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金属中毒

心体お金の健康を中心に。
あなたはあなたの専門家、私は私の専門家。

バレンタイン4

2009-02-16 15:10:00 | コードギアス
4
このところ天子様のご様子がおかしい。誰に指摘されなくとも星刻は一番に気が付いていた。それもおかしいのは自分に対して限定なのだ。
(なにか、私がお気に触る事でもしてしまったのだろうか!!??)
いくら考えても星刻には思い当たる事が無い。でも、天子様は今朝もまた逃げてしまった。
唯一思い当たると言えば、2月14日の夜。本来なら大司馬たる星刻がするはずの無い仕事を衛士を勤めたこと。
(何かお気に障ったのだろうか。あの夜は・・・チョコをいただいてそれから少しお話をして)
その後すぐフランス領から急ぎの連絡が入ったため本来の衛士と交代して退室した。


悩みを抱えた星刻は食欲が落ち、3キロほど痩せた。神虎のプログラムの微調整のため洛陽を訪れたラクシャータは星刻を見るなり怒鳴る。
「勝手に体型を変えんじゃない!」
「・・わかりますか」
体型の変化をまわりに悟らせないため、星刻は以前愛用していた軍服をやめ、大司馬にふさわしいゆったりとした礼服に替えていた。それでもばれてしまった。
「私の目をごまかそうなど100年早い」
現在の社会的立場や黒の騎士団時代の階級から見ても、星刻がラクシャータに怒鳴られるのはおかしいのだが、現実は宿題をサボった小学生みたいに怒られている。
人徳と言うものだろうか、ラクシャータには星刻のみならず誰も逆らえない。藤堂やゼロも彼女の言葉にだけは素直に頷く。
もともとの専門がバイオ関係だったラクシャータは、今は星刻の主治医でもある。神虎の整備という名目であれば疑われる事も無い。
「それで、食べなくなった理由は」
本人にはわかっているはずとラクシャータは鋭く聞いてくる。
「   悩み事があって」
「天子様だね」
キセルを振りながらラクシャータは神虎の調整を続ける。
「どうしてわかる」
星刻は尋ねる。
少年のように見開かれた瞳を見て(わかりやすい男)だとラクシャータは思う。
この男が悩むのは天子様に関する事だけだ。政治がらみや軍事関連では『悩む』事はない。
そうなると処方箋はたやすく出る。
皇神楽耶である。
「まぁ天子様そんなにかわいらしい行動を」
ラクシャータがつないだ通信で星刻は神楽耶と対峙した。
「これは、うっかりしておりました。星刻様にもホワイトデーの規則をお伝えしないと」
口では謝罪しているが神楽耶は楽しそうだ。
「神楽耶様一体どういう事です」
「ホワイトデーにはチョコを受け取った殿方がお返しをするんです。プレゼントをしたり、遊園地や音楽会にさそったりもします」
「それは、日本の習慣ですか」
星刻はエリア11に赴任する際、源氏物語や太平記など日本文化も調べたがそういう習慣は書いていなかった。
「はい、異なるものを受け入れ溶かし新しいものを生み出す。バレンタインは日本が産んだ最高の文化ですわ」
「そうですか」
では天子様はどこかに行きたいのかと星刻は思った。きっと朱禁城では他の家臣の手前があるので言い出せないのだろう。
(そうだ、どこか天子様のお心を慰めるような美しい場所にお連れしよう)
さっそく星刻の中でたくさんの候補が浮かぶ。
「そうそう、いちばん大切なイベントとして、ホワイトデーはプロポーズのチャンスですよ。もちろん天子様もご存知ですわ。では、星刻様、がんばってくださいね」
最後に爆弾発言をして皇の姫長は通信を切った。
後に残されたのは口を大きく開けた星刻。
(ぷ、プロポーズだと)

星刻の食欲不振は当分治りそうに無い。


バレンタイン3

2009-02-16 10:50:24 | コードギアス
3
翌日、天子は神楽耶に通信を送った。
笑顔あふれる天子を見て、神楽耶にはすぐにわかった。
(無事に渡せたようですね。
念のため香凜さんにお願いしていて正解でした)
天子一人では渡せないかも知れないと神楽耶は香凜にフォローを頼んでいた。
「あのね、あのね、あのね


