足立直義の丹沢・大山山麓だより

生き物との出会いを楽しみに今日も山麓を歩いています

No.1183 ~ イタドリオマルアブラムシ ~

2013年09月28日 | 昆虫

オオイタドリの葉が変化している。 どうしたの?

近づいてみる「 葉の裏に回ってみると

大型のアリが

胸の赤い ムネアカオオアリだ

アリマキもいるが 黒い点模様が気になる 何だろう?

黒点が背にあるのは 成虫。 ないのは幼虫だ。

夏の間は胎生で 自分と同じ娘アリマキを産み続ける

秋になると冬に備え 有翅の♂、♀を産む事だろう。

観 察 月 日  2013 9.11.曇 25℃

観 察 場 所  群馬県 水上町

  神奈川県で見る背丈の小さいイタドリとは違い、茎は人の背丈

より高い3mにも伸び、林道の中央にまで張り出している。多雪地

でよく見掛けるオオイタドリで、日本海側要素の植物だ。

 尚も進むと、葉が黄色や茶色に色付いたオオイタドリがあり、私

の好奇心がうずき出した。

 オオイタドリの色付いた葉の裏側に回り、曇り日の中それでも幾

らか明るい空に透かして見ると、体長12mm程の大形で、胸の赤

いムネアカオオアリがいた。それも、何故か色付いた葉の裏に1匹

づついる。葉裏一面にアリマキもいるが、それよりも、真っ黒な点が

散りばめられている不思議な状態に目が釘付けになった。

 眼が慣れて来ると、成熟したアリマキの背には黒い円模様があり、

若虫にはそれが無い。

調べて見ると“イタドリオマルアブラムシ”だ。南関東では、周年イタ

ドリに寄生し、胎生雌で越冬するとあった。寒冷地では、2次寄生は

オオイタドリで、1次寄生はクロウメモドキで、卵で越冬すると言う。

さればここ雪国では、夏の間は胎生で次々とクローンで増やし、降

雪近付く秋になると有翅虫が出現し、交尾した後産卵した卵が、深

い雪に守られ厳しい冬を越すのであろう。