【ただいま読書中】

おかだ 外郎という乱読家です。mixiに書いている読書日記を、こちらにも出しています。

高給

2010-06-24 19:37:10 | Weblog
カルロス・ゴーン社長の年俸がニュースで大々的に取り上げられていますが、では私がもしも日産の社長だったらいくら欲しいか、と考えていて、それ以前に会社が私にいくら払いたいか、に気がついて考えるのをやめました。だって「給料以上の働き」はどう考えてもできそうにありませんもの。
それと、もしも億以上なんて年俸をもらうようになったら(しかも世間にそれを公表されたら)、窃盗・強盗・誘拐対策を真剣に考えなければならないでしょう。家には厳重なセキュリティ、家族が出かけるときには各自にガードマンが必要かな? なんだか、生活が贅沢だけれど窮屈になりそうな予感がします。
しかし、今回の「億以上は公表」の目的は何なんでしょう? 暗黒街の人たちに「でかいターゲットがここにあるよ」と知らせるためかな。それともセキュリティ産業の振興策?

【ただいま読書中】『仮面の大富豪(下) サリー・ロックハートの冒険2』フィリップ・プルマン 著、 山田順子 訳、 東京創元社、2008年、1800円(税別)

先日読んだばかりの『機関銃の社会史』にちょこっと登場する「蒸気力を使った連発銃」が突然登場して、私を驚かせます。(史実では1854年にヘンリー・ベッセマー卿が特許を取っていますが) さらにあの本にもあった「平和をもたらす大量殺戮兵器」という概念まで本書に登場するのですが……
「自分が自立した人間であること」に執着するサリーは、そのために無用の危険を招きます。たとえ自立した人間でも他人の援助や協力を必要とする場合もあるのになあ、と私はため息をつきます。
しかし、データが揃えば形勢は逆転する……場合もあります。そのデータをどう使うか、によりますが。やっと悪漢(本人は「善意」を強調していますが、どうしても「善」を使いたければせいぜい「独善」。そして行為は明らかに「悪」そのものです)ベルマンは官憲にまで影響力を持っています。何かをしかけるにしてもベストのタイミングを見つける必要があります。
しかし、筋金入りの悪意は強力です。タイミングをはかる必要などありません。攻撃によってついに犠牲者が……
サリーは涙とともに北に向かって旅立ちます。敵の本拠に、単独で乗り込むために。
そして最後のドンデン、かと思ったら、もう一回のドンデン。
やめてくれ、と私は呟きます。こんなラストって、あり?