息せきって話す天子の言葉を聞くとやっぱり、ずっと渡せなくって泣いていたら、星刻が寝室に来てくれたのだと言う。
「喜んでくださったでしょう」
「うん」
天子は大きく頷いた。
「ところで天子様、日本にはバレンタインの後3月にホワイトデーがあるのですよ」
「ホワイトデー?」
「チョコを受け取った殿方が好きな女の子に何かを贈る日です。そうそう、プロポーズされたりするんですよ」
「えぇ!」
天子の眉がびっくりでぴょんと上がった。

3月が近づくとやけにそわそわして、星刻と目が会うと「きゃ」と言って逃げちゃう天子様が朱禁城で多数目撃された。

バレンタイン2

2009-02-16 10:21:41 | コードギアス
夜、天子はまだ子供という事で夜9時には寝室に入ることになっている。2月14日も女官達はいつものように天子を御召し代えさせて寝室に入れた。赤い瞳を潤ませている天子を。
(渡せなかったチョコ)
朝からずっと持っていた小さな包みを天子は見つめる。寝室に入れられてしまったらもう会いにいけない。
不寝番の衛士が女官に連れられ着任の挨拶に来た。衛士は一晩中貴人の眠りを守る。階級が上がる前は星刻もこの役を勤めたこともある。
天子は小さなため息をつく。手の中のチョコの包みを見つめたまま、女官の顔を見ることも無い。
「天子様、今宵の衛士を勤める」
女官はそこまで言うと少し笑ってくるりと部屋を退室した。いつまなら衛士の名を言い形式的な挨拶をするはずなのに。
天子は寝台の上で背をまるめている。背中が小さく震えている。
しんくー
声にもならないほどの小さな声で天子は一番会いたい人の名を呼ぶ。
「はい、天子様。星刻はここにおります」

いるはずの無い人、一番会いたい人の声がした。
衛士の服を着て寝台の横に控えているのは彼女の星刻だった。
「しんくー」
「はい、天子様」
ぱちぱちと赤い瞳がまばたいた。


バレンタイン

2009-02-15 23:14:38 | コードギアス
バレンタインの夜Yまぐち様のチャツトルームに参加させていただきました。星天への愛にあふれた夜でした。こういう話をできる人が近くにいないのでチャツトはありがたいです。
チャツトで皆様の言葉を聞きながらふと思いついた内容を以下に。


バレンタインを天子に教えたのは例によって神楽耶だった。
「好きな殿方に心を込めてチョコを贈るのですわ。」
チョコの材料を香凜に手配してもらい神楽耶に聞いたとおりに作ってみたが、いままで料理どころか火をつけたことさえない天子がいきなり手作りチョコなどうまくいくはずもない。
焦げ臭いチョコができあがってしまった。
気を利かせた香凜がスケジュールを調整したため、2月14日当日星刻は1日中朱禁城内で書類仕事をしていた。天子は何度も何度も星刻の執務室に入りチョコを渡そうとした。
(でも・・・うまくできなかったし・・・)
もじもじして何にも言えずにまた部屋をでる。
そんな天子の様子に気がつかない星刻ではない。
天子が執務室を覗き込むたび、天子様専用の優しい微笑を浮かべ「どうされました」と尋ねる。
2月14日夜までに天子と星刻はそんな会話ともいえない会話を50回も繰り返した。

氷樹4

2009-02-14 14:37:33 | 鋼の錬金術師

しばらくして、またマスタングは氷樹を呼び出した。しかし、医療・生体系の術の研究のため旅に出ているという。定期的に連絡が入っているので、軍の規則では問題は無い。問題があったのはマスタングの私情部分。エドが一緒に行っているのだ。
第2秘書はふと見上げた執務室の壁に、万年筆が深くめり込んでいるのを見た。



マスタングは表向きフレッチャーに関する調査をやめたが、個人的には続けていた。その日ようやく報告書が届いた。その中に引っかかる部分があった。
偽名で冷凍倉庫を借り、その中に棺を保管しているという。法的には棺を冷凍しようが焼こうが問題は無い。問題があるのはマスタングの私情部分。
不完全とはいえ、人体錬成を成功させたエド、そのエドに懐くフレッチャー。
冷凍倉庫の中の棺。遺体は亡くなった兄だろう。
「何のために遺体を保管している?」
マスタングは疑問を声に出す。
そして答えを声にできない。
(兄を生き返らせる気か)
(鋼のを利用して)

