の中、メールありがとう。
返事が遅れて、すみません。
KくんとはFacebookで「友達」になっているので、父君が当選インタビューで「脱原発」を明言されたことを含めて、「おめでとう」と伝えました。
生まれ故郷がFUKUSHIMA DAIICHIから7キロなので、3.11以来、生活すべてが原発危機を中心に回らざるを得ない心境です。
TVを含めたマスコミ(の上層部)は、これまで東電を中核とする「原子力村」にどれだけ組み込まれ、「安全神話」を形成するのを助けて来たか、それがこれから厳しく問われなければならないと思います。
次に会ったときには、そうしたことも議論しましょう。
そのためにも、「レベル7」の原発危機がチェルノブイリを超えずに終息しうる光明の見えることを、心底から願うばかりです。
Hさんにもよろしくお伝えください。
(23:56)
M丸くん
メールありがとう。
陸前高田の博物館の惨状の写真に、息を呑みました。
ふるさと発の原発危機も一向に収まる気配はなく、チェルノブイリに追いつき追い越せの不気味な様相を益々呈してきました。
自然と文化を犠牲に経済大国にのし上がったツケと毒が、一挙に押し寄せてきた感があります。
僕自身は、そうした流れに棹差すことはして来ませんでしたが、それを食い止めることもできずに、その恩恵を少なからず享受してきました。
その挙句が、生まれ故郷が核の荒野になり、さらに東日本全体を核の恐怖に巻き込みかねない現下の事態です。
何とかこの<原発大震災>が破局に至らずに済み、一献傾けることができる日の近いことを願うばかりです。
健闘を祈ります。
4月13日(水)
(0:14)
Iくん
メールありがとう。
返事が遅くなってすみません。
小出裕章さんたちにははるかに遠く及びませんが、僕も彼らと同様の志を持って40年の教員生活を送ってきました。
ですから、今回のふるさと発の原発危機に際して、小出さんたちの存在と長年にわたる真摯な研究に基づく主張を知り、心から共感し、信頼できたのです。
であればなおさらのこと、現在進行中の原発危機の深刻さを片時も忘れることができません。
この危機は果たして終息するのか、終息するとすればいつ終息するのか、まったくわかりません。
今は、何とか破局に至らぬことを祈るばかりです。
もしその日が来たら、また一献傾けましょう。
(10:45)
核をもて追はるる酷きかなしみをふるさと人の永久に強ひらる
阿武隈と太平洋の狭間なるふるさと滅ぶ核に侵され
―<フジサンケイグループ、「地球環境大賞」を東電への報に>
冗談の黒々深し東電に「地球環境大賞」授与と
(13:03)
小高の曽祖父の墓は、僕は訪ねたことがありません。
夜ノ森の祖父の墓は無事だとしても、もう誰も近づくことはできませんね。
近くの常磐線夜ノ森駅は、かなり以前から駅員のいない「無人駅」になっていましたが、これからは乗客もいない文字通りの「無人駅」となります。
祖父が植え始めた駅の両斜面を埋め尽くすツツジも、もう見る人も世話をする人もいなくなります。
何ということになってしまったのでしょうか。
(15:14)
setuさん。
小出さんについては、「小出裕章 (京大助教) 非公式まとめ―京都大学原子炉実験所助教 小出裕章氏による情報」という、素晴らしい情報サイトを作ってくださった方がいます。
ぜひご参照ください。
小出さんたちと比べものには到底なりませんが、小さな職場でそれなりに筋を通して生きてきたという、多少の自負はあります。
「髭彦閑話18 一教師として生きて」
退職時に書いた上の拙文をお読みいただければ幸いです。
鈴木安蔵さんは短歌だけでなく、俳句もひねっていたのですね。
埴谷島尾記念文学資料館の資料の無事を祈ります。
島尾敏雄さんの父君と僕の曽祖父は深いつながりがあったので、一度訪ねたいと思っていた資料館でした。
建物は被災したのでしょうか。
(17:56)
N田さん
メールありがとうございます。
レベル7、原発周囲20キロは20年は住めない(菅)、などのニュースにめげていますが、せっかくの週末のお誘いに乗って秩父へ行きたいなと思い、天気予報を見たら秩父は木曜・金曜が晴れで、その後はずっと雨か曇りですね。
N田さんは天気が悪くても行くんでしょう?
どうしようかな。
(22:05)
S崎くん
18日、お待ちしています。
いろいろ大変な状況ですが、旧交を温めましょう。
(22:11)
N田さん
秩父にせっかく行くなら好天の時にと思うので、天気予報をにらみながら来週の火曜日以降をねらいます。
よろしく!