足立直義の丹沢・大山山麓だより

生き物との出会いを楽しみに今日も山麓を歩いています

No.1276 ~ オケラの 花盛り ~

2014年10月10日 | 植物

観 察 月 日  2014.10.7.晴 22℃

観 察 場 所  秦野市 弘法山

 大型で強い台風18号は、関東甲信地方を横断、多くの被害を

及ぼした。

 その翌日、いつもの道を弘法山へ向かってみたのは、オケラの

花が咲き始める頃と予測したからだ。寺院の裏山のミカン畑へ通

じる急坂の登山道を進む。台風のもたらした豪雨が山道を激しく

洗った跡はあるが、草木の風への被害は感じられない。

 動植物の様子は年によって変わるもので、昨年の秋11月初め

に訪れた時はヒヨドリジョウゴの紅色の実が迎えてくれたが、その

蔓が見つからない。

 尚も登り、暗い雑木林に入ると林の様相が変わった。コナラの幹

が引き裂かれて倒れ、道を太い枝が何本も倒れて塞ぐ。道を避け

て巻き、枝を跨ぎながら進む。その場を過ぎるとそれより上は穏や

かな林に変わった。

 路の両側からコウヤボウキの茎がしなだれて、足に触れる。その

先端にはまるい蕾を付けているが、咲き始めているものもあり、そこ

にはハラナガツチバチが吸蜜に訪れていた。

 今日の目当てのオケラも、この山道に多い。コウヤボウキより開花

は進み、秋の山道を花で飾り始めている。蕾から咲き始め、盛りの

時期まで、ステージが揃っている。中には、コアオハナムグリが花の

上にどっかと覆い、花を食べている。ハナムグリは、花にとっては迷

惑な昆虫と思われるが、体に筒状の雄蕊から飛び出た花粉の粒が

付着しているので、ポリネータ(花粉媒介者)の役目も果たしている

のだろう。

台風の風の通り道だったのだろうか。コナラの幹が裂け枝が散乱していた。

コウヤボウキの枝がしなだれ、ハラナガツチバチが。

コウヤボウキの花は、造形的だ。

この道は、オケラの花が多い。

つぼみ

つぼみをルーペで見る。クモの巣状の毛が巻いてきれいだ。

花盛りの株もある。

コアオハナムグリが、花をムシャ、ムシャ。

ルーペで見ると。押し出された花粉の粒が体に一杯付着。

                           オケラの万葉呼びはウケラ、古くから人の目に振れていた。


No.1275 ~ アサギマダラの マーキング ~

2014年10月03日 | 昆虫

観 察 月 日  2014.9.16.晴 25℃

観 察 場 所  群馬県 赤城自然園

 フジバカマの群落に、朝からアサギマダラが群れて吸蜜して

いる。その一匹にレンズを向け撮影しようとした時、翅にアルファ

ベットの文字と数字が書き込まれているのに気が付いた。どうし

たのでしょうか。

 アサギマダラはマダラチョウ科の仲間で、主に熱帯地方に住ん

でいます。日本に住むアサギマダラは、春から初夏に掛けて南方

の沖縄や九州の島々から北上して本州へ、夏は本州の高原(ヨツ

バヒヨドリ等の群落で吸蜜)等で過ごし、秋には新しい世代のチョウ

が、今度は南の島々を目指して移動する事が解ってきました。10

月中旬になると南の喜界島には沢山のアサギマダラが集まり、そ

の中には、東北の蔵王山から飛んで来たものもあり、その距離は

1500kmにもなります。それらは、アサギマダラの翅にマーキング

をし、再捕獲された事によって、移動の様子が解って来たのです。

 さて、自然園のフジバカマで最初に撮影したアサギマダラの前羽

には9/15後羽にはAP002と書かれていました。前羽は9月15日

の事で、後羽のAPは多分Akagi Nature Park赤城自然園の事で、

002は2番目の意味だと思われます。次は148番目、その次は171

番目に捕獲記録した事を表しています。多分ここで(または、夏に赤

城山で?)マーキングし3桁に上る数を放蝶した事を表しています。

今では、一人で数千匹をマーキングする人が何人もいて、全国では

数十万匹にもなる様です。それだけ、アサギマダラの渡りには、解ら

ない不思議がいっぱいあるのです。

フジバカマの群落は朝から賑やか。

レンズを向けたら マークの付いたアサギマダラが?

前羽に9/15 後ろ羽にAP002が見える。 雄だ。

次は AP 148 と記入されている。

また、翅にマーキングが!

翅を開いている。裏返しに読んで、9/15 AP171 3ケタ マーキングしている?

花が終わる頃には、アサギマダラは旅立つ!

南へ向かって 海を渡って アサギマダラは不思議一杯!!

                                                          -ENDー

 

 

 

 

 

 

 


No.1274 ~ アサギマダラの 雌はどこに ~

2014年10月01日 | 昆虫

観 察 月 日  2014.9.16.晴 25℃

観 察 場 所  群馬県 赤城自然園

 既にアサギマダラはフジバカマの花に集まり、吸蜜していた。

その数は、すごい数だ。「目の前の視野に入る蝶を数えてみても

、15や20を越えてしまう」とRさんが呟く。フジバカマの群落の場

所には、三脚を据え一眼に長いズームレンズを付けた人達が頑

張り、時折“ジャー ジャー・・・・”と言う連写の音が響く。皆さんは

写真クラブの例会の為、アサギマダラの傑作を狙っている事だろう。

 で、私はと言うと、日当たりのよいフジバカマに集まり吸蜜してい

るのは、雄か、それとも雌か、混ざっているのかどうかを、調べよう

と思っているのだ。

 群落の端から一通りチェックして行くと、全部が雄で、雌は一匹も

見当たらないと言う予想通りの結果であった。

 アサギマダラは夏の間は赤城山?等山で過ごし、秋になり降りて

きたものだ。では雌は何処にいるのだろうか。園内には来ていない

のだろうか、疑問がわく。そこで私は園内の林の中に来ていると

予想を立て、雌を求めて林内を探索することにした。

 広い林の中は薄暗く、花も無く、アサギマダラの飛ぶ様子もない。

しかしあきらめずに歩くとオオバショウマの群落がありブラシ状の

白い花が遠くに見えた。蝶が1~2匹飛んでいる。急いで近づき確

かめると、アサギマダラの雌であった。林のなかの木漏れ日が当た

るトネアザミでもと。 約15匹の雌と巡り会えた。

 雌雄が何故別の場所を選んでいるのだろうか。そのわけは、種々

考えられるが良く解ってはいない。今日熱心に撮影していたカメラ

マンは、雄だけのアサギマダラを写して帰った事だろう

フジバカマの群落

すでにアサギマダラが集まり吸蜜をしていた。

アサギマダラ♂ 後ろ羽に黒斑がある

フジバカマの群落に数え切れない程の♂が。

アサギマダラの雌は何処に 林の中を探索する

遠くにオオバショウマの群落が

アサギマダラらしき蝶が飛ぶ。

近づいて見ると アサギマダラの雌だ!

木漏れ日を受ける トネアザミの花にも! 後ろ羽に黒い斑紋がない。

「雌ですよ」と教えると 「知らなかった」と急いで写すカメラマン。