【ただいま読書中】

おかだ 外郎という乱読家です。mixiに書いている読書日記を、こちらにも出しています。

道祖神

2011-07-08 18:54:52 | Weblog

 私がこれまで見かけたのは、なぜか男女ペアのものが多かったように思います。中にはエロチックなものもけっこうあるそうです。なぜそのようなものが日本中の道ばたにあるんでしょうねえ。もしかしたら、かつての日本では「道」は聖なる場所だったことを示しているのか、あるいは特定の地点で出会った男女は道ばたでセックスOKの印だったのか……

【ただいま読書中】『新 道 なぜなぜおもしろ読本』建設技術研究所 編著、 ナノオプトニクス・エナジー出版局、2011年、2000円(税別)

 「道」に関する豆知識集です。
 古代律令時代に最重要視されたのは山陽道で「大路」と呼ばれました。次いで「中路」が東海道と東山道、「小路」が北陸道・山陰道・南海道・西海道です(大宝律令の規定)。鎌倉時代には東海道が重視され整備されます。江戸時代はもちろん、江戸を中心とした五街道。諸藩でも街道の整備は進められましたが、それは参勤交代のためだけではなくて、人と物流を促進した方が藩に利益があったからでしょう。
 高速道路の祖は、1912年にベルリンで建設が開始されたAVUS(自動車交通実験道路)だそうです。当時の最新技術が注ぎ込まれたこの道路は1921年に完成し、現在もベルリンの幹線道路として使われているそうです。そしてAVUSが発展したのが1920年代からのアウトバーン。アメリカは、1940年開通のペンシルバニア・ターンパイク(延長257km)。独や米の影響を受けて日本でも1940年に「高速道路」が登場します。ただし「言葉」だけですが。1940年~43年の調査によって「全国自動車国道網計画」がまとめられました。43年には名古屋~神戸間の設計も行なわれています(戦争のために計画は中断でしたが、これが後の名神高速道路につながります)。
 日本で最長の国道は4号線(東京ー青森)で868km、最短は神戸市内の174号で187m(歩いて3分!)。「階段国道」というものもあります。たとえば339号(青森県竜飛崎灯台の階段)。オフロードバイクなら通過可能かもしれませんが。国道459路線のうち24路線ではその一部が海上にあります。フェリーなどで交通機能があると認められたら「道路」なのだそうです。たとえば国道58号は、鹿児島から奄美大島を経由して沖縄県那覇市まで。私は一瞬「桃鉄」を思い出してしまいました。あのゲームは「道路」ではなくて「鉄道」ですけどね。
 新しい道路を建設するときの公正な手続きとか環境保全への配慮とかも書いてありますが、入札のドロドロとか計画の線が不自然に曲がって特定の人の地所を通ったり逆にそこを避けたりする不思議などについては書かれていません。まあ、この手の本にそれを求めるのは筋違いなのでしょうが。
 そうそう、自転車が歩道を通行するときのルールについてもきちんと書いてありますが、たとえば「歩道の車道寄りの部分を徐行し、歩行者の通行を妨げる場合は一時停止」「横断歩道は自転車を降り押して渡らなければならない」なんてのを守っている人っていませんねえ。そもそも車道を走るときの左側通行さえきちんと守れない人がやたらと多いのですが。