竹原BLOG:奈良民話祭り ― グリム童話・メルヘン・語りの文化 とっておきの話。 

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上野公園にある「国際子ども図書館」に行ってきました!

2011年03月07日 | 日記
先日、東京で学会・研究会があり、東京に出張したついでに
上野公園にある国立国会図書館の「国際子ども図書館」に行って来ました。

大阪には万博公園に「大阪国際児童文学館」(昭和55年(1980)設立)があり、
よく利用していましたが、
現在は残念ながら規模を縮小して、大阪府立中央図書館に併設されています。

これに対し、東京・上野の「国際子ども図書館」は平成12年(2000)に開設され、
一度見に行かなくてはと、気になっていたのですが、
ようやく、それが実現しました。

建物は、明治39年(1906)に帝国図書館として作られた建物を保存・改修したものです。
明治期建築遺産としてなかなか重厚な建物です。



そして建物前には図書館を表示する御影石と子どもの群像彫刻があります。



建物内部について紹介しましょう。

★ 1階には、子どものための三つのへやがあります。

● 「子どものへや」では国内外の子どもの本(絵本、民話、児童読み物、知識の本、雑誌など)が読めます。
  子どもたちが自由に手にとって読めるよう、机の配置も工夫してあります。


(図書館で頂いた絵葉書より)(館内は撮影禁止です)

● 「世界を知るへや」では世界の国・地域の地理、歴史、民俗などを紹介する資料が手にとってみれます。
  子どもたちが世界に興味を持ち、国際理解を深められるような絵本、民話、読み物が並んでいます。


(図書館で頂いた絵葉書より)

ちなみに、小生の本「王子と美しいパセリちゃん―スイスの昔ばなし」 (小峰書店)は
どこにおいてくれているだろうかと思ってさがしてみると、
「子どものへや」でなく、「世界を知るへや」のスイスの書棚に
アルプスの鉄道の旅の本の横に置いてありました。

● 「おはなしのへや」では、毎週土・日におはなしと絵本の読み聞かせの会があるそうです。


★ 2階には二つの資料室があります。

● 「第1資料室」では、日本とアジア諸国で刊行された児童書や関連資料、最新版の日本の教科書が閲覧できます。
  ここには、東アジアだけでなく、スリランカ、イランやイスラエルなどの絵本も蒐集されており、
  さすが、アジアの先進国日本の国立図書館だなあ、と納得させられました。

● 「第2資料室」では、アジアを除く外国で刊行された児童書や関連資料が閲覧できます。
  例えば、グリムやアンデルセンの童話の原書やそれに関連する内外の研究書も読めます。

★ 3階にはホールと「本のミュージアム」があり、
  ミュージアムでは現在、「日本の子どもの文学 - 当館所蔵資料で見る歩み」を展示中でした。



私は、「子どものへや」でプロイスラーの『小さい魔女』の本の隣に『プロイスラーの昔話・全3巻』を見つけて、
児童文学作家プロイスラーが収集し語り直したドイツ各地の昔話に、しばし時を忘れて読みふけりました。

それから、「第2資料室」では、『グリム兄弟往復書簡集』の翻訳本がPOD版(プリントオンデマンド版)で
出ていることを知りました。

なにしろ、「国際子ども図書館」は、国立国会図書館の支部図書館なので
日本で発行される全ての図書を所蔵しているので、いろんな出版情報に触れることができます。
しかも現物を手にとって見ることができるので、ありがたいです。
(一般の図書館と違って、館外貸し出しはしていません)


結局、お昼に図書館内のカフェテリアでランチを食べてから、閉館の午後5時まで
居座ってしまいました。

それは、子どもの本に触れる不思議な、至福のひとときでした。

あなたも、上京(あづま下り?!)したら、一度、上野の「国際子ども図書館」
一日を過ごしてみませんか!