足立直義の丹沢・大山山麓だより

生き物との出会いを楽しみに今日も山麓を歩いています

No. 1437 ~ アケボノソウの不思議 ~

2016年09月21日 | 植物

観 察 月 日   2016.9. 16. 曇時々雨 24℃

観 察 場 所   箱根町 芦ノ湖西岸入口

箱根町の民家も途絶え、芦ノ湖西岸入口まで来た。幼い頃の金平糖

を思わせる、ミゾソバの紅が目を引く。隣にはツルリンドウが筒型の

花を付け、蕾の塊が重く垂れていた。

 今日の目的の一つは、アケボノソウに出会う事だ。一週間前下見に

来た人の話では、「見当たらなかった」と言うので、まだ開花していな

かったのだろう。その言葉を頭に置きながら、横を見ると、アケボノソ

ウの茎が何本か立ち、夜明け前の空にまだ幾つか星が残る“曙の景

色”を連想させる花が開いていた。

 アケボノソウの花は2cm程の大きさで、5枚の花びら、5本の雄蕊、

中央に1本の雌蕊があり、多くの花ではその中心に蜜腺があり、昆

虫を雄蕊と雌蕊に近づける仕組みになっているが、アケボノソウは

それぞれの花弁の先近くに2個の蜜腺を付けている。花弁の先にあ

る紫色の斑点は、昆虫に蜜のありかを示すガイドマークだ。

 アケボノソウの蜜腺には、アリがよく来ている。今日も小形のハチ

が来ていた。これでは受粉等考えられず蜜腺の位置に疑問が残った。

だがそのわけは、ハエが教えてくれた。ハエは花粉を嘗め、蜜も嘗め、

雄蕊や雌蕊を跨いで歩く。その時、腹側に花粉が付くのだ。

 今日は雨模様で見られなかったが、晴天の日には、主役のハナア

ブが花を訪れ、同様な行動を取る事だろう。

ミゾソバ 金平糖を思い出す。

ツルリンドウ 

アケボノソウに 小形のハチが蜜を舐めていた。 受粉はどうなる?

疑問の解決は ハエが教えてくれた。

腹側に 花粉が付くのだ。

★ やって来る昆虫は 天気によって種類は異なるだろう。


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