氷樹3

2009-02-14 13:00:36 | 鋼の錬金術師
マスタングは時々部下である[氷樹]を呼び出した。すると何故かいつもエドも付いてくる。普段は呼んでも文句ばかりでなかなか来ないエドが当たり前のように付いてくる。
仲良くしっかりと手をつないで。
普通なら、15歳を越した兄弟が手を握って歩くのは・・・あまり美しい構図ではないだろうが、この『兄弟』は絵になった。中央軍の女性たちは彼らを見るのを楽しみにしている。しかし、マスタングはそれを見るたび額の縦皺を深くした。
「仲がいいことだな」
マスタングはたっぷりのいやみをまぶす。
マスタングの視線はまっすぐエドに向かう。
だが、すばやく立ち位置を変えたフレッチャーが正面から視線を受け止める。
「はい、だって僕エドワードにいさまが大好きですから」
気のせいかピンクのハートが執務室に飛び交っている。
無意識にマスタングの手に力がこもる。万年筆のペン先がじわじわ広がっていく。
「「「「「あ」」」」」
5人の声が重なる。
第1秘書が書類を救う。
第2秘書が万年筆を取り上げる。
「いけません。あなたの手が汚れてしまいます」
第2秘書のペンだこだらけの手をフレッチャーは優しく包む。インクの付いた彼女の手に少年の指がゆっくり円を描く。わずかな蒼い光の後、新品に戻った万年筆と白魚の手の秘書嬢がいた。
(金属系と生体系の錬成を同時にか)
「器用なものだな」
「小物直しと美容で生活していましたから」
フレッチャーはにっこり微笑む。
邪気の無い笑みなのだが、なぜかマスタングはまたざらざらした触感を感じる。
(何故だ?)
頭が良くて素直で礼儀正しい、先輩のエルリックに懐いている、軍の中でのフレッチャーの評価は良い。フレッチャーに疑念を抱いているのはマスタングただ一人。それも証拠は無い。

証拠も無くフレッチャーへの疑念を口にすれば「長い事手元で可愛がっていたエルリックをとられたようでさびしいんじゃありませんか」
そんなふうに言われるだけだとわかっている。
だからマスタングは表向きフレッチャーの調査を打ち切った。

群知能の適応への例

2009-02-13 16:54:18 | Weblog
群知能の適応への例

反ブリタニアの大規模集会
このときは  が手配していたプロ活動家が携帯などで手早く警察や軍の動向をすばやく知らせた。
プロ活動家達はリーダーも無く暴徒化寸前の群集を賢いデモ隊に仕立てた。参加者は魚の群れのように何度も散らばっては再集合を繰り返した。

氷樹2

2009-02-13 16:35:34 | 鋼の錬金術師

予定の時刻に氷樹は来た。推定15歳とあったがもう少し若いとマスタングは見た。声がまだ変声期前である。透明感の強いボーイソプラノの少年は礼儀正しく着任の挨拶をする。
そしてロイが問うまでもなくエルリック兄弟の知己と告げた。
「鋼のとはいつ」
「2年ほど前です。ゼノタイムの町で」
ゼノタイムという名は覚えがあった。地元の術師が事件解決に手を貸してくれたと報告書にはあった。
(事実は一緒になって事件をあおったのだろう)マスタングはそのときそう思ったが少年を見る限り火に油を注ぐタイプには見えない。では報告書どおりの単なる協力者だったのか?
柔らかな物腰。礼儀正しさ。皇子様の呼び名が似合いそうな端正な顔立ち。
一般枠試験で銀時計を手にしたのだから腕も良いだろう。
(理想的だ)
文句のつけようが無い少年にマスタングは銀時計を渡し、形式的な注意を与える。短時間に会見を終えようとしてロイは何かに引っかかった。単なる勘だった。何か、理想の少年の中にどろりとした闇が見えた気がした。



電話しフレッチャーの名を教えると,エドはすぐ飛んできた。

「引き離されていた恋人同士みたいに見つめあった後、『兄さん』と呼んで、抱きしめたんです。あの子達兄弟だったんですね」
後に再会の様子を秘書にそう聞かされたとき、マスタングは自分が何か大きな失態を犯したことに気が付いた。しかし、もうどうしようもなかった。


エドワードは弟の肉体を取り戻そうとして成功した。それが理由で弟を失った。弟は生きている。しかし、もはや兄と一緒にはおれない。アル自身はそのことに気が付いていないが。

