足立直義の丹沢・大山山麓だより

生き物との出会いを楽しみに今日も山麓を歩いています

No.979 ~ タマムシ色の マジック ~

2011年07月28日 | 昆虫

タマムシが間伐材の上に落ちた

腹部も金緑色と赤に輝く この色はどこから・・・・・

タマムシ歓迎 雑木林の間伐材

日  2011 7、17 晴 32

所  厚木市 七沢 

 

 心地良い羽音がして、金緑色のタマムシが斜めの飛翔体形で頭上

を通過し、少し離れた斜面に積まれている雑木の間伐材の上に着地

というより落下した。

 「タマムシを箪笥の引き出しの中に入れて置くと、衣装持ちにな

るんだよ」幼い頃母親から聞いた話だが、今と比べて貧しかったそ

の頃の人は、タマムシのきらびやかな色彩に憧れの念があったのだ

ろう。

 1200年前推古天皇の時代法隆寺に安置された玉虫厨子に見られる

様に、いにしえの人にとっては神秘の色であったに違いない。

 近年になり、顕微鏡の高倍率化等著しい進歩により、その不思議

な色は解明されるようになった。

 タマムシの翅の断面を電子顕微鏡で見ると(簡単に見られる訳で

はないが)三層のクチクラから出来ている。その一番外側のエビク

チクラと言われる層が、又、極薄い20の層から出来ていて、それ

ぞれの極薄層に太陽光が入ると複雑に反射し合い干渉して、あの美

しいタマムシの色に見えるといわれている。タマムシの色は多層膜

干渉の色なのだ。只、赤い筋はどの角度から見ても変化しないので

色素があるようだ。

 まるで光のマジックの様なこれらの原理は、人間の暮らしに応用さ

れつつある今の時代なのである。

 

 

 

 

 

 

 

 


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