竹原BLOG:奈良民話祭り ― グリム童話・メルヘン・語りの文化 とっておきの話。 

夏の奈良民話祭り:8月5日(金)午後3時より奈良町物語館で4回公演!
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大和郡山の民話絵本「げんくろうぎつね」が刊行されました!

2011年11月14日 | 日記
大和郡山には「源九郎狐」という狐がいるのをご存知ですか?
20年ほど前に東吉野村で民話の調査をしていた時、
「源九郎狐」の話を3話、聴きました。

1.郡山に行った源九郎さん
2.郡山と三尾の源九郎狐の騙し合い
3.禿留と源九郎狐の騙し合い

いずれも面白い話だが、三つ目の話を紹介しよう!


源九郎さんと、四国の禿留っていう狸とな、騙し合いをして。ほだらな、源九郎さんが、
  「おれ、明日、大名行列仕立てて来るさかい、ほんでに、あんじょう見とれ。」
て、そないに言うたらしいですな。その、四国の禿留って言う狸に。ほだら、
  「おう。」
言うて、ほで、あの、高見峠で待っとったらしいですな。ほんなら、
  「下に、下に、」
言うて、ほんまの大名行列が来たんらしいですな。
  「おい、うまいこと化けたのう。」
言うて、顔出したら
  「無礼者。」
言うて、一ぺんに手打ちになったって言う話を聞きましたなあ。

語り手:松場 賢一(東吉野村三尾)


ところで、その「源九郎狐」の面白い話がいっぱい載ってる絵本が
このほで刊行されました。



大和郡山の語り伝えたい ふるさと民話「げんくろうぎつね」
作絵・文:藤戸輝子  きり絵:馬場敏枝  500円
こおりやま民話絵本の会 中田光子


なぜ、「源九郎狐」というか、そのゆわれがあとがきに載ってました:

源義経が、頼朝に追われ吉野山に落ちのびたとき、白狐が家来に化け、
義経の妻「静御前」を守り、無事に送り届けたのだそうです。
そこで、義経はそのお礼に、源義経の「源」と「九郎判官」という位
から「源九郎」と言う名前を白狐に授けたのだそうです。

ところで、以前にも大和郡山の民話絵本を紹介しました。
見てくださいね。

民話絵本『稗田の村と広大寺池』刊行される!

今日は絵本の紹介でした。