半年ほど前、不完全な赤い石を使いエドはアルを生身に戻した。狂喜する兄。喜びにあふれる弟。だが、エドの喜びは1日しか続かなかった。アルの記憶が一日ごとに失われていったからだ。記憶を一日ごとに失うアルは自分が記憶を失くしていくことを知らない。アルにとっては目が覚めたら生身に戻っていただけだ。そして毎朝喜びにあふれるアル。喜びの芝居を続けるエド。その間に必死に研究し記憶消去の原因をエドは探ろうとした。だが、解らなかった。そのうちにエドの様子にアルが疑念を抱き始めた。何ヶ月も宿の一室に閉じ込め外部と接触させないのも限度があった。ある日、アルは兄に聞いた。「ぼくは記憶を無くしているんじゃないか」
そしてその疑念すら翌日には忘れていた。
アルの笑顔に耐えられなくなったエドはマスタングに相談した。憔悴しきったエドを見て、とにかくアルを安全な場所、旧部下の農場に預けた。報告ではアルの記憶の退行は今も続いている。
エドからアルを離したのはやむを得ない処置だったが、失策だったとマスタングは今になって思う。

調査報告ではフレッチャーには兄がいた。少し前に死亡したらしい。
兄を亡くした弟は、弟を失った兄と出会い、「擬似兄弟か」マスタングは苦くつぶやく。なくした者を補い合う、それが悪いとは言わない。エドにとってフレッチャーの面倒を見るのは慰めになるはずだ。だが、何かが引っかかる。フレッチャーの兄の死は自然死だったのか?再調査を命じてロイは軍の仕事に戻る。子供のことだけにかまけてはいられない。マスタングは彼が守ると決めた全てのために上を目指すのだから。

『氷樹』

2009-02-12 14:46:27 | 鋼の錬金術師
宝探しの続編

『氷樹』

氷樹の2つ名を得た新人国家錬金術師がマスタング准将の下に配属されたのは本人の強い希望があったためだ。他の上司なら銀時計を返上すると強談判したという。
 しかし、マスタングにはフレッチャー・Tの名にさっぱり覚えが無い。
東方司令部時代の部下達なら隠し子じゃないかと言ってからかってくるだろうが・・・。あいにく、そういう覚えも無い。添付資料によると金の髪に銀の瞳。皇子様のイメージの美少年。(軍の報告書に使う表現ではないだろう)マスタングは報告書を書いた総務の女性士官の名を確認する。
技は「氷樹」の名が示すように極低温を造りだす。細胞レベルで生命を破壊するとある。範囲は数センチから100メートル四方まで。十分に即戦力となり得る。年齢は推定15歳。推定なのは無戸籍地区の生まれのため。
「子供の扱いは鋼の錬金術師で慣れているだろう」
大総統のコメントが付いているので拒否することは出来ない。
しかし、マスタングは多忙すぎた。わが身同然の部下達を奪われ、大量の仕事、それも慣れない政治的な仕事を押し付けられている。この上子守まで押し付けられては堪らない。
「鋼のに任せるか」
妥当というより適当な結論をマスタングは出す。
鋼の錬金術師は弟を事故で失った。それ以来精神面に安定を欠き、後見人であるマスタングの完全保護下にある。(世間的にはそういう事になっている)

好きな色は

2009-02-11 03:51:16 | コードギアス
好きな色について
 ミレイ・アッシュフォードのインタビュー


ナナリー皇帝 「黒ですわ」
ミレイ 「お好きな理由は?」
ナナリー皇帝「世界の守護神たるゼロの色ですから」


皇の姫長
「赤、わが国の再生を表す色ですから」


天子「青が好き」
ミレイ「どういう青がお好きですか?空の、海の?」
天子「神虎の青が大好き」


ゼロ(スザク)
回答なし・・・ゼロは世界を守るシステムである。それゆえに個人の嗜好は無い。


藤堂  不在のためコメント無し。


黎星刻 「純白」
それだけ答えると多忙を理由に立ち去ったが、ミレイは男の動揺をしっかり見抜いていた。

鋼の時代のこっちの世界の様相

2009-02-07 20:44:39 | Weblog
鋼の時代のこっちの世界の様相



南北戦争、第一次世界大戦といった機甲化された戦争では戦闘による傷そのものより、感染症による死者が多かった。

フレミングは第一次世界大戦に外科医として従軍していた。わずかな負傷でも衛生状態の悪い戦場では敗血症を起こす。傷口が膿み悪臭を放ち、神父の到着すら待てず死んでいく兵士達。このありさまを目の当たりにしたフレミングは戦争終結と同時に感染症の治療薬を探し始めた。
かくして有名な青カビからペニシリンの発見となる。
この話、時代的にドクターマルコーに見えてくる。戦争国家アメストリスで医師として従軍。
手の打ち様すらなく死んでいく兵士達や住民たち。彼らを救うため医療系錬金術を極めた。
その結果、軍に認められ研究所で高い地位を得た。だが、待っていたのは栄光と幸福ではなかった。

