観察月日 2019.12.8.快晴 5℃
観察場所 山北町 玄倉
朝から雲一つない日本晴れ、元ビジターセンターの温度計は
2℃を指す。主の居なくなった大木には“ケヤキ”と記した樹名
板が付けられている。
「何か昆虫がいる様ですよ」とRさん。幹と板の間を覗くと、黒
い平たい昆虫が重なり合っているのが見えた。約20匹程のヨ
コズナサシガメの幼虫だ。成長の過程を見守って行きたい。
台風が大雨をもたらしてから2カ月になろうとするのに、ダム
の水面の色は黄土色だ。ヒドリガモの一群が対岸近くを泳い
でいるのが肉眼でも見える。
「ダムの奥の水面にオシドリの群れが」誰かが呟いた。「どの
方向なの」の声と共に、皆の双眼鏡の向きが揃った。私もその
姿を捕えようとカメラのレンズを向けて見たが、800mmでは
無理の距離であった。
その時、遠くで蹄の音が聞えたかと思うと、急に大きくなり、次
の瞬間私の背を掠めた。とっさに振り向くと若いメスジカが走り
去っていた。猟犬に追われているんだ。「可愛そうに」消える様
な声が流れ、それに、私の心も微かに共鳴した。「なぜだろう?」
橋の中程で、紅葉した山腹をクマタカが勇壮に飛び抜けた。
西丹沢玄倉は、自然の姿を見せ、考えさせる課題を与える所だ。
ケヤキの幹に樹名板。
ヨコズナサシガメ
ダム
若ジカ が追われて駆け抜けた。
クマタカが勇壮に飛び抜けた。
ヒドリガモ。
今日の仲間。