ワールド・キューピットの日

2009-02-07 13:12:12 | コードギアス
考え方によれば、天子様と星刻は最高級のロイヤルカップルではないでしょうか。
最も功績が高いとされる亡き2代目のゼロ(スザクゼロとルルゼロを同一人物とするのは無理がある。それならゼロは代替わりしているを既定の事実にしてしまったほうがいい)と日本の皇の姫、さらに皇帝ナナリーの後押しを受けるカップル。神楽耶様にとっては天子の恋は亡き夫との悲願。ナナリーにとってもあの兄が恋愛に対して正しい判断をできた貴重な例。となると天子様と星刻を無事ゴールインさせるのは妻としての妹としての勤め。
最高に強い女達の後押しを受けて、それでも臣下としての立場を踏み越えられない星刻。いつまでも煮え切れない男にいらいらしたナナリーがミレイ先輩に相談して・・・世界同時イベント、キューピットの日が歴史に残りそうな気がしてきました。

『先延ばしができるのは幸せな事だ』

2009-02-05 14:47:18 | コードギアス

『先延ばしができるのは幸せな事だ』



悪逆皇帝の暴政から救われて、解放の喜びに沸く日本人達。そんな人々の群れが暴徒化しないようにあらかじめ配置されていた中華軍を主力とした軍団が、まずは交通整理に勤める。
そんななか予定されていた花火が生憎の雨で延期された事にがっかりする迷子の坊やに星刻がふと洩らした言葉。


星刻の人生には先延ばしできるような余裕は無かったことを思えば、けっこう重い一言である。


マリアンヌ

2009-02-05 13:54:13 | コードギアス
歴史を見渡すとたまに現れる。

出会った男の上昇志向を刺激する女。
マリアンヌはおそらくそういう女だったのだろう。スザクの父の玄武。シャルル。ナイトオブワン。シュナイゼル。
他にも名は残っていないが玄武の長年の腹心もマリアンヌに尽きたい一心だけで何の不満も無い玄武を裏切った。ちなみにマリアンヌはそんな彼を拾わなかった。
平民の生まれでは会ってもマリアンヌは女王であり、男達の女神であり続けた。


病院で書き落としたメモ

2009-02-05 11:55:32 | コードギアス

病院で書き落としたメモ

医療宮は常に28度以上に保たれている。室外と室内の温度差が30度もあるせいで、窓ガラスは露で覆われてスクリーンのようだ。
昨夜また発熱がぶり返したせいか、星刻はぐっすり眠っている。いつもなら天子が顔を出すときは多少の無理をしてでも起き上がっているのに。
はじめて見る。星刻の寝顔。額に薄くある縦皺。天子は以前香凜に聞いたことを思い出す。
『星刻様は政治向きの書類を見ているときだけ額に皺が寄るのですよ』
自分は見たことが無い。そんな星刻を見たくて執務中の彼を何度も訪ねた。でもいつも会えるのは優しく微笑んでいる彼ばかり。
『天子様の足音はどんな遠くからでも分かります』
そう言って抱き上げてくれる彼にまた自分は甘える。今にして思えばあのころすでに彼の身体はかなりつらかったはずだ。
星刻は目を覚まさない。
ドアを叩く音がする。もう報告を聞く時間が迫っている。
「シンクウ。今は私が、私はあなたを」

朝日がスクリーンのように窓を輝かせる。
小さな指先が窓ガラスに何かを書いていく。


星刻が目を開けたとき天子の足音が遠ざかっていった。星刻は日の光に誘われるように窓を見た。
wo ai ni
「好き」
小さな三文字を星刻が見るまで後1秒。







星刻はいつまでも愛情を忠誠に自動変換していそうです。日本の女帝やブリタニアの女帝がいくら応援してやっても天子様の恋はなかなか実りそうにありません。
ならば告白するなら天子様から。
それもかわいらしい方法で。